何で死ぬのに生きてるのですか〜ネズミに転生した最強闇魔法使い、銀髪の少女のペットになる〜

にくまも

10.心を蝕む優しさの影







 魔法陣によるカラフルな演出が終わった後、真ん中から校長らしき人物が現れ。新入生歓迎や進学した生徒などに祝いの延べて30分ぐらいで入学式は終わった。
 隣に座っていた伊藤は立ち上がり、そのまま帰ると思いきや何か思いついたようにくるっと振り返り、結衣に話しかけた




 「っあ、そうだ。中院さんはこれから予定ある?」




 「ううん、寮に行くつもりだけど」




 「本当? じゃ一緒に帰ってもいい?」




 「いいよ。行こっか」




 結衣は地面に置いてある私入り虫かごを持ち、伊藤と並んでコロシアムを出た。




 「どうする? 歩いていく? それともドローンで行く?」




 「ドローンでも行けるの?」




 「うん、屋上のほうに着地になるけどね。でも人多いんだ。ほら」




 伊藤が指を指したその先にはドローンを待つ生徒たちの行列ができていた。




 「……歩いて行こ」




 「おっけー」




 寮の方へ歩いていると伊藤が一つ疑問に思ったのか結衣に質問した。




 「そういえばそのネズミって何て名前なの?」




 「ネズミだよ」




 え?




 「……っえ? 中院さんのペットなんでしょ?」




 「うん」




 「……名前は?」




 「ネズミ」




 名前がネズミだったのか。てっきり名前をつけてないかと思ってたがちゃんとつけてたんだな。




 「えー、はぁ。中院さん、名前はもっと考えようよ」




 伊藤は困ったように頭に手を当てていた。




 「名は体を表すのだから逆でも全く問題ないはず」




 「いやいやいいや! 男子とかに馬鹿にされちゃうから絶対変えた方がいいって。表すっていうかそのままだし……一緒に考えてあげるから変えよ、ね?」




 「……仕方ない。じゃネズミ以外何かいい名前ある?」




 「うーん、黄色いしきなことかでいいんじゃない?」




 「それだとネズミと変わんない」




 「いやー……全然変わると思うんだけどなぁ……」




 「じゃそれでいいや。今日からこの子の名前はきなこ」




 結衣は私を持ち上げ掲げながらそう言った。 


 まぁ、私は何と呼ばれようとどうでもいいからなぁ・・・


 「うんうんそれでいいの。……っていうかここに来るまで結構時間かかったと思うのにその虫かご綺麗なんだね。コロシアムに来る前にトイレで掃除とかしたの?」




 また排泄物の話かよ。もういっそ虫かごの中でやったほうがいいかもしれないな。糞尿の上で生活しなくてはいけないが疑われるリスクを少しでも減らすべきだよな。


 実験の材料にされるかもしれないし……




 「してないよ? だってきなこはうんことかしないもん」




 「そうなどっかのアイドルみたいな冗談はいいってー。別に私は汚いとか思わないよ」




 「……」




 「まっいいや、私の部屋は3421だったけど中院さんの部屋は何番だった?」




 「……3422」




 「っえ、本当?! 隣なの? じゃ暇なとき遊びに行ってもいい?」




 「うん、別にいいよ」




 「やったー。っあ、もうあそこに見えているのが寮だね」




 雑談をしている間にもう寮の前に来てしまった




 「1学年につき1個の寮が決まっていて最高で5000人も入るんだからすごいよねー」




 「高……」




 「100階建てだからね……」




 「上がるのに時間かかりそうだね」




 「でもほとんどの人が、ドローンで屋上に行ってるみたいだから昇りはすぐだよ」




 伊藤の言う通りほとんどのエレベーターが上から下に降りていたため、下から上に昇るのは速かった。




 「じゃ、また明日ね!」




 「うん、また明日」




 部屋の中は1部屋だったがそれなりに広くお風呂とトイレが別になっており、キッチン、バルコニーもあって、ベットや机、冷蔵庫、洗濯機などはすでに置かれていた。




 結衣はさっそく部屋の中に入り私を机の上に置き。服を脱ぎ下着姿になってお風呂に入っていった。






 さて結衣が体を洗っている間、何をしようか……


 といっても魔法をうかつに使うとバレるからな。AIが全てを記録してるとか言ってたが……っえ、お風呂とかも記録してるのか? 


