始まりは水曜日の15時過ぎ

緑川まい

金曜日の19時過ぎ(15)


あったかい。

「野田くんとの距離感は、これが多いね」

「蒼さんがよく足を踏み外すからです」


そうでした。
受け止めてもらうことが多い。

「さっきはごめんね。
お酒で何も考えられなくて、頭冷やそうとして必死に出て行こうとしてたの」

「そんな感じがしたので大丈夫ですよ。

蒼さん、この前の月曜日のやつ見てたんですってね。
あれ、親友の妹で、俺からしても妹みたいなものなので、何もないですよ。

付き合ってないです」


やばい、すごく嬉しいことを聞いてるのに、眠くなってきた。

告白、しなきゃ。

ちゃんと、伝えなきゃ。


「そっか、よかった。
私、野田くんが好きだよ」

「え?」

「やっと言えた。

私、野田くんが大好き。
独り占めしたいくらいに」

「蒼さん、それって…」


その言葉を最後に、意識を手放した。



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