始まりは水曜日の15時過ぎ

緑川まい

祝日の8時過ぎ(2)


たしか、紫央がこっちに来てくれたはず。

そう、そうだ。
その前に、望月くんに色々言われたんだ。


本当は彼氏いないんだろ、とか、捨てられたんだろ、とか。
いくら口で言っても聞いてくれなくて。

で…そうだ、いるなら電話してみろ、目の前に連れて来いって言われて、ジョッキを飲んだら信じてやる、とも言われて。

なにそれ!って本当に怒って。
横川くんも結構怖い声で、まじでふざけんなよ望月、って言ってた。

で…、私もその煽りに乗っちゃって、ってときに紫央がこっちに来たんだ。



紫央が蒼さんでもなく、津田さんって言うから寂しくて…って、あれ、私やったな?
抱きついたな?

…やらかしたな?


でも抱きついたらものすごい安心して、かつ、めちゃくちゃ眠くなって。

紫央が何か話してて、澪央の名前が出てきて。
それが聞こえて我に返って、途中、よろけたことを理由にして謝って。

でも、びっくりするくらい眠くて。


…そのあとの記憶がない。

ここは、私の家。
だから、知らない人とって感じじゃなさそう。

紫央はどこだろう。


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