オタクとロリ

マッチ棒

第70話〜デート③〜

店内に入った俺と花凛は、階段で2階へと向かった。

「うわー、凄いよ慎!」

2階に着くと花凛は、またしても目を輝かせながら言った。

2階には、新刊の漫画やラノベがたくさん並べられている。まぁ、いわゆる平積みというやつだ。

そこで俺たちは、それぞれ欲しいと思っていた漫画やラノベを買った。…別に漫画やラノベは、アニメイトやとらのあなでも買えるが、俺は個人的にゲーマーズの特典が欲しいので基本的にここで買っている。

それから、5階に向かい2月号の『声優マガジン』を買い店を出た。

***

「お帰りなさいませ。ご主人様、お嬢様。」

オシャレな木の扉を開けると、天使のような可愛さのメイドさん達が、俺と花凛を迎え入れた。

ゲーマーズで買い物をした俺たちが次に向かったのは、駅の近くにあるメイド喫茶。

俺が初めて秋葉原に来た時に、昼飯を食べた場所でたまに行くところだ。

俺と花凛は、メイドさんに案内されるがまま席に向かう。

「メニューが決まったら教えてくださいね。」

席に着くと、天使のような眼差しでそう言われた。

「花凛、何食べたい?」

俺は目の前に座っている花凛に尋ねる。

「えーとねぇ。わたしは、オムライスが食べたいなぁ。」

「なるほど、確かにいいなぁ。」

「慎は、何を頼むの?」

…どうするか。王道であるオムライスやカレーライスにするか、それともパンケーキとかのデザート系にするか…。だめだ、迷うなぁ。

………あ!そうだ、ここはメイドさんにおすすめを聞いてみよう。

「すみませーん。」

俺は、注文をするべくメイドさんを呼んだ。

すると、「はーい。今行きます、ご主人様。」と奥の方からスタスタと猫耳をつけたショートカットのメイドさんがやって来た。

「ご注文は、お決まりですかニャ?」

ネコさんは、笑顔でそう言う。

「はい。えーと、オムライス一つと…えーと、おすすめはなんですか?」

俺は、花凛の頼んだやつのついでに聞いてみた。

「はい。おすすめは、バニラアイスがのったパフェですニャ。」

「じゃあ、それください。」

「はい。かしこまりましたニャ。」

そして、猫耳メイドさんは去っていった。

(…あぁ、もう少しだけその姿を見ていたかったなぁ。)

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