家庭訪問は恋のはじまり【完】
第64話 切なくて苦しくて……
「ありがとう。
だけど、もし、夕凪が結婚してくれたとして、あの家に住むと、御岳華の目と鼻の先に住む事になるんだよな。
何事もないといいんだけど」
「うん、そう…だね」
そう…かぁ…
それは、嫌がらせがありそうだなぁ。
だいたい、私は嘉人くんのお母さんになれるのかな。
他のお母さん達も、ちょっと前まで我が子の担任だった私を、ママ友の仲間として受け入れてくれるのかな。
授業参観や懇談に私が参加したら、今、同僚の先生方は、どう思うんだろう。
やる前から心配ばかりしても仕方ないけど、やっぱり不安だなぁ。
「でも、何があっても、夕凪は俺が全力で守るから。安心してて」
「うん」
そう言ってくれる気持ちが嬉しい。
だから、私も負けずに頑張ろう。
「そういえば、来週の授業参観は、瀬崎さん来るの?」
そう、4日後に今年度最後授業参観がある。
「行くよ。そのために秘書にも絶対仕事を入れるなって言ってある。
なんか、縄跳びをするんだって?」
「ふふっ
そうなの。嘉人くん、張り切ってるよ」
今、1年生はみんな、授業参観に向けて、大張り切りだ。
「でも、なんで縄跳び?」
瀬崎さんは、不思議そうに首を傾げる。
「生活の授業でね、『もうすぐ2年生』っていう単元があるの。 
1年生で出来るようになった事とか楽しかった事を発表するんだけど、それを授業参観でやるのよ。
みんなが1年生の間に出来るようになった事をそれぞれ発表するから、嘉人くんみたいに縄跳びをする子もいれば、たし算カードをする子もいるし、黒板に漢字を書く子もいるの」
「へぇ、おもしろそう。楽しみだな」
瀬崎さんは目を丸くして驚く。
「うん。
子供たちも張り切って練習してるから、楽しみにしてて。
……ごちそうさまでした」
そう言うと、私は立ち上がって食器を片付ける。
すると、瀬崎さんも立ち上がって私の後についてくる。
流しに食器を置いた途端、後ろから瀬崎さんに抱きしめられた。
「夕凪、好きだよ。
いい年して情けないけど、しばらく夕凪に会えないって思っただけで、切なくて苦しくて、自分でもどうしていいか分からなくなった」
瀬崎さんが耳元で囁く。
「瀬崎さん… 」
私も、瀬崎さんに会えないと思うだけで、残り2ヶ月がとてつもなく長く思えた。
瀬崎さんは、そのまま私の耳にキスをする。
「あっ…」
その瞬間、私は膝から崩れ落ちてしまった。
瀬崎さんは、慌てて私を抱きとめてくれる。
「くくっ
夕凪、耳、弱いよな?」
瀬崎さんが嬉しそうに笑う。
私は肯定も否定もできなくて、無言で俯いた。
「夕凪、かわいい」
そう言うと、瀬崎さんは腕の中にいる私の向きを変えて、今度は唇にキスをする。
徐々に深まるキスに、意識が混濁する。
このまま流されてしまいたくなる。
瀬崎さんは、私の舌を絡めとりながら、手のひらが脇から腰に撫でるように滑り下りてくる。
抗えない私は、瀬崎さんの背中にしがみついた。
すると、瀬崎さんの手がするりと私のニットの裾から中へと入り込んでくる。
薄い下着越しに胸をまさぐられ、あられもない声が漏れてしまう。
「だめ…  瀬崎さん… 」
なんとか声に出して拒絶の意思表示をするけれど、再び瀬崎さんに口づけられ、それ以上、言えなくなってしまう。
私がされるがままになっていると、今度はスカートの中に手を差し入れられた。
私は慌てて瀬崎さんの手を押さえるが、思いのほか瀬崎さんの力は強くて、私が一生懸命拒んだところで、止められない。
下着越しに触れられるだけで、自分でも恥ずかしくなるような声が漏れる。
「瀬崎さん、ほんとに、これ以上は…
お願い… 」
私が途切れ途切れ声を上げると、
「夕凪、どうしてもダメ?」
瀬崎さんが耳元で低い声で囁く。
どうしよう?
そんな風に言われると、意思が揺らいでしまう。
だけど…
「ごめんなさい。今は… 」
私が自分を奮い立たせてそう言うと、瀬崎さんはようやくスカートの中から手を引いてくれた。
「しょうがないな。
俺は、夕凪のそういう融通の効かないところも好きなんだから。
終業式まで楽しみにとっておくよ」
えっ?
