王が住む教室

文戸玲

ボスとの対面


 目の前には二人の男が立っていた。一人はニヤニヤとした小者感がたっぷりの襟足が地面につくんじゃないかというほど長い男。もう一人はまるで雰囲気が異なっていた。さっぱりとカットされた髪の毛は陰湿さをまるで感じさせず,きれいにアイロンのかけられたシャツは足を長く見せるすらっとしたズボンの中に納まっていた。彼の制服は間違いなく他の生徒と同じものではあるが,まるで別の物を身に付けているようだった。

「よう。久しぶりだな。身体は良くなったのか?」

 ボスに間違いないこざっぱりとした方が穏やかの表情で話しかけてきた。ただ,その目は冷たかった。顔は笑っているが目が笑っていないお手本の表情だった。


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