ループしますか、不老長寿になりますか?
014 いざ、王都へ
わたくしがスコッチ様のところにやってきてから、約一年経ちました。
その間、トロティー様は三ヶ月おきにいらっしゃいますし、その度にわたくしが調合した薬をお渡ししているおかげか、トロティー様のお母様の具合は良くなってきているとのことです。
良かったですわ。
そして、今までにないパターンなのですが、バレル様が頻繁にいらっしゃるようになっているということです。
その度に、珍しい調味料や香辛料を持ってきて下さったり、森の狩りに付き合って下さったりして下さいます。
罠の回収も手伝ってくださいますし、本当に助かりますわ。
川に仕掛けた魚を取るための罠を回収する際なんて、わたくしが濡れたら可哀そうだからと、毎回率先して回収してくださいますのよ。
本当にいい方ですわね。
わたくしを見てくる時、たまに熱い視線を感じますが、わたくしは敢えて気が付かない振りをしております。
スコッチ様には、意地が悪いと言われておりますが、あと四年しかないのですから、中途半端にお付き合いなどしてはバレル様に失礼という物ですわよね。
もしお付き合いするのなら、わたくしがこのループから抜け出した後になるのではないでしょうか。
「モカ、綺麗な花が咲いていた。お前に似合いそうだと思って摘んできたぞ」
「まあ、ありがとうございます。綺麗な赤いガーベラですわね。ふふ、バレル様の瞳の色に少しだけ似ていますわ」
「そ、そうか?」
「ええ」
こんなやり取りが何度もありました。
シェインク様とはこんな事ございませんでしたのに、不思議なものですわね。
「わたくし、好きですわ」
「え!」
「バレル様の瞳の色、とってもお綺麗ですもの」
「モカの瞳だって美しいぞ!」
「ありがとうございます」
シェインク様とは、あまりにも似た色を持っていたため、こんなことを言い合うこともありませんでしたわね。
「モカ、なにか不自由な事はないか?」
「おかげさまで充実した生活を送らせていただいておりますわ」
公爵令嬢だったわたくしに、シェインク様がこんな質問を投げかけることも、ございませんでした。
今思い返しても、本当にわたくしとシェインク様の婚約は形だけの物でしたのね。
もしかして、ストロベリー様とシェインク様にもこんな甘い時間が流れているのかもしれませんわね。
でも、その時間はそう長くは続きませんわよ。
「モカ? どうかしたのか?」
「いいえ、バレル様。そうそう、わたくし今度バルサミコ王国の王都に行こうと思いますの。よろしければご一緒してくださいますか?」
「もちろんだ! と言いたいが大丈夫なのか? モカは王都が嫌で出てきたのだろう?」
「ええ、けれどもシェインク様とストロベリー様が正式に婚約なさったと聞きましたので、元婚約者として、ささやかながらお祝いをしたいと思いますの」
わたくしは婉然と微笑みます。
「お祝い?」
「ええ、ストロベリー様の望む形でのお祝いですけれどもね」
悪役をご期待でしたので、その期待に応えなくてはいけませんわよね。
「何か無茶なことを要求されたのか?」
「いいえ、ささやかな事ですわよ。本当に、ささやかな事ですわ」
そう言って微笑んだわたくしは、上手く笑えていましたでしょうか?
