俺だけFPS
銃と、剣と、Ⅶ
「久しぶりっす。ってか四日ぶりくらいだけど」
「おめぇ、飽きもしねえでまだ銃担いでやがんな」
「そりゃおやっさんに貰った武器なもんでね」
「そうかい。それで、今日はどした? 修理か?強化か?新品か?」
古代迷宮で丸三日かけてレベルを上げ、素材と交換品を貰った結果、ステータスとスキルは大幅に強化され、その素材を使えば更なる武器強化も出来るのではないかと思い立った。
この始まりの街までは、天馬の呼鈴というユニークアイテムを使った時に現れるペガサスに乗ってきた。
多分持ってるのはこの世界でも三人くらいだろう。めちゃんこ目立った。
◇
ミズキ『ガンナー』『龍王馬クイーン』
LV87
HP 200
MP 100
STM 200
STR 100
VIT 10+(320)
AGL 105+(130)
DEX 135+(130)
LUC 135+(100)
SP 0
『アーツスキル』
瞬間視界 → 明鏡
マイクロショット → 精妙巧緻
脆弱見切 → 鋭槍一点
クイックリロード → 早弾速弾
天空鮮明 → 天眼
ファントムショット → 陽炎
起死回弾
ゼロレンジバースト → 落下星
両脚軌道
弾人入替
魔石スキル
HP補正100
STM補正100
DEX補正100
AGL補正100
LUC補正100
称号スキル
森林の破壊者5
時計仕掛けの天人
時計仕掛けの魔人
解放者3
自称英雄
武器
右:森怒の狙撃銃
左
防具
頭:怒和の木仮面
胴:紅の装束
腕:紅の籠手
腰:紅のズボン
脚:紅の靴
セット効果:クリティカルダメージ30%アップ
装飾品
1:影縫いのピアス
2:魔樹の首かざり
3:氷った炎
4:マジックメモリー・氷
5:マジックメモリー・雷
◇
レベル87。目標レベルまであとたった12だ。
にも拘らず時間はまだまだある。
明鏡は瞬間視界から派生したスキルで、一定時間視野角を広げる効果がある。このスキルの利点は広げる数値を予め設定しておくことである程度のコントロールが可能という事だ。流石に後ろに目を付けたりはできないが、それでも視野角を上げるという事は、視界外からの攻撃に対して備えられる。
このスキルはリキャストタイムが非常に短く、効果時間は長い。戦闘中に視野角を変えられるという、非常に酔い易い状態を使い熟せ、照準を合わせられるなら強スキルと言えるだろう。これはちゃんと練習しとかないと制御がムズイ。
精妙巧緻はマイクロショットからの派生スキルでエイムアシスト効果が消えた代わりに、俺にしか見えないレットサイトを表示させる効果がある。銃弾がどこに飛ぶか発射前に教えてくれるわけだ。これで時計仕掛けの守護者の時みたいな、銃が強化され過ぎてて外すという事は少なくなるはずだ。
鋭槍一点は、銃弾がヒットした場所を強制的にクリティカルポイントにするスキル。俺的に最強スキルな気がする。ただ、銃の場合ヒットポイントが非常に小さいから、そこを正確に狙う精度が求められる。
早弾速弾、そうだんそくだん、と読むらしい。このスキルはクイックリロードとマイクロショットを混ぜたみたいなスキルで、リロードモーションの補正とエイム補正が同時に発動する。ただ、効果時間中にリロードと射撃のどっちかしかできないからスキルスロットを節約するくらいの意味しかない。
陽炎はファントムショットに+して炎属性攻撃と炎上蓄積値を持つ弾丸を放つ。この弾丸の素晴らしポイントは、内臓弾を作りだすという所だ。既にマガジンに入っている弾丸を強化するのではなく、強化された弾薬を作り出し次の一発に装填する。
実質一発分得できる。
落下星はゼロレンジバーストからの派生スキルで、その元々の効果である距離が近い程攻撃力が上がるという性能を上から敵を攻撃する場合に限り距離が近い程威力を上げるという性能に変化した。
それだけだとただの劣化スキルだが、その強化倍率は零距離で放つ場合に限って言えば脅威の3倍である。火力スキルは大歓迎だ。
次はアクセサリーの話もしようか。
氷った炎はアイスエルフの女王様からバッテリーと交換したアクセサリーだ。
効果は、HPが10%以下になった場合に限り、炎属性ダメージと炎上蓄積値が増加する。
マジックメモリーはなんと装備するだけで魔法を使えるというアクセサリーである。
魔法書読めばええやんと思うかもしれないが、このアクセサリーMP消費無しで魔法を発動できる神アイテムである。ただし、MPの代わりにスキルと同じようにリキャストタイムが発生する。
その時間はそこそこ長い。
氷に入っている魔法は相手の足元を凍らせて滑らせる『アイスリング』が、雷のマジックメモリーには手から雷を発射して当たった相手を痺れさせる『ライトニングショック』か入っている。
レベルを上げ、装備を整えてういる理由は、公式ホームページでも正式発表されたが、パーティクル・ラプラスのPVPイベントに参加する為だ。なんとこのイベントネット配信もされるらしい。
参加条件も既に発表され、二週間後までにそれが29人選ばれる。
その中からトーナメント方式で最後まで勝ち上がったプレイヤーが優勝だ。
このゲーム性質上、近接系のキャラクターの方が強そうだがそこら辺はどうなってるんだろうか。
少なくともカゲに1対1で勝利できるプレイヤーは少ないだろう。あの白龍を回避もしくは耐えられるだけの性能を求められると考えればそれが容易ではない事は俺にも解る。
という事で、俺は早急にキャラクターをレベルアップさせ装備を充実させなければならない。
「強化で」
その一環で武器を強化しに来た。
時計仕掛けの魔人天人、古代迷宮のモンスターの素材、女王から交換で貰った素材に、氷山でのモンスターの素材と、俺のインベントリには思ったよりも多くの素材が入っていた。
勿論、全部持ち切れる訳もないので、街の貸金庫に預けている分もあるが、今回は一通り持ってきた。
「おめぇさん、一体どんだけ持ってんだよ」
急に机に置かれた素材の山に店主は驚愕を浮かべ、一見してから困り顔を浮かべた。
「一応、持ってる銃全部見せな」
「了解っす」
天魔絶息、森怒の拳銃、森和の拳銃、森怒の狙撃銃、の四つを差し出す。
「まず、この天魔絶息っちゅー奴は強化出来ん。わりぃが完全に儂の実力不足じゃ。他の奴はおめぇが持ってきた素材を使っての強化はできる。じゃけど、この素材だけじゃ無理やな。足りん素材があるけえ。おめぇなら取ってこれるかもしれんが挑戦するか?」
『ユニーククエスト【火鍛冶と水鍛冶】を受注しますか?』
「もち!」
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