knowledge -ノァリッヂ-

shokora

4話 リンゴと歴史


あれからどれくらい歩いただろうか?


時間の感覚がわからない。
いつまで経っても、村らしき所は見つからない。


あだむ
「異世界転移とかって最初チュートリアルあるもんじゃないの?」



ピローンッ!!![対象が現れました。勉強してください。]

頭の中で、スマートフォンのAIのような機械音声が響く。



あだむ
「な、なんだ!?対象が現れたって、あの目の前のリンゴのことか?」

そこには、木から落ちたであろう青色のリンゴが転がっていた。

あだむは、リンゴを手に取り、ぐるっと見回した後、食べる事が出来るかどうか不安な処はあったが空腹には勝てず、リンゴをかじってしまった。その瞬間だった、人類の創生からこれまでの知識(知恵)が頭に流れ込んでくる。

ピローンッ!

[スキル knowledge hackerが発動しました]

あだむ
「うわっっ!?」

思わず声が出てしまった。
頭の中に、断片的ではあったが、スクリーンショットのように切り替わる映像が流れる。


その映像の中には、瞬間的ではあったがテレビやネットでよく見る、エデンの園に似た映像や、アダムとイブであろう人間が見られた。


あだむ
「なんだこれ!?この世界の創生から現在までの歴史がわかっちまった。」

一度頭の中で整理する事にした。

この世界は今、人類紀500年だと言う。

 今は[ヒューマニティー]と[エビルソサエティ]は戦争の一歩手前まで来ているが、300年くらい前までは、お互いに共存していたと言うのだ。
その他の種族も共存し、この世界は平和で豊かだったと言う。



しかし。400年前だろうか。



 リリスと言う悪魔が[エビルソサエティ]側に、7人の悪魔の使いを召喚した。
召喚された悪魔の使いは、[ヒューマニティー]の人間にそっくりだと言う。
おそらく、私の他に異世界転移してきた人間がいたのだろう。[エビルソサエティ]に召喚されるとは思っていなかった。



 その悪魔の使いに唆され、今現在の戦争なるギリギリのところまで来ていると言うのだ。



あだむ
「7人の悪魔の使い?一体なぜこんな事になったんだろう?てか、このスキル凄いな。歴史までわかっちまうなんて。」



自分のエクストラスキルに感心していると



「おーい!あんたー!そこの兄ちゃん!」



 後方の離れたところから声が聞こえる。
この世界に来て初めて、他人の言葉を聞いたので少しビックリした。
というかまず、日本語である事が衝撃だった。


そちらに目を向ける。



1人のドワーフ?がこちらに向かって歩いてくるのであった………



ゴクリッ(汗)



 これからチュートリアルが始まるのかな?
拳を握り、体に力が入る。

よしっ!

あだむ
「はーい、どうしました?」



 人見知りなわけではないのだが、初めて種族に緊張して、下手に出てしまった。


「兄ちゃん、何処からきたんだい!ヒューマンだね。こんな森の中に普通は来ないんだけどね。」

あだむ
「そうなんですか?私道に迷っちゃってw」

「道に迷っただって〜w  面白い奴もいるんだな!ここから東へ真っ直ぐ向かえば村がある。ドワーフとヒューマンが共存してる村だ! あ!ちなみに兄ちゃん名前なんて言うんだ? おれの名前はノゴスリムってんだ!よろしくな!!」


あだむ
「あ!私はあだむって言います!ノゴスリムさんですね!よろしくお願いします!」

頭を下げ礼儀正しく挨拶する。
野球部だったクセが無意識に出てしまう。



ノゴスリム
「堅っ苦しい挨拶はなしだ!ついて来な!村に案内してやっからよ。」


 そう言うと、小さな歩幅でテクテクと歩き始めた。


そのスピードに合わせるように後ろを歩いてついて行った……


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