始まりは水曜日の15時過ぎ
最終日の14時過ぎ(4)
「どうせ仕事も腰かけだろ?
研修だかなんだか知らないけど、たった2週間しかここにいないやつにとやかく言われる筋合いはないんだけど。
野田くんだってさ、津田さんいるくせに恒田さんと関係あるんだろ?
大したもんだよなほんと。
同じフロア内で2人に手出すなんてさ。
あ、それで無抵抗な俺を殴る?
それに比べたら俺、真面目だよね」
「お前…「紫央、どきな」」
怒りが収まらない、そう思ったとき。
澪央の左手が伸びてきて、俺の手を離させる。
いつになく低い声に怯んだ俺は、すぐに離してしまった。
腕を掴まれたまま彼女の左隣にきた、その時。
バシン!
澪央の裏ビンタがものすごい勢いでソイツの右頬に入った。
裏ビンタというより、裏拳な気がしてならないんだけど。
ソイツはデスクにぶつかり、尻もちをついた。
「いってぇ!何すんだよ!
このクソ女!」
澪央を見上げたまま暴言を吐く。
しかし、彼女はそのまま近付いて、書類をかざしながら見下ろすように立った。
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