ループしますか、不老長寿になりますか?
008
翌朝、快適な目覚めの後、顔を洗いに一階に降りようとして、一階の片づけがまだ終わっていないことを思い出し、少しゲンナリしてしまったのは内緒です。
洗面台、ものすごく汚いんですよ。カビとか、水垢とかこびりついていて、洗浄魔法で綺麗にすれば一発で解決するのですが、やはり見るのは嫌なものなのです。
スコッチ様の魔法のおかげか、虫が入り込むことはないようなのですけれどもね。
一種の結界のようなものでしょうか。
まあ虫が入り込んで、せっかく乾燥させた薬草などを食い散らかされても困りますものね。
古い本もございますし、虫に食われたりしたら大変ですわ。
もしかして、ループした人生の中で一度も入ることが許されなかったスコッチ様の寝室に、魔族と契約する方法が記された書物があるのかもしれませんわね。
一度だけ、ちらりと中を見ましたが、スコッチ様はご自分の寝室だけは綺麗に整頓されておりましたわ。
といいますか、寝るだけですので、ベッド以外使っていないのかもしれませんわね。
洗面台に行きますと、案の定、鏡は曇っていて見えませんし、洗面台は水垢とカビで何が何だか、というか使いたくない状態ですわね。
スコッチ様、よくこんな洗面台を使ってますわね。
とりあえず、洗浄魔法で綺麗にしてから水を出して、歯を磨きます。次に、水桶に水を張って、火魔法を使ってその水を温めていきます。
適温になったところで、そのぬるま湯を手で掬い、顔を軽く濡らし、家から持ってきた石鹸を泡立てていきます。泡立てには風で振動を起こして泡立てていきますのよ。きめ細やかな泡になったところで、手のひら一杯になった泡を顔に付けていきます。
直接手でこすらない様に泡でマッサージするように手を動かしていきます。顔全体をそのように洗い終えたところで、水桶に貯めておいたぬるま湯で、泡を洗い流していきます。
持って来たタオルで顔の水分をこすらないように吸い取って、ふう、と一息つきます。
公爵令嬢であった時は、侍女がしてくれていたのですが、今は自分でしなければいけませんものね。
まあ、こういうことが出来るだけましな生活と言うところでしょうか。盗賊や冒険者をしていた時など、こんなことできませんでしたものね。
そのまま化粧水を手のひらにとり、手の温度で温めてから、顔の中心から外側に向かって化粧水を広げていきます。
ぽんぽん、と肌を軽く叩いて化粧水を馴染ませて、最後にハンドプレスをして掌がほっぺたに吸い付くようになったところで、乳液で保湿をしていきます。
今は乳液を使っていますが、折角スコッチ様の所に来たのですから、紫外線もカットできる効果のあるクリームを開発してしまいましょう。その方が化粧下地にもなって簡単ですし。
乳液が肌に馴染んだところで、ティッシュで余分な油分を吸い取ります。
スコッチ様は派手な化粧はお嫌いですし、わたくしも面倒ですので、軽く白粉を乗せる程度にしておきます。
最後に唇に保湿クリームを塗って朝の準備は完了です。
次に、台所に向かいましたが、ここもすごい惨状になっていました。
スコッチ様は食べられればいいと考える方ですので、研究に没頭しているときなどは茹でた芋に塩をかけて食べる、なんてことも多々あるんですのよ。
野菜などは薬草も育てている家庭菜園でとれたものを使っていますので、新鮮なものなのですが、肉や魚は干したものがメインになってしまいます。
もちろん、近くに川がありますので、釣りに行けば新鮮なものが獲れますし、肉もまあ、狩りに出れば新鮮なものが手に入ります。
けれども、研究を始めるとそれも億劫になってしまいますので、やはり乾燥させたものがメインになってしまうのですよね。
