転生侍女は完全無欠のばあやを目指す

ロゼーナ

第八話 入学二日目:貴族科Sクラス恒例、鬼のレクリエーション

「みなさん、おはようございます。慣れない寮生活が始まったばかりですが、昨日はよく眠れましたか?早速ですが今日は、貴族科Sクラス恒例のレクリエーションを行います。」


 今朝も爽やかな微笑みを浮かべたロータス先生の声で、一日が始まる。


「レクリエーション?そんな恒例行事、聞いたことないんだけど」


 声を上げたのはイーサン様である。


「イーサン君でも知らないことがあるんですね。はい、恒例と言いますか、伝統行事なのですが、貴族科Sクラスはそもそも定員五名と従者・侍女五名の十名が揃うということが稀で、二十年に一度くらいなんですよ。人数が少ないときは簡単なゲーム程度で済ませてしまうのですが、定員が揃った年には必ず行っているレクリエーションがあるのです。人数が揃わないと面白みがないので。ちなみに、開催された年は大いに盛り上がることから、“鬼のレクリエーション”と呼ばれるそうですよ」


 何事にも耳が早く、情報収集能力の高いイーサン様が知らないくらいだ。もちろん他の生徒も誰も知らない様子でロータス先生の説明を聞いている。ちなみに、もちろん私はゲーム知識によって知っていた。これはアルベール様とリーリエ様の間で恋の種が生まれる最初のイベントなのだ。


「レクリエーションは、二チーム制で行います。分け方は、貴族子女チームの五名と、従者・侍女チーム五名です。語呂が悪いのでリーダーの名前を付けてしまいましょう。アルベール君、ヘクター君、あなた方ふたりに各チームのリーダーを任せますね」


 アルベール様と、彼の従者であるヘクターが頷く。始まったばかりのクラスでリーダー役を立てるのならば、第一王子とその従者が選ばれるのは当然の人選と言えた。


「では、チーム名はアルベールチームとヘクターチームとします。内容は簡単です。アルベールチームには、このあと一刻の間、ヘクターチームから逃げてもらいます。その際には胸のポケットに百合の花を入れます。この花を無くしたり落としたりした場合は失格となります。また、花を手に持ったり、他の場所に隠して走ったりすることも禁止です。あくまで胸ポケットの花を落とさないよう、優雅に動いてください。アルベールチームは隠れることと逃げることはOKですが、ヘクターチームに対して罠を仕掛けるといった妨害行為は禁止です」


 ロータス先生の説明に、アルベールチーム五名が頷く。


「ヘクターチームは、アルベールチームをひたすら追いかけてください。暴力行為はもちろんですが、走ることも禁止です。レクリエーションの間、学院の職員たちが各所で審判員を務めますので、走っていると判断された者は失格となります。アルベールチームのメンバーを見つけ、手が触れられる距離まで近づいた場合には、そのメンバーを確保したこととなります。確保された証として、アルベールチームのメンバーは百合の花を相手チームに渡してから、こちらの教室に戻って来てください。また、その際にはヘクターチームからも付き添いとして一名が一緒に教室に戻ってくること。ここまでは良いですか?」


 全員が頷く。要するにこれは鬼ごっこなのだ。レクリエーションと言いながらも実益を兼ねての。アルベールチームの貴族たちは、その立場から不届き者に狙われることだってあるかもしれない。想定されているのは外部からの襲撃よりも、舞踏会の最中といった内部や身内に敵が忍び込んでいる場合なのだろう。表だって走って逃げたりはせずに、表情を隠して優雅に躱せということだ。


 一方でヘクターチームは、普段は主人を守る立場にあるが、襲撃する側の立場に立って考えることが課題となっている。主人がどういう状況に追い込まれたら危険なのかを身をもって学べということである。また、実際に危害を加えることのできる距離まで近づけば、確保された証としての百合が用意されている。子どもの遊びのように従者たちが気軽に貴族にタッチするわけにはいかないことから、考案されたルールなのだろう。


