【コミカライズ】無職だけど転移先の異世界で加護付与スキルを駆使して30年後の世界滅亡の危機に立ち向かう ~目指せ! 俺だけの最強ハーレムパーティ~
1342話 騎士道ごっこ
「どうして……こんなに方角がバラけているんだ? いったい何が……?」
俺は思わずつぶやく。
共鳴水晶から与えられる情報は、ミティたちの異変を知らせるものだった。
1週間前にも光ったが、そのときは全員が同じ方角だったのに……。
とりあえず、それぞれの発光パターンからしてピンチとかではないようだ。
ただ、異国の地だし今後は何があるかわからない。
それに、ティーナ、ドラちゃん、ゆーちゃん、雪月花については共鳴水晶を所持していない。
彼女たちは無事なのか……?
無事だとして、どのように合流したものか……。
「うかうかしている暇はないようだな。早くみんなと合流していかないと」
俺はつぶやく。
そして、まずは陸地に上がるべく静かに泳いでいくのだった。
*****
ミティたちがヤマト連邦の各地に強制的に転移され、その異変に気付いたタカシが慎重に上陸を目指している頃――
「ちぃ……! カゲロウの奴め、連中の無力化に失敗するとは……!!」
ヤマト連邦の『佐京』にある屋敷で、ひみこが毒づいていた。
彼女は10歳に満たないほどの外見を持つ。
狐耳が可愛らしい。
普段はそれに似合わぬ威厳を併せ持っているのだが……今は、苛立ちで顔が歪んでいる。
「ひみこ様、いかがされましたか?」
「侵入者が想定以上に強く、各地への強制転移を発動させるだけで精一杯だったようじゃ。しかも、転移先はランダムだとか……」
「なるほど……。まさか『霧隠れの里』の手に余る集団が存在するとは……。それで、今後はいかがいたしましょう?」
部下の陰陽師が尋ねる。
ひみこは忌々しそうに答えた。
「わらわの支配地域には、伝令を出せ。異国の強者が転移している可能性があるとな。各藩の大名に対応させろ。可能ならば懐柔し、そうでなくとも捕縛して無力化しろとな」
「かしこまりました。では、織田家の支配地域には……」
「そちらはわらわの知ったことではない。まぁ、連中も異国人を警戒しておるからな。安易に懐柔へ動くことはないじゃろう。適当に対立して、潰し合ってくれたら御の字じゃな」
「ははっ! では、そのように……」
部下の男は一礼すると、その場を後にする。
ひみこは嘆息するが、それと同時に新たな違和感に気づいた。
「……? またもや侵入者か? 結界に微弱な反応があったが……」
それはタカシの反応だった。
チート持ちの彼は強者である。
だが、今は重力魔法を使用せず、しかも魔力を抑え気味にして潜水していた。
そのため、かなり弱い存在として検知されている。
「ふむ……。これが、もしや貴様の言っていた『タカシ』とかいう男なのか?」
「…………」
ひみこは、部屋の隅で拘束されている青年に尋ねる。
だが、彼は何も答えない。
「カゲロウが対応した集団に男はいなかったようじゃし、その可能性が高かろう。しかし……この程度の存在力とはの」
「……」
「女たちに比べると、大したことがなさそうじゃ。偶然なのか、こやつも『霧隠れの里』に向かっているようじゃが……。この程度ならば、疲弊したカゲロウたちでも対処可能じゃろうて」
ひみこは状況を分析する。
彼女は落ち着きを取り戻していた。
「おい、貴様。黙ってないで教えてやればどうじゃ? 同郷の馬鹿男に! 『早く逃げろ。俺たちがやっていたのは……騎士道ごっこだった』と!! ……のう? シュタイン=ソーマ騎士爵よ」
「……っ!!」
シュタインと呼ばれた青年は、拘束された状態のまま表情を歪ませる。
だが、彼はやはり何も喋らないのだった。
俺は思わずつぶやく。
共鳴水晶から与えられる情報は、ミティたちの異変を知らせるものだった。
1週間前にも光ったが、そのときは全員が同じ方角だったのに……。
とりあえず、それぞれの発光パターンからしてピンチとかではないようだ。
ただ、異国の地だし今後は何があるかわからない。
それに、ティーナ、ドラちゃん、ゆーちゃん、雪月花については共鳴水晶を所持していない。
彼女たちは無事なのか……?
無事だとして、どのように合流したものか……。
「うかうかしている暇はないようだな。早くみんなと合流していかないと」
俺はつぶやく。
そして、まずは陸地に上がるべく静かに泳いでいくのだった。
*****
ミティたちがヤマト連邦の各地に強制的に転移され、その異変に気付いたタカシが慎重に上陸を目指している頃――
「ちぃ……! カゲロウの奴め、連中の無力化に失敗するとは……!!」
ヤマト連邦の『佐京』にある屋敷で、ひみこが毒づいていた。
彼女は10歳に満たないほどの外見を持つ。
狐耳が可愛らしい。
普段はそれに似合わぬ威厳を併せ持っているのだが……今は、苛立ちで顔が歪んでいる。
「ひみこ様、いかがされましたか?」
「侵入者が想定以上に強く、各地への強制転移を発動させるだけで精一杯だったようじゃ。しかも、転移先はランダムだとか……」
「なるほど……。まさか『霧隠れの里』の手に余る集団が存在するとは……。それで、今後はいかがいたしましょう?」
部下の陰陽師が尋ねる。
ひみこは忌々しそうに答えた。
「わらわの支配地域には、伝令を出せ。異国の強者が転移している可能性があるとな。各藩の大名に対応させろ。可能ならば懐柔し、そうでなくとも捕縛して無力化しろとな」
「かしこまりました。では、織田家の支配地域には……」
「そちらはわらわの知ったことではない。まぁ、連中も異国人を警戒しておるからな。安易に懐柔へ動くことはないじゃろう。適当に対立して、潰し合ってくれたら御の字じゃな」
「ははっ! では、そのように……」
部下の男は一礼すると、その場を後にする。
ひみこは嘆息するが、それと同時に新たな違和感に気づいた。
「……? またもや侵入者か? 結界に微弱な反応があったが……」
それはタカシの反応だった。
チート持ちの彼は強者である。
だが、今は重力魔法を使用せず、しかも魔力を抑え気味にして潜水していた。
そのため、かなり弱い存在として検知されている。
「ふむ……。これが、もしや貴様の言っていた『タカシ』とかいう男なのか?」
「…………」
ひみこは、部屋の隅で拘束されている青年に尋ねる。
だが、彼は何も答えない。
「カゲロウが対応した集団に男はいなかったようじゃし、その可能性が高かろう。しかし……この程度の存在力とはの」
「……」
「女たちに比べると、大したことがなさそうじゃ。偶然なのか、こやつも『霧隠れの里』に向かっているようじゃが……。この程度ならば、疲弊したカゲロウたちでも対処可能じゃろうて」
ひみこは状況を分析する。
彼女は落ち着きを取り戻していた。
「おい、貴様。黙ってないで教えてやればどうじゃ? 同郷の馬鹿男に! 『早く逃げろ。俺たちがやっていたのは……騎士道ごっこだった』と!! ……のう? シュタイン=ソーマ騎士爵よ」
「……っ!!」
シュタインと呼ばれた青年は、拘束された状態のまま表情を歪ませる。
だが、彼はやはり何も喋らないのだった。
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