してるよな。


 お風呂で動画見たりしたい人だっているだろうからこめかみに手を当てる人の動きを認識しなくちゃいけないんだし……。




 っま、これぐらいのことはすでに誰かが文句を言い解決ぐらいはされてるだろうから私がしんぱい゛……?


 私は何を言っているんだ?


 …………心配? ……何を? ……誰を?




 結衣の裸を見られることを? 


 ちがう。


 違う。


 違う違う違う違うちがうちがうちがうちがう。 




 では私は何を心配していたのだろうか…………そう、心配することなんてない。


 私がそのことを考える必要はないのだ。 私はただたんにお風呂が記録されないのならそこで魔法練習を……魔法の練習なんてする必要なんてあるか…………?




 はぁ……どうやら私の心に結構あの娘が入り込んでいたみたいだ。




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 洞窟の中で男女二人の声が聞こえる




 「や……やめてくれ。お願いだ…………」




 「誰かぁあ!! 助けてーーーーーー!!!」




 これも失敗か……


 実験台の上に置かれたすでに魂が離れた死体。


 肉体に損傷を与えた瞬間、召喚魔法の応用で肉体に影を這わせ、破損部位があると影がアンデットの部位で一時的に補填する魔法。
 これなら頭をやられない限り死なないと思ったが、手足を切断した時点までは生きていたが、心臓を刺したらなぜか死んでしまった。




 「……次は生きたまま臓器が見えるように傷つけなければ」




 私は後ろに縛られている男女を見た。




 「っひ……」


 「や、やめて…………」




 連れてきた兵士が言うには森で性交しているところを見つけ、拘束してきたという。その時は「何が出てきても俺が守ってあげる」「本当? えへへ、愛してる」などを言っていたらしい


 …………可哀そうに、せっかく愛し合っているのに連れてこられてしまったのだな。


 「仕方がない……一人だけ助けてあげよう。だが一人は実験のために必要だから残ってもらわなければいけない」




 私は人差し指をあげながら彼らに提案する。




 「ほんとか?!」




 「ほ、本当ですに一人助けてくれるんですか?」




 彼女らは救いの手が下りて来たかのような表情をした。


 


 …………。




 「ああ、そうだ」




 女の人の表情が緩やかになった。




 「ねぇ……あんた、守ってくれるって言ってたわよね」




 ん? 




 「ぇ・・・はぁ?! あんなのお前とヤる時の嘘に決まっているだろうが!!」




 「は? あんた男なんだから私を守って死になさいよ!!」




 この女、愛しているって言ってたくせに愛してる者を見捨ててのうのうと生きていくつもりなのか? 


 「い今、男とか女とか関係ないだろ!!!」




 そう男の言う通りだ、それは本当に愛してるのか? 愛してるのなら自分の命を投げ出してでも助けるものじゃないのか? 