 実際今のリリーヴァレー王国は平和としか言いようがなく、前の「私」の知るゲーム世界の未来でも、戦争もクーデターも起きない。伝統行事ということなので、昔から続いてきた訓練と、新入生同士の親睦を深めるという一石二鳥を狙ったゲームなのだ。アルベールチームから一名が確保されたら四対五の闘いになるのではなく、必ずヘクターチームからも一名教室まで同行させるというルールも、適度に戦力バランスを保ちつつ、確保された貴族と付き添いの従者がクラスメイトとして会話をするきっかけとなる。


 そして特別クラスのレクリエーションらしく、このゲームではチームでの戦略性も求められる。


「では、最後に最も重要な部分を説明しますね。このゲームでは、アルベールチームの五名に、それぞれ一から五ポイントを割り振ってもらいます。例えば、イーサン君が二ポイントのメンバーだとしたら、イーサン君が確保された段階でヘクターチームに二ポイントが入ります。次にエヴリンさんが確保され、仮に三ポイントのメンバーだとしたら、ヘクターチームは合計で五ポイントとなります。どのメンバーを何ポイントにするかは、アルベールチームで話し合って決めてください。ゲーム終了時、アルベールチームのポイントは残ったメンバーの合計ポイント、ヘクターチームのポイントは確保したメンバーの合計ポイントとなります。そして、どのメンバーが何ポイントなのかは、ヘクターチームには事前に知らされません。相手チームの戦略を読み、計画的に確保していく必要があります」


「…なるほど、面白いな」


 アルベール様の言葉に、クラスメイトも頷く。面白いことが大好きなイーサン様とエヴリン様の表情を見ると、ワクワクして今すぐにでも始めたいという気持ちが伝わってくる。そして後方の席を見れば、従者や侍女たちも本気でやる気の表情だ。主従になったばかりのリーリエ様と私を除き、他の者たちはこれまで数年以上に渡り、少なからず主人に手を焼いてきているのだ。一泡吹かせてやりたいという気持ちは誰しもあるし、単純に負けたくないという気持ちもある。


「では、始めましょうか。今から半刻は各チーム作戦会議の時間とします。みなさんまだ学院に不慣れでしょうから、両チームに地図をお渡しします。貴族科校舎と裏庭、地図上で色がついている校舎の外周部はすべて使用可能とします。使用人科があるエリアには入らないでくださいね。貴族科Sクラスの生徒が怖い顔をして歩き回っていたら、使用人科の生徒が驚いてしまいますので。アルベールチームのみなさんは、誰が何ポイントか決定したら私に知らせに来てください」


 ロータス先生の説明が終わり、アルベール様がおもむろに立ち上がる。


「主人の意地として、ここは負けられないな」


 アルベールがにやりと笑いながら、従者であるヘクターを見る。


「いつも陰に徹する我々が、たまには主人の鼻をへし折るのも悪くはないでしょう」


 ヘクターも不敵な笑みを浮かべて応戦する。


 今、王国有数の貴族子女とその従者たちの負けられない戦いの火蓋が切られたのであった。




 ∴‥∵‥∴‥∵‥∴‥∴‥∵‥∴


「待って、ターニャ。今あちらの陰にアルが見えた。このまま少し待ってから近づこう」


 転生主人公がかなりの高確率で一度は呟くであろう言葉。私は今まさに思っていた。


 ――どうしてこうなった!!




