始まりは水曜日の15時過ぎ

緑川まい

日曜日の11時過ぎ(7)


「え、え!」

「蒼さん、震えてる。
ごめんなさい、あいつら、それ目的で来てたから…たまたまレーダーに引っかかっちゃったんですね。

もう大丈夫です」


背中を撫でると、動揺していた彼女も落ち着いた。

少しすると。
「野田くん、ついでに変なこと言っていい?」

「ものすごい変なこと言いそうで怖いですけど…いいですよ」


この人の言う変なことって、まじで変なことだから予測が出来ない。
前に、下着見る?みたいな感じのときは、本気で焦ってしまった。


「これがいい」

「えっ」


反応も出来ぬまま、彼女は少し離れたかと思いきや、バスタオルを取ってそのままで抱きついてきた。

え!
何やってんの、この人!

想定外の柔らかい衝撃に、一気に固まる。

「野田くん、肌がスベスベで…これがいい。
本当に、野田くんがいてくれてよかったよ。
ありがとね」

「…いえ、落ち着くまで、こうしてていいですよ」


スベスベなのはあなたでしょ、っていつものように返そうとしたけど、しがみつく感じ、相当安心したのが見て取れたので、やっぱり怖さがあったのかなって思ってしまった。

恋愛感情で好きとかないけど、こういうところ、結構可愛いと思う。

普段はキッチリしてる分、出してないけど。



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