『死にたい』私

私は昔から『死にたい』が口ぐせだった。

メンヘラとか病んでるとかじゃなくて、
全てを投げ出して逃げたい時によく呟く。

決して人には言わない口ぐせ。

ここ最近もよく心の中で呟いていた。

やりたいこともやり尽くしたし、
息子の成長見守りたいけど、
息子のおじいちゃんな姿までは見られないし、
幸せなまま命終わるんだったらいいじゃん。

死に至るまで苦しむのは嫌だけど、もし楽に終われるなら。


人生にわりと心残りっていうのはないけど、どうせなら死ぬ前に大事に保管してたウイスキー飲みたいな。

地元の新作日本酒も。

BAR行って好きなカクテル飲み尽くしたいし、
美味しいもの食べまくりたいな。


そしたら、ふと思った。


じゃあ例えば、寿命が数時間後って決まってたとして、何をして終わる？


ウイスキー飲む.....

つもりだったのに、
頭に浮かんだのは...


授乳姿。


多分最後のギリギリまで授乳するんだろうなぁ。

そう思って、その光景が浮かんだ時、

涙がボロボロこぼれ落ちた。


あぁ。


本当は


全然死にたくなかったんだな。


当たり前に明日が来るって思って、驕って言ってたんだなぁ。


息子の必死に大口開けて乳を咥える姿がもう見られないなんて耐えられない。

授乳してて、そのまま死んじゃったら、息子はどうなるの？

出ない母乳を吸い続けて、動かない私を見て、訳がわからないだろう。

当たり前にあるって思ってる私や母乳を、息子から奪う権利が私にあるんだろうか。

卒乳、断乳とか、保育園に預けるとか、そういう話は置いておく。


『明日が来ないってわかってて、あなたは同じことを今日しますか？』

自己啓発書に大抵書いてあるこのフレーズ。

はいはい、ってわかってて過ごしてるつもりだったのに。

ふと、なんかリアルに想像できてしまった。

散歩に行って、離乳食あげて、遊んで、風呂に入れて....

同じ日常を過ごすだろうか？

1日となると考えるのが難しいので、もっと短く。

例えば、あと2時間。

そうなった時、眠そうだったら寝かすのか？

寝たらもう笑顔の息子に会えないかもしれない。

起こして遊ぶか？

ずっと抱っこして、遊んで、添い乳で寝かしつけながら、その時を迎えるんだろうな。

風呂なんて入れないかもしれない。

もしくは洗わないで、湯船に夫と3人で浸かるかもしれない。


もう二度と息子の笑顔が見られないなんて、やっぱりつらい。


生かされてる今に感謝しよう。

生きててくれる息子に感謝しよう。

今までは、世界で一番...は祖母だったけど。


今は間違いなくあなたです。


育児は大変に違いない。

でも、尊い。

何にも変えられない幸せな短い時間。

授乳できないママもいる。

私を求める息子の姿は本当に愛おしい。

子育ては一瞬と言うけれど、実際は寝不足や疲労、永遠に辛い時間が続くんじゃないかなって思ったりもする。

泣かせながら、家事をする。

そんな不毛な時間はやめよう。


自分は愛されてるんだって、息子に思って欲しい。


急な思いつきだったけど。

こんなことに気づけたことに感謝。

こんな幸せな思いをさせてくれてありがとう。

私の『死にたい』は、『今これやめたい』って意味だった。

それに気付いてから、ちょっと楽になりました。

とりあえず夕飯作るのやめました。