終業式の日?
確定なの?
そんな事を言われたら、終業式の日を余計に意識してしまう。
どうしよう?
だけど、もし、夕凪が結婚してくれたとして、あの家に住むと、御岳華の目と鼻の先に住む事になるんだよな。
何事もないといいんだけど」
「うん、そう…だね」
そう…かぁ…
それは、嫌がらせがありそうだなぁ。
だいたい、私は嘉人くんのお母さんになれるのかな。
他のお母さん達も、ちょっと前まで我が子の担任だった私を、ママ友の仲間として受け入れてくれるのかな。
授業参観や懇談に私が参加したら、今、同僚の先生方は、どう思うんだろう。
やる前から心配ばかりしても仕方ないけど、やっぱり不安だなぁ。
「でも、何があっても、夕凪は俺が全力で守るから。安心してて」
「うん」
そう言ってくれる気持ちが嬉しい。
だから、私も負けずに頑張ろう。
「そういえば、来週の授業参観は、瀬崎さん来るの?」
そう、4日後に今年度最後授業参観がある。
「行くよ。そのために秘書にも絶対仕事を入れるなって言ってある。
なんか、縄跳びをするんだって?」
「ふふっ
そうなの。嘉人くん、張り切ってるよ」
今、1年生はみんな、授業参観に向けて、大張り切りだ。
「でも、なんで縄跳び?」
瀬崎さんは、不思議そうに首を傾げる。
「生活の授業でね、『もうすぐ2年生』っていう単元があるの。 
1年生で出来るようになった事とか楽しかった事を発表するんだけど、それを授業参観でやるのよ。
みんなが1年生の間に出来るようになった事をそれぞれ発表するから、嘉人くんみたいに縄跳びをする子もいれば、たし算カードをする子もいるし、黒板に漢字を書く子もいるの」
「へぇ、おもしろそう。楽しみだな」
瀬崎さんは目を丸くして驚く。
「うん。
子供たちも張り切って練習してるから、楽しみにしてて。
……ごちそうさまでした」
そう言うと、私は立ち上がって食器を片付ける。
すると、瀬崎さんも立ち上がって私の後についてくる。
流しに食器を置いた途端、後ろから瀬崎さんに抱きしめられた。
「夕凪、好きだよ。
いい年して情けないけど、しばらく夕凪に会えないって思っただけで、切なくて苦しくて、自分でもどうしていいか分からなくなった」
瀬崎さんが耳元で囁く。
「瀬崎さん… 」
私も、瀬崎さんに会えないと思うだけで、残り2ヶ月がとてつもなく長く思えた。
瀬崎さんは、そのまま私の耳にキスをする。
「あっ…」
その瞬間、私は膝から崩れ落ちてしまった。
瀬崎さんは、慌てて私を抱きとめてくれる。
「くくっ
夕凪、耳、弱いよな?」
瀬崎さんが嬉しそうに笑う。
私は肯定も否定もできなくて、無言で俯いた。
「夕凪、かわいい」
そう言うと、瀬崎さんは腕の中にいる私の向きを変えて、今度は唇にキスをする。
徐々に深まるキスに、意識が混濁する。
このまま流されてしまいたくなる。
瀬崎さんは、私の舌を絡めとりながら、手のひらが脇から腰に撫でるように滑り下りてくる。
抗えない私は、瀬崎さんの背中にしがみついた。
すると、瀬崎さんの手がするりと私のニットの裾から中へと入り込んでくる。
薄い下着越しに胸をまさぐられ、あられもない声が漏れてしまう。
「だめ…  瀬崎さん… 」
なんとか声に出して拒絶の意思表示をするけれど、再び瀬崎さんに口づけられ、それ以上、言えなくなってしまう。
私がされるがままになっていると、今度はスカートの中に手を差し入れられた。
私は慌てて瀬崎さんの手を押さえるが、思いのほか瀬崎さんの力は強くて、私が一生懸命拒んだところで、止められない。
下着越しに触れられるだけで、自分でも恥ずかしくなるような声が漏れる。
「瀬崎さん、ほんとに、これ以上は…
お願い… 」
私が途切れ途切れ声を上げると、
「夕凪、どうしてもダメ?」
瀬崎さんが耳元で低い声で囁く。
どうしよう?
そんな風に言われると、意思が揺らいでしまう。
だけど…
「ごめんなさい。今は… 」
私が自分を奮い立たせてそう言うと、瀬崎さんはようやくスカートの中から手を引いてくれた。
「しょうがないな。
俺は、夕凪のそういう融通の効かないところも好きなんだから。
終業式まで楽しみにとっておくよ」
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