 そうそこに男も女も関係あるはずがない。


 最初から守ってもらうつもりの女などに愛は存在しないのだ。




 男も最初から守るつもりもなかった……。女も最初から愛してなどいなかった…………。




 「そうだな、男も女も関係ない。君たちは両方死ぬべきだ」




 「そうですよね、ほら! 旦那の言うとおりだ。俺とお前は両方同じぐらい死ぬべき存在なんだよ! だから……な? お前が俺のために死んでくれよ、愛してるんだろ?」




 「何を勘違いしているのだ? お前たちはもう両方とも実験に使う」




 「はぁ?!」




 二人が両方が叫びをあげ、放心状態になる。




 「あー…………はっはっはっは、嘘つきやがったのか、この屑野郎!! そんなに人の心をもてあそんで楽しいのか」




 「………そんな、なんで私がこんな目に合わなければいけないの……」




 「最後に質問するが、夢はあるか?」




 「はぁ? 夢? そんなことを言ったってどうせ殺すんだろ。さっさと殺せよ」




 私は彼の体に魔法陣を浮かばせ、もう一つの魔法陣で男の頭に骨を飛ばし粉砕した。


 するとやはり体は動かなくなった。


 首からアンデットの頭が生えてきたが、思考はできてないと思う。だが、可能性としてはあるため一応聞いてみる




 「言ってる言葉は分かるか?」




 「…………」




 ダメだ。




 では次は女の番だ。彼女の場合、内臓が見えた状態で傷つけなければいけない


 「……や、いや」


 「お前に夢はあるか?」


 「……生きたかったわよ!! 生きてお金がたっぷりのある暮らしがしたかったのよ!!」




 彼女は私に向かって力いっぱい叫ぶ。




 「良かったじゃないか、今お前は生きている。 お金もほら、あげるよ」




 私は懐にあった金塊を女に投げ渡した。




 「……馬鹿にしてるの? こんなもの今あったってどうしょうもないじゃない」




 なぜだ? 最後に夢をかなえてやったあげたのに……それでも満足しないのか?




 「……所詮お前の夢はその程度の物だったってことだ」




 「……じゃ、違う間違えた。……妹! そう最後に妹に会ってお礼をしたかったわ」




 私は耳を閉ざし、女の体に魔法陣を浮かばせ実験を開始した




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 切り離さなくては人間とは死を感じなければ、嘘をついてしまう生き物なのだから、信頼し捨てられるぐらいならば最初から捨てていくべきだ。それにいずれ死ぬ。




 私はあの子を殺せる、殺せる殺せる殺せる殺せる殺せる殺せる殺せる殺せる殺せる殺せる殺せる殺せる殺せる殺せる殺せる殺せる殺せる殺せる殺せる殺せる殺せる。泣き喚きながら血を吐いて助けを求めてきても笑いながら殺せるし見捨てれる。




 …………ふぅ、落ち着いた。




 結衣もお風呂が終わったようで入っていた時と違う下着を着て出てきた。


 学園側が用意してくれていたのだろうか。


 「……っあ、パジャマなかった」


 学園にはペット以外持ち込んではいけなかったからな。パジャマも当然持ってきてない。


 「仕方ない。浴衣でいいや」


 結衣はクローゼットの中から浴衣を羽織った。ついでにこめかみに指を当てて、何やらタップし始めた。




 「よし、これでパジャマも買ったし明日には届く」




 と操作し終わってベットに結衣が腰かけようとしたところで。ブザーが鳴った




 『ピンポーン……』




 「……はぁ」




 結衣がため息を吐きそのままドアを開けると扉の前にはまだ制服姿の伊藤がいた。




 「中院さん! 晩御飯一緒食べに行きま…………」


 伊藤が結衣の姿を見て言葉を失う。
 そう、結衣はバスローブを羽織っただけであり結んではいないのだ。つまり下着は見えている状態である。




 「ご飯? っあ、そういえば今日何も食べていなかった……」




 「え?何も? いやちょっと、中院さん。そんなことはいいからとりあえず浴衣ぐらいちゃんと着て!」




 「着たことないからわかんない」




 「じゃ私が着させますから! 触りますよー」




 伊藤は手慣れたように結衣の背中に回り浴衣を着させた。




 「おー、手慣れてる」




 「実家が旅館だったからからね。手伝いとかしてたんだ」




 「へー、凄い」




 「そんなことないです。それより晩御飯行きましょここの地下にレストランがあるんですよ! 今日一日何も食べてないんですよね」




 「っあ、ちょっとまってきなこも連れてく」




 「っえ、それはちょっと、衛生管理上問題になるんじゃ……」




 「……じゃいいや、ごめんね伊藤さん一人で行って来ていいから」




 「ちょ、ちょっとまって……お問い合わせしてみるから!」




 伊藤はこめかみに指を当てると、何者かと話し始めたようで口をパクパクとさせていた。音はこちらに聴こえないように消音させているみたいだ。




 「大丈夫だった! 個室も空いてるみたいだったからついでにそこに予約したよ」




 「そうなの?じゃ一緒にいこっか」




 結衣はそう言い駆け足で私入り虫かごを持ち、伊藤と一緒に部屋を出た。




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 3422室、結衣の部屋の前で一人の男が立っていた。




 「結衣? あの良かったらでいいんだけどお兄ちゃんと部屋で一緒にご飯でも食べない?」




 男はブザーを鳴らすが当然返事がない。




 「結衣? いないの?」




 もう一度ブザーを鳴らすも無意味。




 「…………留守か」




 男、明人は一人悲しく部屋から去ったのであった。


 

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