始まりは水曜日の15時過ぎ

緑川まい

公表日の9時過ぎ(16)


津田の存在を知ったとき、彼女は意地悪…と言えば聞こえはいいが、いじめを受けていた。


昔から天然な要素があり、本人としてはそれが普通だったから、不思議にも思わないし普通にしていた。

それが可愛くて。
男子の中で女子の名前が挙がるタイミングでは決まって津田の名前が挙がった。


抜けてて可愛い。
ふわふわしてて可愛い。

そんな言葉がよく聞こえてきた。

天然という括りをまだよくわかっていない時代。


今考えたらありがちな感じだが、人気な男子までもが津田が気になると言い出したせいで、そいつを好きな女子たちから目の敵にされた。

天然というものを演じて気を引いているのではないか、と。


結果から言えば、その男子が言った翌日から津田の持ち物がなくなり始め、最終的には突き飛ばされて怪我まで。

津田としては、正直なところ物が無くなっていることにも気付いてなかった。
最近もあったけど。


突き飛ばされて初めて、自分が目の敵にされていることを知った。


結構いじめるために色々やっていた女子からすれば、本当に努力の無駄。


コメント

コメントを書く

「恋愛」の人気作品

書籍化作品