オタクとロリ

マッチ棒

第1話〜出会い〜

俺とロリの出会いは、少し蒸し暑い夏の夜のことだった。

その日俺は、いつものように一時間ほど残業し帰路についた。
満員電車で自宅のある最寄り駅まで行き、そこから歩いて十五分。

駅から歩き自宅まであと五分というところで俺は、あることに気付いた。

「あ、やべー。夕飯買い忘れた。」

俺は、夕飯を買っていないことに気づいた。
自炊をしない俺の毎日の夕飯は、惣菜とレンジで温めるタイプの白米。
それを毎回、仕事帰りに駅前のスーパーで買っている。

なのにその日は、いつもよりも疲れているということのあって買っていないのを忘れていた。

「戻って買いに行くか?いや、でもなぁ。」

蒸し暑い夏の夜に、さらに十分以上歩くのは、精神的にも肉体的にも堪える。

「冷蔵庫になんかあったけなぁ」

買いに行くのはやめて、冷蔵庫にあるものに決めた。

(無かったら諦めよう。)

それから、自宅の目の前まで来たところであるものを見つけた。

(なんで、こんな時間に1人で?)

俺が見つけたのは、夜の公園に1人でいた女の子だ。

(どこかに親はいないのか?)

近くに親がいないか探してみたが、それらしき人は見当たらない。

(まいったなぁ。)

見て見ぬ振りをするにしても、このご時世だ。
幼女好きの変態にでも、見つかったら大変なことになる。

かと言って、俺が話しかけるのもなぁ。
それこそ、変態扱いされてしまう。

(どうしたものか…)

でもなぁ、あの子が誘拐されるよりは俺が変態扱いされる方がまだいいか。
よし、声をかけよう。

そして、俺は、恐る恐る女の子に近づき声をかけた。

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