バレル様が心配そうに私の方を見ていらっしゃいます。
「本当に大丈夫なんだな?」
「ええ、本当に大丈夫ですわ。まあ、この髪は目立ちますので。王都に入るときは色を変えますけれどもね。バレル様が育てている冒険者見習いだということで王都に入ろうと思いますの」
「なるほど、それなら検問も容易く抜けられるだろうな」
「ええ」
利用するような形になってしまいますが、許してくださいませね。
そうして、この日の夜、バレル様が帰った後、わたくしは一通の手紙をしたためました。
『拝啓 ヒート=ブレス様
貴方様から見ればわたくしは見たこともないただの小娘かもしれませんが、わたくしは、貴方様を良く存じ上げております。
信じて下さらないかもしれませんが、わたくしは、十五歳から二十歳の間の人生を何度もループしておりまして、その中の幾度かを貴方様の下で働かせていただいておりました。
貴方様からお教えいただいた闇社会事情は今も胸に残っております。
ところで、ヒート様、胸のご病気の具合はいかがでしょうか? 見知らぬ小娘の調合した薬など、怪しくて飲まないと仰るかもしれませんが、騙されたと思って、どうぞお飲みくださいませ、一時ではありますが、胸のご病気の具合がよくなりますわ。
わたくしは、貴方様が経営している宿屋、『メリカーノ』に宿泊しておりますので、もしこの手紙に興味をお持ちになられたら、わたくしをお訪ねいただけないでしょうか?
いつまでも待っているというわけには参りませんので、この手紙が届いてから二週間の間、お待ちしております。
親愛なるモカより』
手紙を書き終えると、わたくしはヒート様が好んでいた花の香りを手紙に染みこませ、封筒にしまいます。
「ヒート様もお兄様のようにループの記憶があればいいのだけれども、そんな都合のいいことがあるはずがありませんわよね」
自嘲気味に笑うと、スコッチ様に一週間後バルサミコ王国の王都に行くことを告げに、一階の作業部屋に向かいます。
「スコッチ様、今よろしいですか?」
「ん? どうかしたか?」
「実は、バレル様にはもう伝えたのですが、一週間後に一度、バルサミコ王国の王都に行こうと思っておりますの、向こうでの滞在は短くても二週間ほどを予定しておりますわ。わたくしがいない間、牛と鶏の世話をお願いしてもよろしいでしょうか?」
勝手な申し出ですので、断られるかもしれません。
「構わないぞ」
「……本当ですか?」
「ああ、何かしなければいけないことがあるのだろう? 顔にそう書いてある。牛や鶏の世話も存外楽しいものだと、お前に教えて貰ったからな、思う存分やってこい」
「……はい」
やはり、スコッチ様には敵いませんわね。全てお見通しですのね。
「上手く事が進みましたら、出来るだけ早く帰ってまいりますわ」
そう言ったわたくしに、スコッチ様は待っているとは仰ってはくれませんでした。
来るもの拒まず、去る者追わず。それがスコッチ様の生き方なのは理解しておりますが、少しは「待っている」と言って欲しいものですわね。
「好きにすればいい」
「ええ」
わたくしはそう答えると、部屋に戻りました。
家具は、このまま残していきましょう。わたくしがここに帰って来るのだという意思表示ですわ。
だって、ここは私にとって実家のような所なんですもの。
キャラメル公爵家よりずっと、こちらの方がいいですわ。お兄様にはもうしわけないですけれども、過ごした年月の差という物なのでしょうかね。
トロティー様のお母様へのお薬は、一年分既に調合を終えておりますし、まとめて渡してもらうよう、スコッチ様にお願いしておけば大丈夫でしょう。
一週間後、わたくしはバレル様と一緒に馬に乗り、バルサミコ王国の王都を目指しましました。
「モカ、疲れてないか?」
「大丈夫ですわ、バレル様」
「そうかならいいのだが、予定より早く到着できそうだし、無理はしなくていいからな」
「ありがとうございます」
休憩時間、バレル様が心配そうにわたくしに仰ってきましたので、微笑みを浮かべて大丈夫だと答えたのですが、少し緊張しているのを見透かされているのかもしれませんわね。
ヒート様、わたくしを受け入れてくださいますでしょうか?
もし受け入れて下さらない場合、また闇
社会に下積みから始めなければいけませんわね。
その場合、間に合いますかしら?