狩りは月に一度出て、大量に獲得するのがスコッチ様の習慣となっております。
初期のループ時のわたくしがいた時は、それは変わりませんでしたが、今のわたくしは剣技の経験と知識があります。
まだ体がそれに追いついておりませんので、無茶は出来ませんが、出来るだけ新鮮なものが食べられるように致しましょう。
そんな事を考えながら、台所の掃除をしていますと、スコッチ様がやってきました。
「やあ、早いね。モカ」
「スコッチ様こそお早いですわね。今、台所の掃除をしておりますので、朝食はその後でもよろしいでしょうか?」
「モカが作るのかい?」
「スコッチ様が作るよりは、ましなものが出来ると思いますわよ?」
「そうなのか、だったら任せようかな。後どのぐらいかかりそうかな?」
「掃除はすぐに終わりますので、そうですわね、三十分ほどお待ちいただけますか?」
わたくしがそう言いますと、スコッチ様はわかったと言って台所を出ていかれました。
魔法を駆使して速攻で台所の掃除を終えると、わたくしは早速料理に取り掛かります。
まあ、先ほどはスコッチ様にはああ言いましたが、料理が得意というわけではありませんのよ。
けれども、薬師として培った技術で、食べられるものは作れます。
要は、分量と調理法さえ合っていれば、誰だって同じような味の物が作れるのですから、問題はありませんわ。
レシピは頭の中に入っておりますので、何とかなります。
少なくとも、茹でた芋に塩をかけて食べるよりはましなものが出来ますわ。
この家には野菜を保管しておくために、保冷魔法を使った箱がありますので、そこから野菜を取り出し、切っていきます。
「パンがあればいいのですけれども……」
この状況のスコッチ様にそれを求めるのは無理な話ですわよね。
わたくしは簡単な野菜炒めを作り、それに干し肉を混ぜて更に炒める傍らで、茹でておいた芋でマッシュポテトを作りました。
「卵が欲しいですわね。後で鶏を仕入れてもらう様にお願い致しましょう」
マッシュポテトには塩コショウで味を付けて、野菜炒めと共に、皿に盛りつけます。
最後に、干し肉をメインにした野菜スープを作って、朝食の準備は完了となりました。
野菜がたっぷりなヘルシーな朝食ですわね。
出来上がった二人分の朝食を盆に乗せて、スコッチ様がいる作業場に向かいます。
「お待たせいたしました」
「時間ぴったりだね」
そう言うスコッチ様は、朝食を食べる為に、テーブルの上に乗っていた本をまとめると、床の上に、置きました。
ああ、もうっ。床の埃で表紙が汚れてしまうではありませんか!
テーブルの上も埃がうっすらと積もっていたので、手に盆を持ったまま、私は風魔法と水魔法を駆使して、お盆に乗せていた布巾を使い、テーブルを水拭きして埃を取り除いてから、盆をテーブルの上に置きました。
「ありあわせの物になりますが」
「わあ! 朝からこんなに食べられるかな」
……そうでした、スコッチ様は粗食で小食なのでしたわ。すっかり忘れておりました。
「残した分は昼食に回しますので、無理して召し上がらなくてもよろしいですわよ?」
「いや、折角モカが作ってくれたのだし、ちゃんと食べるよ」
こういう誠実なところもポイントが高いですわよね。
わたくし達は正面に向かい合うように座って、それぞれ朝食に手を伸ばしました。
「……申し訳ありません。味見は一応したのですが」
「ん? 美味しいよ?」
いえ、決して美味しいとは言えませんわね。少々塩辛くなってしまっておりますわ。味見の時は気が付きませんでした。
食べたところがちょうどいい塩梅だっただけなのでしょうか?
