始まりは水曜日の15時過ぎ

緑川まい

連休前の12時過ぎ(2)




「で、こっちが私の同期かつ親友の、津田蒼ね。
こっちが弟の野田紫央」

「「…」」

無言で会釈…というより、もはや頷くしかない。


俺が席につくと、澪央が蒼に向かって彼氏は出来たかどうか聞いているところだった。

おぼんを落としそうになりながら平静を装う。
完全に、ある意味、修羅場。


「…で?
紫央、その、左手の薬指の指輪は、なに?」


目が笑ってないんですけど!!!

ブラコンは彼女が出来たら気にするし、見極めるから気をつけろって誰かから聞いたのを今思い出した。

遅い。


どうしよう、どうする?
なんて言う?


そんなことを考えながら蒼を見ると、微笑んでいた。

覚悟できてるらしい。
俺、ダサいな。



俺も覚悟しなきゃ。

そう思って、澪央を見た。




「始まりは水曜日の15時過ぎ」を読んでいる人はこの作品も読んでいます

「恋愛」の人気作品

コメント

コメントを書く