一週間も掛からずに王都に到着することが出来たのは、バレル様が準備してくださった馬が優秀だったおかげでしょう。
「ようバレル、王都に来るのは久しぶりだな」
「ああ、最近は隣国との境目あたりで活動してたからな」
「そっちの娘は? もしかしてお前の嫁か?」
「ばっ、ちげーよ。こいつは俺の弟子! 冒険者見習いってやつだよ」
「あーなるほどな。そうか、お前もついに育成側に回る決心を付けたってことか」
「誰でも彼でもって訳じゃねーからな!」
「わかってるって。で、そっちの嬢ちゃん、名前は?」
関所の門番に名前を聞かれ、わたくしは怪しまれない様に笑みを浮かべて「モカ=マティです」と答えました。
門番は特に怪しむこともなく、わたくしは無事に王都に入ることが出来たのです。
「ありがとうございます、バレル様。おかげですんなりと王都に入ることが出来ましたわ」
「どうということはない。それにしても、宿屋だが、本当に『メリカーノ』でいいのか? あそこら辺は治安も悪い。もっといい宿があるだろう」
「いいえ、『メリカーノ』でいいのですわ。バレル様、いままでお付き合いいただきありがとうございました」
わたくしがそう言って頭を下げると、バレル様はその頭に手を乗せて優しく撫でてくださいました。
「何かあったら俺の名前を呼べ。どこに居ても必ず駆けつけるから」
「……はい」
「これを持っていろ、お守りのような物だ」
そう言って渡されたのは、バレル様の瞳と同じ色の宝石がはめ込まれたピアスでした。
「ありがたくいただきますわ。よろしければ付けてくださいますか?」
「いいのか?」
「ええ」
わたくしは今付けているピアスを外して、収納ボックスに仕舞うと、目を閉じて、つけてくれるのを待ちます。
耳のピアス穴に慎重にピアスが差し込まれる感触があり、両耳に無事に装着出来たことを感覚で感じて目を開けると、すぐ目の前にバレル様の顔がありました。
どくり、と心臓が高ぶってしまいました。
「上手く付けられたな。俺はしばらくこの王都に留まる。近くにいるから安心しろ」
「はい、ありがとうございます」
といっても、わたくしが今からしようとしていることにバレル様を巻き込むのはお門違いという物ですわよね。
助けを求めるなんてこと、あり得ませんわ。
その間、トロティー様は三ヶ月おきにいらっしゃいますし、その度にわたくしが調合した薬をお渡ししているおかげか、トロティー様のお母様の具合は良くなってきているとのことです。
良かったですわ。
そして、今までにないパターンなのですが、バレル様が頻繁にいらっしゃるようになっているということです。
その度に、珍しい調味料や香辛料を持ってきて下さったり、森の狩りに付き合って下さったりして下さいます。
罠の回収も手伝ってくださいますし、本当に助かりますわ。
川に仕掛けた魚を取るための罠を回収する際なんて、わたくしが濡れたら可哀そうだからと、毎回率先して回収してくださいますのよ。
本当にいい方ですわね。
わたくしを見てくる時、たまに熱い視線を感じますが、わたくしは敢えて気が付かない振りをしております。
スコッチ様には、意地が悪いと言われておりますが、あと四年しかないのですから、中途半端にお付き合いなどしてはバレル様に失礼という物ですわよね。
もしお付き合いするのなら、わたくしがこのループから抜け出した後になるのではないでしょうか。