 貴族科Sクラスのレクリエーションである鬼ごっこは、ゲームの中でも人気のイベントであった。アルベールルートでは、たまたま一緒に裏庭の草むらに隠れることとなった第一王子アルベールとヒロインが、初めてふたりきりで言葉を交わし、協力して逃げる間に距離が縮まる。アルベールは入学初日に彼女に見惚れたことに続き、会話を交わしたヒロインの聡明さと可愛らしさに、さらに惹かれていく自分に気付く。一方でヒロインも、第一王子でありながら平民出身の自分にも対等に接し、鬼ごっこ中も彼女を守って動こうとする彼の姿にときめきを抱くのだ。


 そう、このレクリエーションの目的は、あくまでもヒーローとヒロインの恋の芽生えに他ならないのだ。ゲームの世界では従者・侍女で結成されたヘクターチームは、とくにこれといった作戦も立てず、各自バラバラに行動し、良い感じにヒーローとヒロインが一緒に隠れて動くよう誘導するだけのモブであったはずなのだ。


 だがしかし、やはりゲームと現実は違うということを、私は思い知った。まず、作戦会議の段階から様子が違った。ゲームでは描写すらされなかったヘクターチームの作戦会議は白熱していた。とくにアルベール様の従者であるヘクターと、イーサン様の従者アール、エヴリン様の侍女エマの三名は、主に一矢報いたいという熱意がすごかった。普段からいろいろ苦労させられているらしい。そんな思いが薄いピヴォワンヌ様の侍女サラさんと、リーリエ様の侍女になったばかりの私は、当初三人の勢いに圧倒されていたが、従者・侍女あるあるを皆で共有し、共に作戦を考えていくうちに、確実にヘクターチームの連帯感は強まっていった。


 貴族のお供として入学した彼らは全員私より年上で、いずれも男爵家や子爵家出身。つまり従者ではあるが彼ら自身も貴族である。平民に生まれ、新米侍女である私としては、当然彼らを敬う気持ちがあったのだが、皆が意気投合していくうちに「これから従者・侍女チームは全員名前呼び捨て、敬語も不要」というルールが出来ていた。恐るべし学院伝統のレクリエーション。まさか鬼ごっこ開始前にこれほど打ち解けるとは思わなかった。


 さらに、ゲームとは違った作戦が取られた。ヘクターチームは確実にアルベールチームの戦力を削ぐため、二対三に分かれ、一緒に行動することになったのだ。組み分けは、確実な連携の取りやすさを重視し、アールさんとエマさんの兄妹コンビで一組、元々顔見知りであったサラさんと私がセットとなった。運動能力の面を考慮し、ヘクターは私たちの組に同行することが決まった。それはクラスの親睦を深めるという当初の目的を丸っきり無視した、勝つためだけの戦略であった。今さら兄妹同士や顔見知り同士が組んだところで親睦も何もないのだが…。


 実のところ、私はばあやを目指す過程で、主人を守り抜くための強さを追い求めた結果、基礎的な護身術のレベルを超えて、剣術と忍術をある程度のレベルで習得しており、おそらく従者チームでいちばん手練れであるヘクターの次くらいには戦えるのではないかと思う。しかし現時点で私の武力については誰にも知られていないし、主人に仇なす存在を油断させるため、できれば非常事態以外では私の力は隠しておきたい。そのため、チーム分けに関しては私は口出しをせずに大人しく従ったのであった。


 ばあやというのは普段から穏やかで優しくてにこにこしているのに、敵に対してだけ豹変して薙刀とかを振り回して無双するのがカッコいいのだ。この世界には残念ながら薙刀は存在していないみたいだけど。ちなみに忍術は数年前にたまたま東方の小国出身だというくノ一に出会い、なぜか私を気に入った彼女が、師匠となって様々なスキルを授けてくれた。当時はちょうど暗躍スキルを学びたいと思っていて、どこかで暗殺術なんて習えないだろうかと考えていたときで、彼女との出会いは本当に幸運であった。なんで乙女ゲームの世界に忍者が存在しているのかは謎だけれど、気にしても仕方ない。




 半刻という与えられた準備時間はあっという間で、いよいよレクリエーションが始まった。


 ヘクター・サラさん・私の三人組はゲーム開始早々に、図書室に隠れていたピヴォワンヌ様を発見し、確保した。ピヴォワンヌ様はダンスは得意だが、運動能力はとくに高いわけではなく、最初から逃げるつもりもさほどなかったのであろう。彼女は逃走経路の確保を捨て、隠れることだけに重点を置いていた。おそらくポイントも一点か二点であると予想される。ちなみに彼女を見つけられたのは、ピヴォワンヌ様の侍女であるサラさんの勘だった。長年の主従の絆、恐るべしである。


