話題のラノベや投稿小説を無料で読むならノベルバ

Crazy Prince ハーレムの王子は鉄槌を下す

真曽木トウル

幕間2 九鬼邸44階には専用道場がある。

   ◇ ◇ ◇




「ごー、ろく、しち、はち、きゅう、600!、いーち、にー、さーん……」












 九鬼邸の44階には、武道場がある。
 ここに住む女たちは皆、一定時間以上の戦闘訓練を受けるためだ。


「すごいねぇ、りえる。早那子って毎日朝晩各1000回薙刀を素振りしてるんだー」


 そんな武道場で、薙刀の素振りをする早那子をこっそりと、りえるとレイリがのぞいていた。
 当初レイリがこの九鬼邸に入ってきたとき、Gカップの巨乳が邪魔になるのではとりえるは思っていたのだが、毎月の戦闘力査定では、素手の戦闘はレイリが結構な確率で1位を取る。そういえば武器の戦闘は早那子が不動の1位だ。意外と関係ないらしい。


「そうそう、そうなんだよ。偉いわほんと。あたしも一回、突きとか蹴りとかで真似してやってみたんだけど……」


「おお。でも、1000回はなかなか出来ないでしょー?」


「いや、問題はそっちじゃなくて……」


「ん?」


「100過ぎてからもう、自分が何回やったかワケわかんなくなってて……」


「あー……(汗)。1000本突きあるあるだね、それは」


 レイリはけらけらと笑い出した。


「1000本突き?空手の?」


 ロングヘアの美女、レイリこと鄭麗梨は、日本生まれ日本育ちの台湾人。
 元々水軍の家系らしく武道に力を入れる家風だったそうだが、レイリもまた、日本でかつて空手のチャンピオンにもなった、そうだ。
 で『そこはなぜ中国拳法じゃないのか』といじられるのが、そろそろめんどくさいらしい。


「そうそう。特に、道場のみんなで10本づつ順繰りに数えてく時は、100ごとに普通『○百!』って言いながら突くんだよね。
 で、それを間違えた日には、いつまでたっても1000本突きが終わらないループに……」


「細かすぎて『あるある』にならないよ、それ」


「そしてみんなから白い目で見られる」


「あんたのトラウマかい」


 呆れるりえる。


「私もスパーしたいけど、武器なしの打撃は組手の相手がいないからなぁ」


「……待てレイリ。あたしも打撃はやってますけど、いまいないことになった?」


「あー……えっとね……」


「っていうか、前に一度組手やってから、全然相手してくれないのはなんで?」


「それは……色々とあるんだよね……えーと……私、練習不足だから……」


「なんだよ?」


「……練習不足ってことはちょうどいい手加減が難しくて、この前も弓名をうっかりKOしちゃったしちゃんとこう、うまく調整する自信が……その」


「……………………ほー…………?」


 ぴき、と、りえるの額に血管が浮いた。


「けどさぁ、……いつまでも自分が一番だと思ってたらほら、…………………うわッ!!」


























「あ、目、覚ました?
 ほらねー。なんだろうこの、顔の位置というか入り方と言うか反射的にカウンター入れたくなる感じが絶妙すぎて、りえるに対して手加減とか難しんですよ。ていうか大丈夫?」




「…………次は絶対コロス」






【幕間2 おわり】

「Crazy Prince ハーレムの王子は鉄槌を下す」を読んでいる人はこの作品も読んでいます

「現代アクション」の人気作品

コメント

コメントを書く