第35話〜友人〜

花凛が、学校に通い始めて一週間が経った土曜日の昼下がり。

「ねぇ、慎。明日、家に友達連れてきても良い？」

リビングで話題の声優育成ゲームをしていた俺に花凛はそう言った。

「……友達？」

俺が聞き返すと、「そうだよ。仲の良い真衣ちゃん。」と花凛はその友人について話し始めた。

真衣ちゃん…フルネームは才原真衣(さいはらまい)と言うらしい。クラスで唯一のオタクらしく花凛ともすぐ仲良くなったと言う。

(それにしても、友達か…)

俺は、時の流れを早く感じていた。つい１ヶ月前に出会った時は、夜の公園で1人ポツンといたのにもう、友達ができた。と、いう事に驚いていたのだ。

(…子供の成長はすごいなぁ)

多分、親はこんな気持ちなんだろう。そう思ったのだった。

次の日。

「お邪魔します。」

俺と花凛が昼食を済ませた午後1時過ぎ、件の友人・才原真衣はやって来た。

礼儀正しく、玄関で挨拶し「つまらないものですが。」と、手土産に某有名メーカーの饅頭を渡してきた眼鏡をかけたお嬢様系幼女。

(…なんと、かわいい幼女なんだ)

すると、「じゃあ、何して遊ぶ？」と早速幼女2人はリビングに向かいそう言った。

俺は、その微笑ましい様子をスマホをいじりながら見ていた。

(本当、かわいいなぁ。)

コメントを書く

第35話〜友人〜

コメント

「恋愛」の人気作品

書籍化作品