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隣の席の山中くんは男の娘!?

マッチ棒

第14話

「やぁやぁ、よく来てくれたね。まぁ、適当に座ってくれたまえ」


部室に入るなり、正面のパソコンが乗ったテーブルの前に座っている眼鏡をかけた女子生徒は俺たちにそう言った。


彼女の名前は、野上ゆりさん。俺たちの一つ上で、学校には来ているものの授業には出席せず一日中この文芸部室で何やら創作活動をしているらしい。
ゆりさんとの出会いは、今から一年前の春半ば。つまり、俺たちが入学してからすぐだ。



「やぁ、そこの君!文芸部に興味はないかね?」

「はい?俺…ですか?」


高校に入って友達を作る気はなかった俺は、入学してから数週間ほど経っていたある日の下校時、昇降口で靴を履き替えていると背後から声をかけられた。

振り返ると、そこには自分よりも少し背の低い眼鏡をかけた女子生徒の姿が。


「え、えーと…あなたは?」


訳がわからず思わず名前を尋ねてみると、目の前にいる先輩と思しき女子生徒は(あまり大きくない)胸を張りながら自己紹介を始めた。


「私の名前は、野上ゆり。今学期から3年で、この学校で唯一の文芸部員よ!」


自信満々にはっきりとそう言った。



(なるほど…わかった。つまり、この人---------野上先輩は、部員が他にいない部に俺を勧誘しに来たと言うことか。)

でもなんでわざわざ俺なんかを?

毎日一人でいるから目をつけられたのか?

だとしたら失礼だな。この人。



俺は、好きで一人になっているのだからわざわざ部活なんぞに入る気にはない。と、言うことで--------------------------------------------


「ごめんなさい。俺は放課後は一人で過ごしたいので、部活には入れません。」


俺は、キッパリと入部を断った。

すると、彼女は「え?何のこと?」と言いながら俺の目を見る。


「……え?えーと…部活の勧誘じゃないんですか?」


思いがけないリアクションに戸惑いながらも聞き返してみると、彼女は恥ずかしそうに頬を赤らめながら

「ち、違うわよ!え、えーと……実は、君に私の小説のモデルになってもらいたくて……」

と、言った。




それからは、毎日のように昼休みになると部室に顔を出し、先輩の創作のモデルに---------モデルと言っても、ただ単にお互い最近あったことを話すくらいだが---------なった。


だが、2年に上がる少し前にゆりさんの---------俺をモデルにしていたという---------小説が完成したのでそれからは、顔を出さなくなった。

で、今朝昇降口で山中と上履きを履いている時に「放課後、山中くんと一緒に部室に来るように」と、言われたので今に至るわけだ。

(でもなんで、山中も一緒なんだ?全く持ってわからない)





ゆりさんに言われた通り、部室の真ん中に堂々とおいてある折りたたみ式の長テーブルとセットになっているパイプ椅子に腰を下ろすと、俺たちに彼女は言った。


「悪いんだけど、二人とも私の漫画のモデルになってくれないかな?」







つづく










          

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