始まりは水曜日の15時過ぎ

緑川まい

火曜日の12時過ぎ(13)


食後。

10人で社食を後にする。
各々、趣味の話をしたり、彼氏彼女がどうした、など盛り上がっている。


「ねぇ、暑くない?」

「ブラウスの下に着てるやつ脱いだら怒りますよ。
見たやつ、はっ倒します」


「え、押し倒す?誰を?私?いつ?」

「こら!ちがう!なんでそうなるの!
まぁいつでもいいですけど」



「いや、それで関係性疑われないように過ごすの、結構無理あると思うんだけど…」

蒼さんと俺の会話に、横川さんが呆れたように突っ込む。
そんなやりとりが多くなってきた。

彼女の隣を歩きながら、堂々と歩きたいなって思ってしまった。


「じゃあ、俺たちはこれで。
俺、屋上行ってきます」

「出た、野田の、食後10分の放浪癖。
今日は屋上なんだ」

「うん。
今日は早かったから15分かも。
じゃあ、皆さんまた」


蒼さんの部署の前で解散。
みんなに気付かれないように、蒼さんの手を握ってからその場を後にした。

そして、日課の食後の休憩。
この時間はサボっているわけではなく、ちゃんと定められた昼の時間内で済ませている。


今日は屋上。

今日は少し暑いから、風があるといいな、なんて思いながら向かった。



SIDE 紫央 END



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