スープは、……まあ、まあまあと言った味ですわね。可もなく不可もなく、と言った感じですわ。
「スコッチ様、小麦を育ててみませんか? もしくは商隊から大量に購入しても構いませんわ。あと、鶏も仕入れたいですわね」
「どうしてだい?」
「パンや卵があればもっと豊かな食生活を送ることが出来る気がいたしますのよ」
わたくし、個人的にフレンチトーストが好物ですので。
「そっか、うーん。小麦は庭で育ててもいいけど、商隊から買ったほうが早そうだな。でもこのマッシュポテト美味しいよ。これで主食は十分じゃないか? 卵だって、鶏の管理が面倒だよ」
「スコッチ様」
「なにかな?」
スコッチ様が首を傾げます。
わたくしは笑みを浮かべたまま、言葉に力を籠める様に一音ずつ丁寧に発音します。
「わたくし、パンや卵が食べたいのですわ」
「……そ、そうかい」
スコッチ様は若干引いていらっしゃいますけれども、わたくしは今回も好きに生きると決めていますし、食生活も自給自足できる分と、購入できる分で満足のいくものを用意したいんですのよね。
「わかった、商隊から購入することによう。次に商隊が来るのは一週間後だから、その時に小麦がないか聞いてみよう」
「そういたしましょう」
スコッチ様が贔屓にしている商隊は、世界中を駆け回る商隊で、本隊が定期的にこちらにいらっしゃっているのですわ。
頻度は三ヶ月に一度という感じでしょうか。
商隊をまとめるのは、トロティー=コナという方で、浅黒い肌に赤茶色の髪、そして吸い込まれるような碧眼が特徴の方です。
商隊の名前はポップ商隊と申します。商隊の名前は、トロティー様のお母様の洗礼名から取っていらっしゃるそうです。
トロティー様のお母様は病弱で、三ヶ月に一度スコッチ様の所にいらして薬を処方してもらっているのですわ。
わたくしもいくつかのループ人生でお世話になっておりまして、商売のいろはを教わりました。
トロティー様のお母様にもお会いいたしました。
わたくしの見たところによりますと、トロティー様のお母様は肺に病を抱えているようでございまして、商隊に居た時は、わたくしの知識を総動員して、完治するように薬を処方いたしましたわ。
今回は一週間という時間なので間に合いませんが、次回にいらっしゃる時までには完治するように薬を準備出来ると良いのですけれども……。
「スコッチ様は、トロティー様のお母様のお薬は胸の病を軽くするものを処方しておいでですわよね」
「そうだね」
「でしたら、今回は時間的に無理ですけれども、次回からはわたくしが薬を処方してもよろしいでしょうか?」
「ん? 構わないよ。その様子だと、モカの方がトロティーの母君の病に詳しそうだからね」
ええ、実際に間近で見ておりますからね。
洗面台、ものすごく汚いんですよ。カビとか、水垢とかこびりついていて、洗浄魔法で綺麗にすれば一発で解決するのですが、やはり見るのは嫌なものなのです。
スコッチ様の魔法のおかげか、虫が入り込むことはないようなのですけれどもね。
一種の結界のようなものでしょうか。
まあ虫が入り込んで、せっかく乾燥させた薬草などを食い散らかされても困りますものね。
古い本もございますし、虫に食われたりしたら大変ですわ。
もしかして、ループした人生の中で一度も入ることが許されなかったスコッチ様の寝室に、魔族と契約する方法が記された書物があるのかもしれませんわね。
一度だけ、ちらりと中を見ましたが、スコッチ様はご自分の寝室だけは綺麗に整頓されておりましたわ。
といいますか、寝るだけですので、ベッド以外使っていないのかもしれませんわね。
洗面台に行きますと、案の定、鏡は曇っていて見えませんし、洗面台は水垢とカビで何が何だか、というか使いたくない状態ですわね。
スコッチ様、よくこんな洗面台を使ってますわね。
とりあえず、洗浄魔法で綺麗にしてから水を出して、歯を磨きます。次に、水桶に水を張って、火魔法を使ってその水を温めていきます。
適温になったところで、そのぬるま湯を手で掬い、顔を軽く濡らし、家から持ってきた石鹸を泡立てていきます。泡立てには風で振動を起こして泡立てていきますのよ。きめ細やかな泡になったところで、手のひら一杯になった泡を顔に付けていきます。
直接手でこすらない様に泡でマッサージするように手を動かしていきます。顔全体をそのように洗い終えたところで、水桶に貯めておいたぬるま湯で、泡を洗い流していきます。
