俺だけFPS
歌姫は一人で歌うⅥ
リスポーンを終えると街の教会に寝そべる様に倒れていた。身体を起こすと修道服のNPCが両手を差し出してきた。
「お賽銭は1万ジェルからです」
「あ、はい」
どうやらリスポーンすると金を払わされるらしい。10000ってなんだ。こっちの所持金の1割とかだったらマジで怖いな。
銃がロストしたのは悔やまれるが、そもそも新しい武器を作る素材集めであのボスを倒していたんだ。
ドロップアイテムはモンスター倒すと自動でインベントリに収納されていた。相打ちでも関係なかった。というかこれでドロップ無しで武器失っただけだったら萎え死ぬ。
「素材取ってきました」
「ホンマにとってきたんか」
「はい」(ドヤ顔素材提出)
「こりゃなんじゃ。まさかエリアボスの変異種けえ!?」
「なんか全部弱点の宝石狙ってたら出てきました。結局引き分けだったっすけど」
「引き分けでも大したもんじゃが、奇妙なこともあるもんじゃな。まあええ、お前さんが持ってきた素材があれば銃は作れるぞ。種類は何がよいか?」
「SRで」
「おう。そうじゃなこれだけの素材があればもう一つくらいは作れるぞ」
このゲームボスからとれる素材の量は通常モンスターの10倍くらい多い。希少なモンスターもいるし、ボス周回とかされて混むのも嫌だから俺は大歓迎な仕様だ。
武器二種類か。SRと何にしようか。
「HGで」
「了解じゃあ。ハンドガンでいいなら二つ作っちゃれる。二丁拳銃でええか?」
「勿論!!」
おお、二丁拳銃。ガンナーは遠距離武器なら何でも好きなだけ装備できる。まあ両手武器二個とかは物理《STR》的に不可能だが。二丁拳銃をする上では何の弊害もない。
「ちっとまってな。三十分で仕上げちゃるぜ」
三十分か。素材以外のドロップ品の確認とステ振りでもしとくか。確か森林の守護者の経験値でレベルアップした分は全部幸運に振ったんだよな。
◇
ミズキ『ガンナー』
LV 21
HP 100
MP 100
STM 100
STR 10
VIT 10
AGL 20
DEX 25
LUC 40
SP50
スキル
ホークアイ
クイックショット
インビジブルムーブ
ウィークアイ
クイックリロード
スカイアイ
ホーミングサイト
クリティカルショット
ゼロレンジバースト
サークルムーブ
称号スキル
森林の破壊者1
◇
どう振ろうか。ちょっと待てよ、SRって筋力値無いと持てないとか普通にありそうじゃないか。
せっかく作って貰うのに必要ステータス満たしてませんでしたとか目も当てられない。ステ振りは保留だ。
いつの間にか技能スキルもついに埋まったな。ボスからはスキルの熟練度も多めに貰えるのかもしれない。
それと称号スキル。
このゲームはアーツスキル10に称号スキル5魔石スキル5でスキルを構築する。NPC専用の贈物スキルなんてものもあるようだが、今の俺とは関係ないな。
称号は強力なモンスターを倒したり、難易度の高いクエストをクリアすると獲得できる。
魔石はエネミーが一定確率でドロップする魔石を一定数集める事で、専用の施設でそのエネミーの身体機能をスキルとして習得できる。
森林の破壊者というのはアクセスしたウィキにも書いて無かったから、多分持ってるのは俺だけか秘蔵している少数のプレイヤーだけだろう。
効果はエネミーを倒す度に、HPMPSTMの何れかがランダムで10回復する。
このステータスはステータスポイントで増加させることができない数値だ。それを回復できるのは強い。HP回復手段ポーションしかなかったから欲しい効果ではあった。
アーツの新スキルは、ゼロレンジバーストとサークルムーブ。
発動中に零距離での射撃ダメージが増加するスキルと、円運動を補正するスキルだ。よりスムーズに回避行動ができるのは強いな。移動系スキルの一種になるんだろうな。
