始まりは水曜日の15時過ぎ
水曜日の15時過ぎ(10)
「…とりあえず、怪我がなくてよかったです」
「ありがとうございました」
「あと、俺のことご存知なんですか?」
「英語ペラペラエースの野田くんでしょう?」
私が答えると苦笑いする彼。
あれ、違った?
「野田です。
英語は…仕事柄使わないと仕事にならないので、部署内では普通です。
あと、エースっていうのは…、後輩できても音を上げてやめてしまうので、仕事量が多いからそういうことになっているのかと。
別に普通の男ですよ」
「へぇ、人の噂話とか厄介だよね。
本当の自分はそうじゃないのに」
私の場合はイメージに合わせようとしちゃうから、余計に厄介なんだよなぁ。
ありのままでやろうとしていればこんなことにはならなかったんだけど。
「すみません、ちなみに確認なんですけど、本来の津田さんはドジな感じなんですか?」
「うん。
だって、この流れでわかっちゃうでしょ?」
「そうですね…。
ちなみに、下着見えちゃうレベルのドジな感じですか?」
「いや、これは完全に気を抜いてたせいです」
下着見せちゃう女、やばすぎない…?
さすがに即座に否定する。
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