持って来たタオルで顔の水分をこすらないように吸い取って、ふう、と一息つきます。
公爵令嬢であった時は、侍女がしてくれていたのですが、今は自分でしなければいけませんものね。
まあ、こういうことが出来るだけましな生活と言うところでしょうか。盗賊や冒険者をしていた時など、こんなことできませんでしたものね。
そのまま化粧水を手のひらにとり、手の温度で温めてから、顔の中心から外側に向かって化粧水を広げていきます。
ぽんぽん、と肌を軽く叩いて化粧水を馴染ませて、最後にハンドプレスをして掌がほっぺたに吸い付くようになったところで、乳液で保湿をしていきます。
今は乳液を使っていますが、折角スコッチ様の所に来たのですから、紫外線もカットできる効果のあるクリームを開発してしまいましょう。その方が化粧下地にもなって簡単ですし。
乳液が肌に馴染んだところで、ティッシュで余分な油分を吸い取ります。
スコッチ様は派手な化粧はお嫌いですし、わたくしも面倒ですので、軽く白粉を乗せる程度にしておきます。
最後に唇に保湿クリームを塗って朝の準備は完了です。
次に、台所に向かいましたが、ここもすごい惨状になっていました。
スコッチ様は食べられればいいと考える方ですので、研究に没頭しているときなどは茹でた芋に塩をかけて食べる、なんてことも多々あるんですのよ。
野菜などは薬草も育てている家庭菜園でとれたものを使っていますので、新鮮なものなのですが、肉や魚は干したものがメインになってしまいます。
もちろん、近くに川がありますので、釣りに行けば新鮮なものが獲れますし、肉もまあ、狩りに出れば新鮮なものが手に入ります。
けれども、研究を始めるとそれも億劫になってしまいますので、やはり乾燥させたものがメインになってしまうのですよね。
狩りは月に一度出て、大量に獲得するのがスコッチ様の習慣となっております。
初期のループ時のわたくしがいた時は、それは変わりませんでしたが、今のわたくしは剣技の経験と知識があります。
まだ体がそれに追いついておりませんので、無茶は出来ませんが、出来るだけ新鮮なものが食べられるように致しましょう。
そんな事を考えながら、台所の掃除をしていますと、スコッチ様がやってきました。
「やあ、早いね。モカ」
「スコッチ様こそお早いですわね。今、台所の掃除をしておりますので、朝食はその後でもよろしいでしょうか?」
「モカが作るのかい?」
「スコッチ様が作るよりは、ましなものが出来ると思いますわよ?」
「そうなのか、だったら任せようかな。後どのぐらいかかりそうかな?」
「掃除はすぐに終わりますので、そうですわね、三十分ほどお待ちいただけますか?」
わたくしがそう言いますと、スコッチ様はわかったと言って台所を出ていかれました。
魔法を駆使して速攻で台所の掃除を終えると、わたくしは早速料理に取り掛かります。
まあ、先ほどはスコッチ様にはああ言いましたが、料理が得意というわけではありませんのよ。
けれども、薬師として培った技術で、食べられるものは作れます。
要は、分量と調理法さえ合っていれば、誰だって同じような味の物が作れるのですから、問題はありませんわ。
レシピは頭の中に入っておりますので、何とかなります。
少なくとも、茹でた芋に塩をかけて食べるよりはましなものが出来ますわ。
この家には野菜を保管しておくために、保冷魔法を使った箱がありますので、そこから野菜を取り出し、切っていきます。
「パンがあればいいのですけれども……」
この状況のスコッチ様にそれを求めるのは無理な話ですわよね。
わたくしは簡単な野菜炒めを作り、それに干し肉を混ぜて更に炒める傍らで、茹でておいた芋でマッシュポテトを作りました。
「卵が欲しいですわね。後で鶏を仕入れてもらう様にお願い致しましょう」
マッシュポテトには塩コショウで味を付けて、野菜炒めと共に、皿に盛りつけます。
最後に、干し肉をメインにした野菜スープを作って、朝食の準備は完了となりました。
野菜がたっぷりなヘルシーな朝食ですわね。
出来上がった二人分の朝食を盆に乗せて、スコッチ様がいる作業場に向かいます。
「お待たせいたしました」
「時間ぴったりだね」
そう言うスコッチ様は、朝食を食べる為に、テーブルの上に乗っていた本をまとめると、床の上に、置きました。
ああ、もうっ。床の埃で表紙が汚れてしまうではありませんか!
