始まりは水曜日の15時過ぎ

緑川まい

公表日の9時過ぎ(14)


「あとこれ、さっき渡し忘れたんだけど、玄関に忘れてたよ」

「あ、ありがとう。
すっかり忘れてた」


そんな会話とともに、野田が津田さんにブランケットを渡している。

野田も寒がりだからデスクのところにブランケット置いてあるけど、それと色違いだ。


あのブランケットが置かれ始めたのは結構前だから…なんだかんだ隠そうともしてなかったのかも。

「あと、これ、資料ね。
合同業務っていうこともあって、他の部署には知られるのはあまり良くないから、各自のタブレット端末にあとで送られるように横川くんがやってくれたよ。

これは、会議用の大きい資料」

「うん、ありがとう。
こっちも海外の方の流れもまとまり始めたから、あとから共有できるようにしておくよ」


そんな会話を交わした後、津田さんは自分の部署のところに戻って行った。

彼女が戻るまでその後ろ姿を見つめている野田。

もう、めっちゃ大切にしてるんだなって伝わってきた。


伊藤もショックなのはわかるけど…この2人の感じは羨ましいくらい想いあっている。

いいな。

なんて思いながら、仕事に取りかかった。


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