始まりは水曜日の15時過ぎ

緑川まい

土曜日の0時過ぎ(5)


どうしよう、幸せすぎる。

しばらく抱き合ってから、自然と離れる。
そして。

「蒼さん、キスしていい?」

「なんで聞くの…」


「だって、したら止められなくなると思います」

「いいよ」


言い終わるかどうかのところ。
口付けが降ってきた。

深く、長く。
初めてとは思えないほど、馴染む。

「蒼さん、好き」

「私も…野田くんが好き」

「紫央って呼んでください」

「紫央、好き」


やべぇ、止まんねぇ…、なんて、吐息とともに聞こえてきて、いつもの敬語じゃない感じにドキッとする。
もっと欲しくなる。


でも、おそらく、野田く…紫央はキスが上手くて。
ついていくのに必死だ。

彼の腰元の服を掴んで、求める。

部屋は、私たちの吐息だけが響いていた。



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