テーブルの上も埃がうっすらと積もっていたので、手に盆を持ったまま、私は風魔法と水魔法を駆使して、お盆に乗せていた布巾を使い、テーブルを水拭きして埃を取り除いてから、盆をテーブルの上に置きました。
「ありあわせの物になりますが」
「わあ! 朝からこんなに食べられるかな」
……そうでした、スコッチ様は粗食で小食なのでしたわ。すっかり忘れておりました。
「残した分は昼食に回しますので、無理して召し上がらなくてもよろしいですわよ?」
「いや、折角モカが作ってくれたのだし、ちゃんと食べるよ」
こういう誠実なところもポイントが高いですわよね。
わたくし達は正面に向かい合うように座って、それぞれ朝食に手を伸ばしました。
「……申し訳ありません。味見は一応したのですが」
「ん? 美味しいよ?」
いえ、決して美味しいとは言えませんわね。少々塩辛くなってしまっておりますわ。味見の時は気が付きませんでした。
食べたところがちょうどいい塩梅だっただけなのでしょうか?
スープは、……まあ、まあまあと言った味ですわね。可もなく不可もなく、と言った感じですわ。
「スコッチ様、小麦を育ててみませんか? もしくは商隊から大量に購入しても構いませんわ。あと、鶏も仕入れたいですわね」
「どうしてだい?」
「パンや卵があればもっと豊かな食生活を送ることが出来る気がいたしますのよ」
わたくし、個人的にフレンチトーストが好物ですので。
「そっか、うーん。小麦は庭で育ててもいいけど、商隊から買ったほうが早そうだな。でもこのマッシュポテト美味しいよ。これで主食は十分じゃないか? 卵だって、鶏の管理が面倒だよ」
「スコッチ様」
「なにかな?」
スコッチ様が首を傾げます。
わたくしは笑みを浮かべたまま、言葉に力を籠める様に一音ずつ丁寧に発音します。
「わたくし、パンや卵が食べたいのですわ」
「……そ、そうかい」
スコッチ様は若干引いていらっしゃいますけれども、わたくしは今回も好きに生きると決めていますし、食生活も自給自足できる分と、購入できる分で満足のいくものを用意したいんですのよね。
「わかった、商隊から購入することによう。次に商隊が来るのは一週間後だから、その時に小麦がないか聞いてみよう」
「そういたしましょう」
スコッチ様が贔屓にしている商隊は、世界中を駆け回る商隊で、本隊が定期的にこちらにいらっしゃっているのですわ。
頻度は三ヶ月に一度という感じでしょうか。
商隊をまとめるのは、トロティー=コナという方で、浅黒い肌に赤茶色の髪、そして吸い込まれるような碧眼が特徴の方です。
商隊の名前はポップ商隊と申します。商隊の名前は、トロティー様のお母様の洗礼名から取っていらっしゃるそうです。
トロティー様のお母様は病弱で、三ヶ月に一度スコッチ様の所にいらして薬を処方してもらっているのですわ。
わたくしもいくつかのループ人生でお世話になっておりまして、商売のいろはを教わりました。
トロティー様のお母様にもお会いいたしました。
わたくしの見たところによりますと、トロティー様のお母様は肺に病を抱えているようでございまして、商隊に居た時は、わたくしの知識を総動員して、完治するように薬を処方いたしましたわ。
今回は一週間という時間なので間に合いませんが、次回にいらっしゃる時までには完治するように薬を準備出来ると良いのですけれども……。
「スコッチ様は、トロティー様のお母様のお薬は胸の病を軽くするものを処方しておいでですわよね」
「そうだね」
「でしたら、今回は時間的に無理ですけれども、次回からはわたくしが薬を処方してもよろしいでしょうか?」
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