「モカ、綺麗な花が咲いていた。お前に似合いそうだと思って摘んできたぞ」
「まあ、ありがとうございます。綺麗な赤いガーベラですわね。ふふ、バレル様の瞳の色に少しだけ似ていますわ」
「そ、そうか?」
「ええ」
こんなやり取りが何度もありました。
シェインク様とはこんな事ございませんでしたのに、不思議なものですわね。
「わたくし、好きですわ」
「え!」
「バレル様の瞳の色、とってもお綺麗ですもの」
「モカの瞳だって美しいぞ!」
「ありがとうございます」
シェインク様とは、あまりにも似た色を持っていたため、こんなことを言い合うこともありませんでしたわね。
「モカ、なにか不自由な事はないか?」
「おかげさまで充実した生活を送らせていただいておりますわ」
公爵令嬢だったわたくしに、シェインク様がこんな質問を投げかけることも、ございませんでした。
今思い返しても、本当にわたくしとシェインク様の婚約は形だけの物でしたのね。
もしかして、ストロベリー様とシェインク様にもこんな甘い時間が流れているのかもしれませんわね。
でも、その時間はそう長くは続きませんわよ。
「モカ? どうかしたのか?」
「いいえ、バレル様。そうそう、わたくし今度バルサミコ王国の王都に行こうと思いますの。よろしければご一緒してくださいますか?」
「もちろんだ! と言いたいが大丈夫なのか? モカは王都が嫌で出てきたのだろう?」
「ええ、けれどもシェインク様とストロベリー様が正式に婚約なさったと聞きましたので、元婚約者として、ささやかながらお祝いをしたいと思いますの」
わたくしは婉然と微笑みます。
「お祝い?」
「ええ、ストロベリー様の望む形でのお祝いですけれどもね」
悪役をご期待でしたので、その期待に応えなくてはいけませんわよね。
「何か無茶なことを要求されたのか?」
「いいえ、ささやかな事ですわよ。本当に、ささやかな事ですわ」
そう言って微笑んだわたくしは、上手く笑えていましたでしょうか?
バレル様が心配そうに私の方を見ていらっしゃいます。
「本当に大丈夫なんだな?」
「ええ、本当に大丈夫ですわ。まあ、この髪は目立ちますので。王都に入るときは色を変えますけれどもね。バレル様が育てている冒険者見習いだということで王都に入ろうと思いますの」
「なるほど、それなら検問も容易く抜けられるだろうな」
「ええ」
利用するような形になってしまいますが、許してくださいませね。
そうして、この日の夜、バレル様が帰った後、わたくしは一通の手紙をしたためました。
『拝啓 ヒート=ブレス様
貴方様から見ればわたくしは見たこともないただの小娘かもしれませんが、わたくしは、貴方様を良く存じ上げております。
信じて下さらないかもしれませんが、わたくしは、十五歳から二十歳の間の人生を何度もループしておりまして、その中の幾度かを貴方様の下で働かせていただいておりました。
貴方様からお教えいただいた闇社会事情は今も胸に残っております。
ところで、ヒート様、胸のご病気の具合はいかがでしょうか? 見知らぬ小娘の調合した薬など、怪しくて飲まないと仰るかもしれませんが、騙されたと思って、どうぞお飲みくださいませ、一時ではありますが、胸のご病気の具合がよくなりますわ。
わたくしは、貴方様が経営している宿屋、『メリカーノ』に宿泊しておりますので、もしこの手紙に興味をお持ちになられたら、わたくしをお訪ねいただけないでしょうか?
