オタクとロリ
第59話〜祖母〜
俺・鬼月慎が生まれたのは、東京から少し行ったところにある田舎県の小さな田舎町だ。
生まれも育ちも、ど田舎。家の周りは、見渡す限りの田んぼ,棚田。それ以外何もない。
実家では、二頭の牛と四羽の鶏。そして、米を作っている。俺は、一人っ子というのもあって「東京の大学に行く!」と言ったら両親は当たり前のように学費を出してくれた。
そんな両親も歳には勝てないらしく、ここ最近は正月に帰るたびに田畑仕事を手伝わされる。
…では、ここらで少し昔話でもするとしようか。
当時、花凛と同じくらいの歳だった俺のど田舎での過ごし方は至って単純。
まず、朝、飼っている鶏の声で目覚め、鶏小屋に行き生みたての卵を朝食を作っている母親のところへと運び、そのあと畑で仕事をしている祖父と父親のところに行き仕事を手伝う。
それで午前中は終わり。
昼飯は、家族みんなで揃って食べる。
午後は、祖母と一緒に自分たちの山へ行き夕飯にする山菜やらキノコやらを採りに行く。
そんな、いかにもな感じの暮らしをしていた俺だったが花凛と同じくらいの歳の時にある体験をした。
それは、夏の暑い日のこと。
いつものように祖母とともに山に山菜を採りに行った帰り道、祖母が急に心臓あたりを押さえながら地面に倒れた。
「え……おばあちゃん…」
あまりに急のことだったので俺は、誰かに助けを求めることが出来ずしばらくその場に棒立ちしていた。
しばらくして、我に帰った俺は急いで家に戻り祖父と両親に祖母が倒れたことを伝え、祖父らと共に倒れている祖母の元へと向かった。
…しかし、祖父らと共に戻った時にはもうすでに祖母は、息を引き取っていた。
俺は、もっと早くに知らせなかった自分を憎んだが、そんな俺に対して祖父や両親は「慎は、何も悪くない。だから、そんなに自分を責めないでくれ」と言った。
それからが数日経って、祖母の葬式が行われた。葬式には、親戚は勿論のこと近所の人たちや町長も参列した。
小さな田舎町と言うこともあってか、祖母のことは町民全員が知っている。
俺は、葬式の間ずっと泣いていた。
昔から、おばあちゃんっ子だった俺にとって祖母が亡くなったのは精神的に辛かったのだ。
小学校を卒業して、中学高校とどんどん将来のことを考えた時に脳裏にある言葉がよぎった。
「慎は、自分がしたい事をすれば良いんだよ。私は、慎がしたい事ならなんでも応援するからねぇ。」
…それは、生前祖母がよく俺に言っていた言葉だった。
基本的にマイペースだった祖母だが、たった一人の孫である俺の将来についてはいつも真剣だった。
そんな事があったので、俺は高校卒業後東京の大学に行く事を決めた。
…まぁ、本当のことを言うと、他にも秋葉原やら池袋やらのオタク的聖地に行きたかったのもあるがな。
で今年は、そんな祖母が亡くなってから17年になる。
(…みんな、元気にしてるかなぁ。)
と、実家に帰省するのが少し楽しみになった今日この頃であった。
生まれも育ちも、ど田舎。家の周りは、見渡す限りの田んぼ,棚田。それ以外何もない。
実家では、二頭の牛と四羽の鶏。そして、米を作っている。俺は、一人っ子というのもあって「東京の大学に行く!」と言ったら両親は当たり前のように学費を出してくれた。
そんな両親も歳には勝てないらしく、ここ最近は正月に帰るたびに田畑仕事を手伝わされる。
…では、ここらで少し昔話でもするとしようか。
当時、花凛と同じくらいの歳だった俺のど田舎での過ごし方は至って単純。
まず、朝、飼っている鶏の声で目覚め、鶏小屋に行き生みたての卵を朝食を作っている母親のところへと運び、そのあと畑で仕事をしている祖父と父親のところに行き仕事を手伝う。
それで午前中は終わり。
昼飯は、家族みんなで揃って食べる。
午後は、祖母と一緒に自分たちの山へ行き夕飯にする山菜やらキノコやらを採りに行く。
そんな、いかにもな感じの暮らしをしていた俺だったが花凛と同じくらいの歳の時にある体験をした。
それは、夏の暑い日のこと。
いつものように祖母とともに山に山菜を採りに行った帰り道、祖母が急に心臓あたりを押さえながら地面に倒れた。
「え……おばあちゃん…」
あまりに急のことだったので俺は、誰かに助けを求めることが出来ずしばらくその場に棒立ちしていた。
しばらくして、我に帰った俺は急いで家に戻り祖父と両親に祖母が倒れたことを伝え、祖父らと共に倒れている祖母の元へと向かった。
…しかし、祖父らと共に戻った時にはもうすでに祖母は、息を引き取っていた。
俺は、もっと早くに知らせなかった自分を憎んだが、そんな俺に対して祖父や両親は「慎は、何も悪くない。だから、そんなに自分を責めないでくれ」と言った。
それからが数日経って、祖母の葬式が行われた。葬式には、親戚は勿論のこと近所の人たちや町長も参列した。
小さな田舎町と言うこともあってか、祖母のことは町民全員が知っている。
俺は、葬式の間ずっと泣いていた。
昔から、おばあちゃんっ子だった俺にとって祖母が亡くなったのは精神的に辛かったのだ。
小学校を卒業して、中学高校とどんどん将来のことを考えた時に脳裏にある言葉がよぎった。
「慎は、自分がしたい事をすれば良いんだよ。私は、慎がしたい事ならなんでも応援するからねぇ。」
…それは、生前祖母がよく俺に言っていた言葉だった。
基本的にマイペースだった祖母だが、たった一人の孫である俺の将来についてはいつも真剣だった。
そんな事があったので、俺は高校卒業後東京の大学に行く事を決めた。
…まぁ、本当のことを言うと、他にも秋葉原やら池袋やらのオタク的聖地に行きたかったのもあるがな。
で今年は、そんな祖母が亡くなってから17年になる。
(…みんな、元気にしてるかなぁ。)
と、実家に帰省するのが少し楽しみになった今日この頃であった。
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