始まりは水曜日の15時過ぎ

緑川まい

1人同士の19時過ぎ(2)


「あの…学生時代の蒼のことを聞いてもいいですか?」

「うん。
俺の目線の津田なら。

もう話してると思うけど、いじめられてたんだ。
ほら、天然でしょ?

まだ天然という概念がない中だったから、ふわふわしてて、どこか抜けてて。
まぁ、今のまんまだよね。
それが可愛いって、男同士のそういう話の時には決まって名前が挙がってたみたい。

で、学年で可愛いって言われてる女子が、ある人気のあるやつのことが好きだったんだけど、そいつまでもが津田のことが好きだって言い出したのが始まりだったかな。

どこからかそれが漏れて、人気女子の耳にも入って、お決まりの津田へのいじめ。


津田は…この前もそうだったけど、物を自分でもよくなくすから、ストックとかめちゃくちゃ持ってるし、新しいのを開けても古いのが見つかるとかも当時からよくあったから、本当に響いてなくて。

それに苛立った人気女子が次の手に出たんだ」


思い出すように話す横川さん。



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