いつまでも待っているというわけには参りませんので、この手紙が届いてから二週間の間、お待ちしております。
親愛なるモカより』
手紙を書き終えると、わたくしはヒート様が好んでいた花の香りを手紙に染みこませ、封筒にしまいます。
「ヒート様もお兄様のようにループの記憶があればいいのだけれども、そんな都合のいいことがあるはずがありませんわよね」
自嘲気味に笑うと、スコッチ様に一週間後バルサミコ王国の王都に行くことを告げに、一階の作業部屋に向かいます。
「スコッチ様、今よろしいですか?」
「ん? どうかしたか?」
「実は、バレル様にはもう伝えたのですが、一週間後に一度、バルサミコ王国の王都に行こうと思っておりますの、向こうでの滞在は短くても二週間ほどを予定しておりますわ。わたくしがいない間、牛と鶏の世話をお願いしてもよろしいでしょうか?」
勝手な申し出ですので、断られるかもしれません。
「構わないぞ」
「……本当ですか?」
「ああ、何かしなければいけないことがあるのだろう? 顔にそう書いてある。牛や鶏の世話も存外楽しいものだと、お前に教えて貰ったからな、思う存分やってこい」
「……はい」
やはり、スコッチ様には敵いませんわね。全てお見通しですのね。
「上手く事が進みましたら、出来るだけ早く帰ってまいりますわ」
そう言ったわたくしに、スコッチ様は待っているとは仰ってはくれませんでした。
来るもの拒まず、去る者追わず。それがスコッチ様の生き方なのは理解しておりますが、少しは「待っている」と言って欲しいものですわね。
「好きにすればいい」
「ええ」
わたくしはそう答えると、部屋に戻りました。
家具は、このまま残していきましょう。わたくしがここに帰って来るのだという意思表示ですわ。
だって、ここは私にとって実家のような所なんですもの。
キャラメル公爵家よりずっと、こちらの方がいいですわ。お兄様にはもうしわけないですけれども、過ごした年月の差という物なのでしょうかね。
トロティー様のお母様へのお薬は、一年分既に調合を終えておりますし、まとめて渡してもらうよう、スコッチ様にお願いしておけば大丈夫でしょう。
一週間後、わたくしはバレル様と一緒に馬に乗り、バルサミコ王国の王都を目指しましました。
「モカ、疲れてないか?」
「大丈夫ですわ、バレル様」
「そうかならいいのだが、予定より早く到着できそうだし、無理はしなくていいからな」
「ありがとうございます」
休憩時間、バレル様が心配そうにわたくしに仰ってきましたので、微笑みを浮かべて大丈夫だと答えたのですが、少し緊張しているのを見透かされているのかもしれませんわね。
ヒート様、わたくしを受け入れてくださいますでしょうか?
もし受け入れて下さらない場合、また闇
社会に下積みから始めなければいけませんわね。
その場合、間に合いますかしら?
一週間も掛からずに王都に到着することが出来たのは、バレル様が準備してくださった馬が優秀だったおかげでしょう。
「ようバレル、王都に来るのは久しぶりだな」
「ああ、最近は隣国との境目あたりで活動してたからな」
「そっちの娘は? もしかしてお前の嫁か?」
「ばっ、ちげーよ。こいつは俺の弟子! 冒険者見習いってやつだよ」
「あーなるほどな。そうか、お前もついに育成側に回る決心を付けたってことか」
「誰でも彼でもって訳じゃねーからな!」
「わかってるって。で、そっちの嬢ちゃん、名前は?」
関所の門番に名前を聞かれ、わたくしは怪しまれない様に笑みを浮かべて「モカ=マティです」と答えました。
門番は特に怪しむこともなく、わたくしは無事に王都に入ることが出来たのです。
「ありがとうございます、バレル様。おかげですんなりと王都に入ることが出来ましたわ」
「どうということはない。それにしても、宿屋だが、本当に『メリカーノ』でいいのか? あそこら辺は治安も悪い。もっといい宿があるだろう」
「いいえ、『メリカーノ』でいいのですわ。バレル様、いままでお付き合いいただきありがとうございました」
わたくしがそう言って頭を下げると、バレル様はその頭に手を乗せて優しく撫でてくださいました。
「何かあったら俺の名前を呼べ。どこに居ても必ず駆けつけるから」
「……はい」
「これを持っていろ、お守りのような物だ」
そう言って渡されたのは、バレル様の瞳と同じ色の宝石がはめ込まれたピアスでした。
「ありがたくいただきますわ。よろしければ付けてくださいますか?」
「いいのか?」
「ええ」
わたくしは今付けているピアスを外して、収納ボックスに仕舞うと、目を閉じて、つけてくれるのを待ちます。
耳のピアス穴に慎重にピアスが差し込まれる感触があり、両耳に無事に装着出来たことを感覚で感じて目を開けると、すぐ目の前にバレル様の顔がありました。
どくり、と心臓が高ぶってしまいました。
「上手く付けられたな。俺はしばらくこの王都に留まる。近くにいるから安心しろ」
「はい、ありがとうございます」
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