万色を支配する白魔王 ~ステータス極振りどころか全捨てし、スキルに全振りした少女のピーキー無双~

志水零士

28 過剰

「……ねぇ、大丈夫?」
「ど、どこか痛いところとかあるんですか?」
「ああ、いや、そういうのは特にないんだけど……大丈夫かって聞かれると、微妙なところなの」
「って言うと?」
「魔神を倒しちゃったみたいで、BAに変化したのは予定通りだったけど、『魔闘の極み』とかって名前のスキルも手に入れちゃったの」
「……詳しく話しなさい」

 そう言って、ケイネは睨みつけて来た。……怖い。

「この台に乗ったら、魔神がBAに干渉っていうシステム音声がしたんだけど、途中で誰かの声にその音声が遮られたの。そんなことが何度も起こってうるさくなったのと、どこかから何かが流れて来るような嫌な感覚がしたから――」
「ああ。それでさっきの、コマンドなんとかってやつを使ったのね」
「つまりノイは、その何かが流れて来た方向にそれを使った結果、魔神を殺してしまったということなんですか?」
「まぁ、そういうことなの。それと、魔神を倒したことで種族の魔王が魔神になりそうになったんだけど、その誰かの声でそれはキャンセルされたの」
「……その声の人、ノイに魔神を殺させるなんていうとんでもないことを引き起こした張本人だけど、その一点においてはいい仕事をしたわね」
「あ、それと、BAの『純白の闘神衣』は『魔闘の白神衣』ってのに変わったし、新しく『魔闘の極み』ってスキルも手に入れたの」
「前言撤回するわ。そいつ、迷惑なことしかしてないわね。……これ以上強くなって、あなた一体どうするつもりなわけ?」

 これ以上強くなって、どうするつもりなのか、か。ふむ……

「最強になるとか?」
「……そう。とりあえず、BAと新しく手に入れたらスキルの詳細を確認したら?」

 呆れたようにそう言うケイネ。確かにそれもそうだ。



 ノイ Lv:20 職業:色使い 種族:魔族(魔王) 種族ポイント 0
 HP 10/10
 MP 0/0

 ≪ステータス≫
 VIT 1
 STR 1(+50)
 DEF 1(+50)
 INT 1(+50)
 MIN 1(+50)
 AGI 1
 DEX 1
 LUK 1

 ≪スキル≫
 色撃 Lv:MAX ジャイアントキリング Lv:3 紙一重 Lv:4 スキル合成 Lv:MAX 色操 Lv:3 白魔王の猛威ディザスターオブホワイトキング Lv:3 魔闘の極み Lv:MAX

 ≪装備≫
 武器 魔闘の白神衣 (バディアーマメント・開闢・神装)
 防具 なし



 ……そう言えば、魔神を倒したというのに、Lvは上がっていない。モンスターではないから、だろうか?
 まぁいい。まずは変化したBAと新スキルの詳細を見てみることにしよう。



 ≪魔闘の白神衣≫ Lv:20(開闢・神装)
 耐久値 200(最低値 1)/200
 プレイヤー名『ノイ』のバディアーマメント。文字通りの白き神の衣である。魔闘に最適化された戦闘用神装。
 DEFとMINに+30+20(レベルに応じて上昇)。耐久値自動回復。
 スキル『魔闘の極み』の使用時、全ステータスを二倍。

 ≪魔闘の極み≫ Lv:1/1
 このスキルの使用中、自身と装備に魔闘気を纏わせる。その間、魔と闘に分類される全スキルの中で、現在必要だと判断されたスキルが自動で発動するようになる。
 口頭発動



「……なるほど」

 ふむふむ……これは、さすがに予想外だ。

「ちょ、ちょっと、見せてもらってもいいですか⁉」
「別にいいの」
「あ、私も見せてもらってもいいかしら?」
「もちろんなの」

 私の手元のウインドウを、二人が覗き込む。そして、固まった。

 ……しばらくの間、誰も何も言わなかった。





フォローといいねをよろしくお願いします。いいねは、面白いと思った話だけでいいので。

「万色を支配する白魔王 ~ステータス極振りどころか全捨てし、スキルに全振りした少女のピーキー無双~」を読んでいる人はこの作品も読んでいます

「SF」の人気作品

コメント

コメントを書く