 アルベールチームであるピヴォワンヌ様を確保したので、ヘクターチームの誰か一名が彼女に着いて教室に戻るのがルールである。ピヴォワンヌ様はチラチラと私に視線を送っており、私と喋りたいから着いてきてほしいというオーラを出していたが、ヘクターがそれをバッサリと切り捨てた。行動を共にしたのは短時間であるが、サラさんよりも私の方が身動きが素早く、今後の戦力になると判断してのことだ。


 チームリーダーであるヘクターの判断にサラさんと私も異論はなかったため、ピヴォワンヌ様にはサラさんが着いていくこととなった。ここでもやはり勝利に向けてガチすぎて、レクリエーションの趣旨は完全無視である。新たなクラスメイト同士の親睦はどこに行ったのか。


 それにしても、ヘクターは明らかにピヴォワンヌ様の気持ちには気付いていたのに、自分の主人であるアルベール様の婚約者の意向をまったく慮らないその姿勢はいっそ清々しい。それほどまでしてこの鬼ごっこに勝ちたいのか、主であるアルベール様に一泡吹かせたいのかはよく分からないが、彼がレクリエーションに対して全力であることは理解した。




 そして現在。


 ヘクターと私は裏庭の草むらに隠れるアルベール様を発見したが、気付かれずに距離を詰めるため、少し離れた場所にある、庭師の仕事小屋の陰に隠れていた。しかもなんでそうなったのかまったく分からないが、前の「私」の知識で言うところの「壁ドン」をヘクターにされた状態で。


「…な!なんでこの体勢なんですか!」


 私は小声で大声を出すという器用なことをしていた。


「しっ!気付かれるよ。アルは王子だけあって幼い頃から訓練されていてね、何かが動く気配に敏感なんだ。この距離ならまだ声は拾われないだろうけど、気を付けるべきだ。この体勢なら小声でも会話しやすい」


 冷静にしれっと返されたが、私より頭ひとつ分ほど背が高いヘクターの囁き声が耳の近くで響き、なんというか非常に心臓に悪い状況だ。


「そんなことよりターニャ。また敬語に戻ってるよ。ヘクターチームでは敬語禁止だって決めただろう」


「…すみません」


「ごめんでいいよ」


「…う、…ごめんなさい」


 少し目線を上げると、彼のダークブルーの瞳が面白そうな顔で見下ろしている。これ、絶対にからかわれている。前の「私」の知識だと、ヘクターはアルベール様より二歳年上で、忠実な従者であった。公の場では丁寧な口調だが、アルベール様とふたりのときだけはくだけた口調になる。しかし、クラスメイトである貴族の子女や、私たち従者・侍女に対して、これほど気さくに接するようなキャラではなかったはずなのだ。


 やはり、様々なことが少しずつ、ゲームとは違っている。それは私の行動の影響なのかもしれないし、たまたまここがそういう世界だったのかもしれない。そんなことを考えていると、ヘクターが声をかけてきた。


「ターニャの位置から見えるかな?アルの近くに誰か来たみたいだ」


 相変わらずなぜか壁ドンされているヘクターの右腕越しに向こうを覗くと、確かにアルベール様の近くの茂みに隠れたリーリエ様の姿が見える。リーリエ様はアルベール様に気付いていなかったが、彼女に気付いたアルベール様がそっと近づいて行った。


