始まりは水曜日の15時過ぎ

緑川まい

土曜日の0時過ぎ(7)




「ちょっと…まじで…はぁ…」

「すみません…」


お風呂上がり。
どう頑張っても、ズボンがズレ落ち、引きずる展開に。

もうどうしようもなくて、半袖のみにしてみた。


よくドラマとか小説である、誘うような格好に自分でも頭を抱えたが、早く会いたいと思ってしまって、そのまま出てきたら…彼はフリーズ。


そして今はフリーズが解けた彼が頭を抱えてる状態だ。

「ちょっとこっち来てください」

「はい…」


言われるがまま、近付いていくとそのまま座っている彼の足の間に立つことに。

そして、片膝に座らされた。


「いいですか?
俺、すごく蒼さんが好きなんですよ」

「私も好き」


手を繋がれたまま、話す。

「いま、ものすごい俺の理性に喧嘩売ってる格好してますけど、これでも耐えてるし、こうやって話していてもくっつきたいし、蒼さんがほしいです。
資料室で出会ってから、俺も半分ノリで透けてるのを注意したりしてましたけど、さすがに、付き合ってくださるなら透けてるのは誰にも見せたくないです。
蒼さんの体を想像させるような格好は禁止してもいいですか?

言い方はアレですけど、もうあなたは俺のものだから、そういう想像もされたくないし、誰かに渡したくない」


すごく、好きなんです。

そんなことを言う彼は、少し苦しそうに見えた。



言い終わるかどうかのうちに、抱きついて、私から口付けをする。

その行動が、長い夜のスイッチとなった。







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