始まりは水曜日の15時過ぎ
最終日の21時過ぎ(2)
「さて、蒼さん」
「はい、澪央さん」
珍しく、さん付けで呼ばれたことに驚いた様子の蒼は、俺から離れて姿勢を正す。
すると。
「今回は本当に、手を貸してくれてありがとう。
前任のポンコツと比べたらものすごいスピードで、すごく助かった」
「ううん。
澪央が優秀だからだよ。
こちらこそ、これからの子たちを救ってくれてありがとう」
カッコいいな。
自分がどう、とかではなく誰かのために動く姿。
「あと、紫央を選んでくれてありがとう。
弟のことを、どうかよろしくお願いします」
「…っ、
こちらこそ、よろしくお願いします」
きっちりと頭を下げる澪央に驚く。
最後、澪央の声が少し涙声になっていたのに気付いたらしい蒼も、グッときている様子。
蒼もきっちりと頭を下げた。
澪央はその後、横川さんと握手を交わし、蒼と抱き合って、最後に俺に抱きついてきた。
「紫央、ちゃんとご飯食べて元気でいなさいよ」
「うん、澪央も元気でね」
ゆっくり離れた彼女は、じゃあね!と、一切振り返らず去って行った。
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