「…リーリエ様がいらっしゃって、アルベール様と合流されました」


「そうか、なるほど」


 状況をヘクターに報告しつつ、ターニャは考える。これはつまり、ヒーローとヒロインの恋の芽生えイベントが発生した状況だ。レクリエーション終了まで、あとおよそ半刻ほど時間がある。この世界のリーリエ様が、ゲームのとおりにアルベール様と恋に落ちるのかどうかはまだ不明だが、自分の主であるリーリエ様が幸せになる可能性を閉ざすようなことは、ほんのわずかであろうとも絶対にしたくない。ここで今すぐにヘクターと私が出て行ってふたりを追いかければ、ふたりの会話が中途半端に終わってしまう。せめてふたりが少しだけ打ち解けるまでは、邪魔をしたくない。


 となれば、私のすべきことはただひとつ。ヘクターの足止めだ。


「…ヘクターさんは、アルベール様とリーリエ様のポイントはいくつだとお考えですか?」


 私は時間稼ぎのため、小声でディベートに持ち込むことにした。ヘクターがなんと答えたとしても、自分は反対意見を言って話を長引かせる作戦だ。


「“さん”はいらないよ。ヘクターと呼んでくれ。敬語も禁止」


 ヘクターはどうでも良いところに引っかかったようだが、私としては少しでも時間が伸ばせるならそれで良いので素直に続ける。


「…ヘクターは、アルベール様とリーリエ様のポイントはいくつだと思いますか?」


「どうにも堅苦しさが抜けきらないね。まあだんだん慣れてくれたら良いか。先にターニャの意見が聞きたいな」


 私はヘクターの反対意見を出そうと思っていたのに、先に尋ねられてしまったので、仕方なく敢えて曖昧な意見を出すことにした。


「難しいですね…。私の予想では、ピヴォワンヌ様は二ポイントだったと思います。普通に考えたら立場的にも体力的にもアルベール様が五ポイントだろうと思いますが…。そんな私たちの心理を突いて、逆にリーリエ様を高ポイントにした可能性もないとは言えないかと」


「その可能性はオレも考えているんだよね。普通に考えたら、五人の中で運動能力が未知数で、爵位もいちばん低く、昨日が初対面だったリーリエ様のポイントは低めに設定するだろう。おそらくご本人も自分は一ポイントで良いとおっしゃるだろうしね」


「私もそう思います」


「しかし絶対に、その裏を突こうと言い出す人がいる。あの中ならいちばん言い出しそうなのはイーサン様だろうな。アル本人も、勝ちにこだわる性格だから自分から発案してもおかしくない」


 ヘクターの言葉に、私も頷き、答える。


「でもそれを考えると、裏の裏も可能性がありますし、高ポイントをつける可能性が高いのがアルベール様とリーリエ様のふたりだと予想されるからこそ、敢えてイーサン様かエヴリン様にするという方法もあります」


「そうだね、それを考え出すときりがないのだけれど…じゃあこういった場合はどうかな?」




 私は話を伸ばそうとは思っていたが、意図的にそうしなくても自然とヘクターとの議論は弾み、時間は過ぎていった。ふと気付いて目をやれば、リーリエ様とアルベール様の距離はだいぶ縮まり、楽しそうな様子で会話をしていた。もちろんあちらも小声なので、内容はまったく聞こえてこないが。


「…だいぶ仲良くなったみたいだね」


 ヘクターもふたりの様子を見て、そう言った。その言葉と表情で、私は悟った。彼も意図的に、私との会話を引き延ばし、リーリエ様とアルベール様の会話の時間を設けたのだと。




「…あなた…なぜ?」


 ヘクターの意図が分からない私は、眉をひそめて尋ねる。そんな私に、ヘクターはふっと笑って答える。


「クラスメイトの親睦を深めるレクリエーションだからね。オレはターニャと話がしたかっただけだよ」


 ヘクターは飄々と答えた。私はさらに質問しようとするが、遮られた。


「さあ、そろそろ追いかけっこを始めないと、時間が足りなくなる。どちらが五ポイントだと思ってる?」


「……アルベール様よ」


 はぐらかされたことにムッとしながらも返答する私を見て、ヘクターはにやりと笑って答えた。


「賛成だ」





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