始まりは水曜日の15時過ぎ

緑川まい

日曜日の11時過ぎ(2)


「ねぇ、騙したよね?」

「えっ?なんのこと?
気にせず楽しもうよ!」


楽しもうよ、じゃないでしょなんなの…。

一緒に来た彼女は、私の近くで髪の毛をいじりながら声をかけられるのを待っている感じ。

ナンパ待ちの女子ってみんなこんな感じなのかな?
よくわかんないけど。


『なぁ、お前も見ろって!
あそこの女の子、めっちゃスタイルよくて可愛いんだって!』

『マジだ!
やべぇ、声かける?』


本当にやだ。
近くの男性集団がジリジリとこちらに寄ってくる。

こっちの彼女にも聞こえているらしく、わざと髪をかきあげながら待ち構えてる。

いや、もう、よくない?
男性陣とこの彼女に磁石あればいいのに。
すぐくっつくでしょ。

「(場所変わろうか?)」

「(やった!さりげなくね!
あのイケメン狙いなの、私!)」


どう見てもさりげなくない感じで場所を入れ替わった。

そんな時。


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