Over the time ~時を見る~
The new girl and the he(old)
「ふう……」
過去、時を変えることが出来た俺は一人教室で安堵の吐息を漏らしていた。
これでなんとか斎藤も無事であろう。早く彼が生きているか確かめたい気持ちもあったが、あまり焦燥感に駆られないようにしよう。自分で自分を律する事にした。
翌日、遅刻という概念を忘れそうな程早起きして登校した。
「おーい沢田あー。お前女と一緒にいただろーー」
彼のことを知らなかった俺だったら、この事実を知っていることの方に飛び付いただろう、だが今は違う。
「ああ、そうだ。何か悪いか?」
再び冗談を言い合える仲になれた。それだけでも十分だ。
「おーまーえー、俺の知らないところでーー」
そういえばと前日考えていたどうも腑に落ちないある一つの疑問を投げ掛けた。
「斎藤、お前って俺のこの時を変える力を他の誰かに教えたのか?」
「時を変える?なんのことだ?」
本当に覚えがないらしい。俺は今まで起こった案件を説明した。
「…………まさか俺がその冗談みたいなのを信じていると思ったのか」
「だって……お前佐藤さんにこの話したんだろ?」
彼女が俺に提案したという事実だけはどうも印象深く記憶に残っている。だからこそ確かめざるを得なかったのだ、彼が俺の言っている非現実的な事象を他人に告げ口しているのかどうかを。だが、次の彼の発した言葉に閉口する他無かった。
「俺、佐藤さんと話したことなんて一度もないぞ」
嘘偽りなどまるで自分には関係ないような純白な眼差しで俺の目を見て答えた。
昼休み、俺は佐藤瀬名に呼ばれ誰もいない図書室へと誘われた。
彼女は物言いたげな表情でかつ周囲を警戒しきったところでこう告げたのだった。
「私、過去が見えるの」
過去、時を変えることが出来た俺は一人教室で安堵の吐息を漏らしていた。
これでなんとか斎藤も無事であろう。早く彼が生きているか確かめたい気持ちもあったが、あまり焦燥感に駆られないようにしよう。自分で自分を律する事にした。
翌日、遅刻という概念を忘れそうな程早起きして登校した。
「おーい沢田あー。お前女と一緒にいただろーー」
彼のことを知らなかった俺だったら、この事実を知っていることの方に飛び付いただろう、だが今は違う。
「ああ、そうだ。何か悪いか?」
再び冗談を言い合える仲になれた。それだけでも十分だ。
「おーまーえー、俺の知らないところでーー」
そういえばと前日考えていたどうも腑に落ちないある一つの疑問を投げ掛けた。
「斎藤、お前って俺のこの時を変える力を他の誰かに教えたのか?」
「時を変える?なんのことだ?」
本当に覚えがないらしい。俺は今まで起こった案件を説明した。
「…………まさか俺がその冗談みたいなのを信じていると思ったのか」
「だって……お前佐藤さんにこの話したんだろ?」
彼女が俺に提案したという事実だけはどうも印象深く記憶に残っている。だからこそ確かめざるを得なかったのだ、彼が俺の言っている非現実的な事象を他人に告げ口しているのかどうかを。だが、次の彼の発した言葉に閉口する他無かった。
「俺、佐藤さんと話したことなんて一度もないぞ」
嘘偽りなどまるで自分には関係ないような純白な眼差しで俺の目を見て答えた。
昼休み、俺は佐藤瀬名に呼ばれ誰もいない図書室へと誘われた。
彼女は物言いたげな表情でかつ周囲を警戒しきったところでこう告げたのだった。
「私、過去が見えるの」
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