始まりは水曜日の15時過ぎ

緑川まい

最終日の14時過ぎ(1)


あっという間の2週間。
今日で最終日を迎え、澪央もラストで明日には戻ってしまうらしい。

その間、もちろん蒼とも順調だし、澪央も蒼と一緒に過ごせてすごく楽しそうだった。


今日は帰りに送別会をやる、だなんて息巻いていたメンバーだが。

事件は14時過ぎ、突然だった。


「いちいちうるせぇよ!」

その声がオフィス内に響いた瞬間、シンと静まりかえった。


俺も驚いて見ると、声の主は出向してきた例の問題ある人で。
やっぱりというかなんというか…対峙しているのは澪央だ。

とうとう証拠を掴んだのだろう。


澪央が相手だとわかった、澪央を元から知るメンバーは、ついに?なんて眼差しを向けているが…それ以外のメンバーは驚いて何もできない様子。

立っている澪央に対し、椅子に座って踏ん反り返るその人。

どうやら、澪央が書類を持って指摘しに行ったらしい。


「そんな大きな声出す必要あります?
おかげでみんな振り返りましたけど。
いいんですか?
こんな、みんなが見ている中で話を続けても。

あなたが困ると思いますけど」


あぁ、狙い通りだ。
ほぼほぼ澪央の手の内だ。

…なんて思っていたのに。



「関係ねぇだろ!
たかだか2週間しかいないくせに口出してくるなよ!

引っ込んでろ!」



澪央よりも20cmほど身長の高いソイツは、そう言った後、彼女の肩を強く押した。




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