【コミカライズ】無職だけど転移先の異世界で加護付与スキルを駆使して30年後の世界滅亡の危機に立ち向かう ~目指せ! 俺だけの最強ハーレムパーティ~
1338話 カゲロウ【ミティたちside】
「ふん……。他愛のない……」
ミティが吐き捨てる。
召喚された多数の式神は、ミティたちによって無事に撃破された。
「くっ……。つ、強い……」
国境警備隊の者たちが唇を噛む。
彼女たちは、これまでにも侵入者の撃退に力を発揮してきた。
しかし、今回の敵は彼女たちにとって強すぎる。
「さあ! 大人しく投降しなさい!!」
ミティが降伏を呼びかける。
すると……。
「まぁ待ってくれよ。私の可愛い部下をいじめるのは、そこまでにしてくれないかい?」
警備隊の後方から、声が聞こえてきた。
声のする方を見ると……そこには1つの人影があった。
年齢は20代前半くらいだろうか。
黒髪をポニーテールにした、背の高い美女である。
「カゲロウ様……」
「君たち、もう下がっていなさい。ここからは私が対処しよう」
「し、しかし……」
「いいから、ね。君たちの妖力はすでに空っぽだろう? そんな状態では、この者たちに対処することはできない。ただの足手まといにしかならないのさ。分かったら下がりなさい」
「は、はい……」
警備隊の者たちはカゲロウに言われるがまま、後ろに下がっていく。
そして、音もなく姿を消した。
警戒態勢に入るミティたちに、カゲロウが告げる。
「いやぁ、それにしてもお見事だね。『鏡像カウンターアバターズ』があれほどすぐに倒されるとは思わなかったよ」
「あの程度、私たちにとっては造作もないことです」
「そうかい? しかし、頭では理解していても、なかなか踏ん切れないものだと思うよ。自分の鏡像が仲間に倒されるって状況はね」
「…………」
カゲロウの言葉に、ミティが押し黙る。
実際、的外れな指摘ではないからだ。
戦闘開始直後は、自然な形でそれぞれが自身の鏡像と戦っていた。
無意識レベルで、『自分の鏡像が仲間に倒される』という状況を回避しようとしていたのかもしれない。
カゲロウはさらに続ける。
「君たちは本当に強い。早めに倒したとはいえ、鏡像との戦いでの消耗は無視できないものだったはずだ。それなのに、続けて多数の式神を一蹴するとはね。驚嘆に値する戦闘能力だ。歴代の侵入者の中でも間違いなく最上位。部下に欲しいぐらいだよ」
「…………」
ミティたちはカゲロウの言葉を聞きながらも、警戒を緩めない。
そんな彼女たちの様子を見て、カゲロウが肩をすくめる。
「やれやれ……、そんなに警戒しないでくれ。今さらだが自己紹介でもしておこうか。私はカゲロウ。『霧隠れの里』を束ねる者だよ」
「霧隠れの里……。噂には聞いておったが、本当に存在したのでござるか……」
蓮華が呟く。
カゲロウはニヤリと笑った。
「織田家の重臣、東雲家の者か。君に知られているとは光栄だね。それに神宮寺家の三姉妹もいるし……。人外レベルの異国の強者が9人に、人外そのものの存在が3人……。絶対に放置はできない集団だ」
「…………」
ミリオンズ一行が警戒を強める。
さすが、『霧隠れの里』を束ねる者なだけはある。
蓮華や雪月花の出自を把握しているばかりか、ミティやアイリスたちの戦闘能力を適切に評価し、その上ティーナやドラちゃんの正体までをも薄っすらと察しているらしい。
「即刻にこの国から立ち去ってほしい」
「できません……と言ったら?」
「実力を行使させてもらおう。……と言いたいところだが、いくら私でも君たち16人を同時に相手取ることは難しい」
「ならば、さっさと降伏しなさい。私たちの入国を認めた上で、必要な情報を提供すれば命までは取りません」
ミティが降伏勧告をする。
しかし、カゲロウは首を横に振った。
「それはできないな。私はこれでも責任ある立場なのでね。……そこで提案したい。遊戯で決着をつけないか?」
「……遊戯ですって?」
