Over the memory~時を巡る~
プロローグ
この世界は時間に厳しすぎる。時間厳守という言葉が生み出されてしまうほど、この場所、日本は厳格である。一見、こんな考えを耳にするとあえて皮肉めいた文句のような気がするのも不思議ではないだろう。
だが、俺は単に否定的なのではなく、人間的な面から見ればより人間らしい象徴に取れるとも感じている。
と、俺は前回初盤に呟いていたのを思い出す。
「さーわーだっ」
それもこの男のせいで思考停止に陥った。
いつもながらの口癖を投げてくるこの男――斎藤優人は俺の古来からの友人である。
「今日もぼけーってしとるな」
俺のやる気なさに声をかけてくるのが当たり前となった日課。
彼自身は覚えてないらしいが、俺は彼の命を救ったことがある。
それは人命救助のような類いのものではない。
俺は彼が死ぬ世界をそうでない世界に変えた、つまり過去を変えたのである。(詳しくは前回のOver the timeをお読みください……)
しかし、直接的に関わったわけではないので、本人には俺が助けたという記憶は一切ないのだ。
「別に。ただ外を眺めてただけだ」
だからといって、彼に事の顛末を話しても信じてもらえないことが明白なので語らないことにしている。
「なあなあ、彼女とはどうなんだ?」
つまらなそうに聞く俺の耳を傾けさせようとしたのか、彼は俺の彼女――佐藤瀬名の話を振ってきた。
「まあまあかな」
佐藤瀬名、正真正銘の彼女である。これも訳あって付き合うことになったのだが、俺が彼女に好意を持っているのは嘘ではない。
彼女との関係も、今更ながらだがこれといって進展もなければ悪い方向に傾いているわけでもない。平常運転ってやつだ。
「じゃあ、上手くいってるんだな」
「それがな……」
しかし、少々問題がある俺と彼女との関係を軽く説明したところ。
「それはだな……」
「なんだ?」
俺が聞き返そうとすると、
「やっぱ、言わないようにしておくよ」
あくまで自分の頭で考えろと言わんとばかりの笑みで答えた。
もう答えは分かった。しかし教えない。そんな彼の思惑にまんまとはまってしまった俺だった。
しかし、未だに分からない。彼女の最近の動向全てが。
俺はその答えを探るためにも、放課後にあの場所へと足を運ぶことになったのだ。
だが、俺は単に否定的なのではなく、人間的な面から見ればより人間らしい象徴に取れるとも感じている。
と、俺は前回初盤に呟いていたのを思い出す。
「さーわーだっ」
それもこの男のせいで思考停止に陥った。
いつもながらの口癖を投げてくるこの男――斎藤優人は俺の古来からの友人である。
「今日もぼけーってしとるな」
俺のやる気なさに声をかけてくるのが当たり前となった日課。
彼自身は覚えてないらしいが、俺は彼の命を救ったことがある。
それは人命救助のような類いのものではない。
俺は彼が死ぬ世界をそうでない世界に変えた、つまり過去を変えたのである。(詳しくは前回のOver the timeをお読みください……)
しかし、直接的に関わったわけではないので、本人には俺が助けたという記憶は一切ないのだ。
「別に。ただ外を眺めてただけだ」
だからといって、彼に事の顛末を話しても信じてもらえないことが明白なので語らないことにしている。
「なあなあ、彼女とはどうなんだ?」
つまらなそうに聞く俺の耳を傾けさせようとしたのか、彼は俺の彼女――佐藤瀬名の話を振ってきた。
「まあまあかな」
佐藤瀬名、正真正銘の彼女である。これも訳あって付き合うことになったのだが、俺が彼女に好意を持っているのは嘘ではない。
彼女との関係も、今更ながらだがこれといって進展もなければ悪い方向に傾いているわけでもない。平常運転ってやつだ。
「じゃあ、上手くいってるんだな」
「それがな……」
しかし、少々問題がある俺と彼女との関係を軽く説明したところ。
「それはだな……」
「なんだ?」
俺が聞き返そうとすると、
「やっぱ、言わないようにしておくよ」
あくまで自分の頭で考えろと言わんとばかりの笑みで答えた。
もう答えは分かった。しかし教えない。そんな彼の思惑にまんまとはまってしまった俺だった。
しかし、未だに分からない。彼女の最近の動向全てが。
俺はその答えを探るためにも、放課後にあの場所へと足を運ぶことになったのだ。
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