アーツスキルとは動作を補助するスキルだが、攻撃系スキルを使用している状態だとダメージにも補正がかかる。スキルは進化するのでガンガン進化させたい。
アーツスキルは10個を超過した分も保存されていて、教会で付け替えとかができる。
ってことで武器ができるまでの間に教会に来た。
「さっきはどうも」
「何ですか? もう一回死にましたか?」
だったら玄関から入ってこないわい。
「スキルの付け替えを」
「なるほど。寄付金は二万ジェルからです」
「うす」
通された部屋は中央に水晶の置かれた不思議な空間だった。
水晶に手を翳すとウィンドウが出現した。
装備スキル
ホークアイ
クイックショット
インビジブルムーブ
ウィークアイ
クイックリロード
スカイアイ
ホーミングサイト
クリティカルショット
ゼロレンジバースト
サークルムーブ
超過スキル
ポジションチェンジ
クライミング
2つか。
転移スキルと崖のぼりスキル。
転移は強そうだ。インビジブルムーブとポジションチェンジを変更しようか。
ポジションチェンジは自分の弾丸と自分自身の位置を入れ替えるとかいう神スキルだ。
限界範囲が自分から100m以内でリキャストタイムが5分ってこと以外は最強といっても過言じゃない。
動きながら銃を当て続けるとかが所得条件だろうか。
後はアイテムを補充しておっさんの所へ戻ると銃は完成していた。
森怒の狙撃銃 レアリティ6
威力:480 装填数5 必要STR50 DEX30
特殊効果:【憤怒の一撃】弾薬を三発消費する事で次の一発の威力を二倍にする。
森和の拳銃 レアリティ4
威力:140 装填数8 必要DEX25
特殊効果:【内蔵回復弾】MP消費で回復弾を発射できる。
森怒の拳銃 レアリティ5
威力:175 装填数8 必要DEX35
特殊効果:【奇跡炎怒】クリティカル発生時に炎上を付与する。
この三つがおっさんが作ってくれた武器。
怒和の木仮面
VIT補正60 レアリティ6
特殊効果:【破癒】秒間1回復とHP20%以下で全攻撃力50%アップ。
これが森林の破壊者からドロップした顔装備だ。
ミズキ『ガンナー』
LV 21
HP 100
MP 100
STM 100
STR 50
VIT 10(110)
AGL 20
DEX 35
LUC 40
SP0
スキル
ホークアイ
クイックショット
ウィークアイ
クイックリロード
スカイアイ
ホーミングサイト
クリティカルショット
ゼロレンジバースト
サークルムーブ
ポジションチェンジ
称号スキル
森林の破壊者1
武器
右:森怒の狙撃銃
左: 〃
防具
頭:怒和の木仮面
胴:泡兎の胸当て
腕:泡兎の籠手
腰:泡兎の腰巻
足:泡兎の靴
◇
どうせならと防具も一新した。泡兎装備一式は軽さ重視で選んだらこうなった。STRを上げたとは言っても、ハンドガンで戦う場合は回避が基本となるだろう。なら重厚な防具に身を包むよりも軽さ重視の最低限の防御力で戦った方がいいだろう。
スタミナ消費量は装備の重量で決定する。重すぎたらAGLにもマイナス補正がかかるようだしな。それで言えば泡兎シリーズはこの街で買える装備の中で、最も軽い装備だ。それだけで買うに値する。
戦力大幅強化だ。これも全部おっさんのお陰だな。
「代金は幾らですか?」
「要らねえよ」
「え?」
「お前が持ってきた素材の残りカスだけで充分代金になる。まあこの素材も引き取るなら代金は貰うがどうする?」
「いや、もう武器はあるから大丈夫です」
「それよりあんちゃん。もしいい素材を見つけたら持ってきな。似合いの武器を作ってやるよ」
「マジっすか!」
「俺の腕を舐めんなよ。このグランツ、王都の鍛冶師にだって負ける気はねえぜ」
「おお~!あ、俺はミズキです」
パチパチパチ、ドヤってるから拍手しておこう。
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