ミティが訝しむ。
果たして、カゲロウが提案してくる遊戯は……。
ミティが吐き捨てる。
召喚された多数の式神は、ミティたちによって無事に撃破された。
「くっ……。つ、強い……」
国境警備隊の者たちが唇を噛む。
彼女たちは、これまでにも侵入者の撃退に力を発揮してきた。
しかし、今回の敵は彼女たちにとって強すぎる。
「さあ! 大人しく投降しなさい!!」
ミティが降伏を呼びかける。
すると……。
「まぁ待ってくれよ。私の可愛い部下をいじめるのは、そこまでにしてくれないかい?」
警備隊の後方から、声が聞こえてきた。
声のする方を見ると……そこには1つの人影があった。
年齢は20代前半くらいだろうか。
黒髪をポニーテールにした、背の高い美女である。
「カゲロウ様……」
「君たち、もう下がっていなさい。ここからは私が対処しよう」
「し、しかし……」
「いいから、ね。君たちの妖力はすでに空っぽだろう? そんな状態では、この者たちに対処することはできない。ただの足手まといにしかならないのさ。分かったら下がりなさい」
「は、はい……」
警備隊の者たちはカゲロウに言われるがまま、後ろに下がっていく。
そして、音もなく姿を消した。
警戒態勢に入るミティたちに、カゲロウが告げる。
「いやぁ、それにしてもお見事だね。『鏡像カウンターアバターズ』があれほどすぐに倒されるとは思わなかったよ」
「あの程度、私たちにとっては造作もないことです」
「そうかい? しかし、頭では理解していても、なかなか踏ん切れないものだと思うよ。自分の鏡像が仲間に倒されるって状況はね」
「…………」
カゲロウの言葉に、ミティが押し黙る。
実際、的外れな指摘ではないからだ。
戦闘開始直後は、自然な形でそれぞれが自身の鏡像と戦っていた。
無意識レベルで、『自分の鏡像が仲間に倒される』という状況を回避しようとしていたのかもしれない。
カゲロウはさらに続ける。
「君たちは本当に強い。早めに倒したとはいえ、鏡像との戦いでの消耗は無視できないものだったはずだ。それなのに、続けて多数の式神を一蹴するとはね。驚嘆に値する戦闘能力だ。歴代の侵入者の中でも間違いなく最上位。部下に欲しいぐらいだよ」
「…………」
ミティたちはカゲロウの言葉を聞きながらも、警戒を緩めない。
そんな彼女たちの様子を見て、カゲロウが肩をすくめる。
「やれやれ……、そんなに警戒しないでくれ。今さらだが自己紹介でもしておこうか。私はカゲロウ。『霧隠れの里』を束ねる者だよ」
「霧隠れの里……。噂には聞いておったが、本当に存在したのでござるか……」
蓮華が呟く。
カゲロウはニヤリと笑った。
「織田家の重臣、東雲家の者か。君に知られているとは光栄だね。それに神宮寺家の三姉妹もいるし……。人外レベルの異国の強者が9人に、人外そのものの存在が3人……。絶対に放置はできない集団だ」
「…………」
ミリオンズ一行が警戒を強める。
さすが、『霧隠れの里』を束ねる者なだけはある。
蓮華や雪月花の出自を把握しているばかりか、ミティやアイリスたちの戦闘能力を適切に評価し、その上ティーナやドラちゃんの正体までをも薄っすらと察しているらしい。
「即刻にこの国から立ち去ってほしい」
「できません……と言ったら?」
「実力を行使させてもらおう。……と言いたいところだが、いくら私でも君たち16人を同時に相手取ることは難しい」
「ならば、さっさと降伏しなさい。私たちの入国を認めた上で、必要な情報を提供すれば命までは取りません」
ミティが降伏勧告をする。
しかし、カゲロウは首を横に振った。
「それはできないな。私はこれでも責任ある立場なのでね。……そこで提案したい。遊戯で決着をつけないか?」
「……遊戯ですって?」
ミティが訝しむ。
果たして、カゲロウが提案してくる遊戯は……。
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