オタクとロリ

マッチ棒

第40話〜混浴〜

「ねぇ、慎。入っても…いい?」

「あ、あぁ。いいぞ。」

一泊二日の鎌倉旅行1日目の夜。

俺は、花凛と一緒に旅館の部屋の中にある小さな露天風呂で心と体を癒していた。(変な意味ではない。)

勿論、風呂なのでタオル的なものはなくお互いに素っ裸だ。

きっと、アニメとかだったら不自然な煙やらで大事な所が隠れているはず!などと、くだらないことを考えながら理性を保っていた。

(……だって、考えてみろ?目の前に素っ裸の幼女がいるんだぞ?もし、理性なんかが保てなくなったら襲いかねない。)

「なぁ、花凛。」

俺が花凛に尋ねると、花凛は少し照れながら「な、なぁに?慎。」と言った。

「今日、楽しかったか?」

率直にそう思ったので聞いてみた。

「…うん。楽しかったよ。聖地巡礼を慎と一緒にできて。」

………。

(…やばい。かわいい。このまま、抱きしめたい。)

と、いう思いを抑えて俺は「そうか。なら、良かった。」と答えた。

もしも、「ううん。楽しくなかった。」なんて言われていたら、このまま長谷にある鎌倉大仏から飛び降りていたところだ。

それから、15分ほど露天風呂で日頃の疲れを癒し部屋に戻って夕飯を食べた。

「この料理に使われているものは、全てこの土地で取れたものなのよ。」

夕飯を運んできた女将さんにそう言われながら、二人で豪華な料理をいただく。

「!慎、このしいたけおいしい。」

「あぁ!こっちの魚もうまいぞ!」

俺と花凛は、普段家で絶対食べないような料理を腹いっぱいに食べた。

そして、修学旅行の時以来の和室での就寝。

「慎、旅行に誘ってくれてありがとう。」

いつもより、少し早めに布団に入り5分ほど経ったところで花凛がそう言った。

「わたし、慎と二人で旅行に来れて本当に楽しかった。」

「そうか。…実は、俺もなんだ。」

「…え!そうなの?」

「あぁ。花凛が、いなかったら鎌倉なんて来てなかったからな。」

「えへへ。そうなんだ。」

(…本当、和室って不思議だよなぁ。夜、横になって誰かと話すと自分の素直な気持ちが出てくる。)
二人は、結局いつも寝る時間まで話したので寝た時間は変わらなかった。

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