オタクとロリ
第21話〜発見〜
「ただいま」
そう言って、玄関扉を開ける。
少し前の俺だったら、そのままベッドにダイブしていたところだが、今は花凛がいるのでちゃんとスーツを脱ぎ部屋着に着替えてから夕飯を食べる。
(…あれ?おかしいなぁ)
と、靴を脱いだところで俺は違和感を感じた。
いつもなら、「おかえり」と言いながらこちらに来るはずの花凛が今日は来ない。
(……寝てるのか?)
そう思い、寝室を覗く。…が、ベッドには誰も寝ていなかった。
(…リビングか?)
気になって、リビングを探してみる。
すると、テレビの前で薄い本を広げぽかんとしている花凛を見つけた。
「おい!花凛、大丈夫か?」
俺は、すぐさま声をかける。
しかし、返事はない。
「おい!おいってば。」
「……。は!あ、お、お、おかえり慎」
二回目でようやく気づき返事した。
(…でもなんで、そんなにぎこちないんだ?)
気になったので、聞いてみた。
すると……
「べ、べ、別に慌ててなんかないよ?」
と、顔を真っ赤にしながら花凛は答えた。
(……。本当に、どうしたんだ?)
と、ここでようやく気付いた。
あれ?床に落ちている本って……
急いで、本を拾い上げ表紙を見る。
『幼女図鑑X』
そう、表紙には書かれていた。
(………これは、まさか……。)
その瞬間、俺のオタクとしての,男としてのプライドが破壊された。
『幼女図鑑X』…今から五年前、例の祭りで俺が買った成人向けの同人誌。当時、好きだったイラストレーターが参加していたというのもあってついつい買ってしまった代物だ。内容としては、個性豊かな幼女たちが様々なイラストレーターによって描かれたイラストと共に紹介されている、言わばロリ百科事典のようなものだ。
…でもまぁ、五年経って幼女にその存在が見つかってしまうとは……
「……それで、花凛。中身見たのか?」
恐る恐る聞いてみる。
すると、花凛はゆっくりと首を縦に振った。
(……やべー、真面目に終わった。)
内容が内容なので、言い訳などできない。
しかし、あっさりと認めてしまうとその後が不安だ。
(……どうする…)
ちなみに、この家にはそんな感じの同人誌がまだ何冊か残っている。
勿論、本当に大切な本は俺しか知らないような場所に隠してあるが。
……それでも、だいぶまずい状況だ。
もしこれのせいで、花凛が家出をしてしまっては振り出しに戻ってしまう。
なので、俺は慎重に花凛の様子を伺う。
「……あのー…花凛さん?」
すると、花凛は頬を赤らめながら呟く。
「……ま、慎は、あぁいうのがす、好きなの?」
(これは…どう答えればいいのだろうか。)
変に認めてしまうと、地雷を踏む可能性がある。かと言って、言い訳をすれば余計に話が拗れる可能性がある。
(…ここは、一か八か…)
「なぁ、花凛」
「……ん?な、なぁに?」
「花凛は、こういう本を持っている俺をどう思うんだ?」
こんな自分をどう思うか、聞いてみることにした。
花凛は、数秒俯いてから答えた。
「わ、わたしは別に嫌いではないけど…ただ…」
「ただ?」
(「…二次元にばかりエロを求めないで、わたしのことも見てって思っただけ…」)
「…え?よく聞こえなかったけど」
「……!な、なんでもないよ。」
「…そ、そうか…えーと、ごめん。今度からは、別のところにしまっておくよ。」
「…そ、そうしてよね。」
一応、丸く治ったのか?
………本当、今度からは花凛が見そうなところには同人誌を置いておくのはやめよう…
教育上、よろしくないからな。
          
そう言って、玄関扉を開ける。
少し前の俺だったら、そのままベッドにダイブしていたところだが、今は花凛がいるのでちゃんとスーツを脱ぎ部屋着に着替えてから夕飯を食べる。
(…あれ?おかしいなぁ)
と、靴を脱いだところで俺は違和感を感じた。
いつもなら、「おかえり」と言いながらこちらに来るはずの花凛が今日は来ない。
(……寝てるのか?)
そう思い、寝室を覗く。…が、ベッドには誰も寝ていなかった。
(…リビングか?)
気になって、リビングを探してみる。
すると、テレビの前で薄い本を広げぽかんとしている花凛を見つけた。
「おい!花凛、大丈夫か?」
俺は、すぐさま声をかける。
しかし、返事はない。
「おい!おいってば。」
「……。は!あ、お、お、おかえり慎」
二回目でようやく気づき返事した。
(…でもなんで、そんなにぎこちないんだ?)
気になったので、聞いてみた。
すると……
「べ、べ、別に慌ててなんかないよ?」
と、顔を真っ赤にしながら花凛は答えた。
(……。本当に、どうしたんだ?)
と、ここでようやく気付いた。
あれ?床に落ちている本って……
急いで、本を拾い上げ表紙を見る。
『幼女図鑑X』
そう、表紙には書かれていた。
(………これは、まさか……。)
その瞬間、俺のオタクとしての,男としてのプライドが破壊された。
『幼女図鑑X』…今から五年前、例の祭りで俺が買った成人向けの同人誌。当時、好きだったイラストレーターが参加していたというのもあってついつい買ってしまった代物だ。内容としては、個性豊かな幼女たちが様々なイラストレーターによって描かれたイラストと共に紹介されている、言わばロリ百科事典のようなものだ。
…でもまぁ、五年経って幼女にその存在が見つかってしまうとは……
「……それで、花凛。中身見たのか?」
恐る恐る聞いてみる。
すると、花凛はゆっくりと首を縦に振った。
(……やべー、真面目に終わった。)
内容が内容なので、言い訳などできない。
しかし、あっさりと認めてしまうとその後が不安だ。
(……どうする…)
ちなみに、この家にはそんな感じの同人誌がまだ何冊か残っている。
勿論、本当に大切な本は俺しか知らないような場所に隠してあるが。
……それでも、だいぶまずい状況だ。
もしこれのせいで、花凛が家出をしてしまっては振り出しに戻ってしまう。
なので、俺は慎重に花凛の様子を伺う。
「……あのー…花凛さん?」
すると、花凛は頬を赤らめながら呟く。
「……ま、慎は、あぁいうのがす、好きなの?」
(これは…どう答えればいいのだろうか。)
変に認めてしまうと、地雷を踏む可能性がある。かと言って、言い訳をすれば余計に話が拗れる可能性がある。
(…ここは、一か八か…)
「なぁ、花凛」
「……ん?な、なぁに?」
「花凛は、こういう本を持っている俺をどう思うんだ?」
こんな自分をどう思うか、聞いてみることにした。
花凛は、数秒俯いてから答えた。
「わ、わたしは別に嫌いではないけど…ただ…」
「ただ?」
(「…二次元にばかりエロを求めないで、わたしのことも見てって思っただけ…」)
「…え?よく聞こえなかったけど」
「……!な、なんでもないよ。」
「…そ、そうか…えーと、ごめん。今度からは、別のところにしまっておくよ。」
「…そ、そうしてよね。」
一応、丸く治ったのか?
………本当、今度からは花凛が見そうなところには同人誌を置いておくのはやめよう…
教育上、よろしくないからな。
          
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