万色を支配する白魔王 ~ステータス極振りどころか全捨てし、スキルに全振りした少女のピーキー無双~

志水零士

27 魔神の死

「半身、ね。他のゲームだったら訳が分からないところだけど、このゲームなら示す物は明らかよね」
「まぁ、十中八九BAなの」
「ですね。……これは、翳した方がいいんでしょうか」

 この文を読む限りでは、BAを翳したように思える。しかし、『強く輝く』という表現が少し気になる。

「ちょっと何が起こるか分からないし、先に私がやってみるの。その結果を見せて、後は二人の自己責任ってことで。それでいいの?」
「勿論です!」
「私もいいわよ……でも、あなたどうやって翳すの?」
「そう言えば、ノイのBAはその服でしたね。脱ぐというのは――」
「まぁ、さすがにないの。この台かなり大きいし、寝転がってみるの」

 まだ配信中だし、さすがに脱ぐのはない。この大きさなら、十分寝転べるだろう。

「んっしょ」

 ――魔神がBA『純白の闘神衣』に干しょ『それはちょーと、許せないかなー』

「んん?」
「どうかしたの?」
「だ、大丈夫なんですか?」
「うーん、ちょっと……んん?」

 これはどういうことなのだろうか? 魔神が私のBAに干渉してきて、誰かがそれを防いだということなのか?

 ――魔神がBA『純白の闘神衣』に『だからダメだって』
 ――魔神がBA『純白の『話聞いてるー?』
 ――魔神が『だ・か・ら。ダメなんだってばー』

 ……少し、うるさい。
 それに加えて、なんどもこの音声を聞いている内に、どこからか何かが送られてきている感覚がするようになった。ある方向からとか、そういうことは分からないのだが、確かに何かが流れて来るような感覚がするのだ。
 嫌な感覚だ。幾度ものアナウンスとも合わさって、本当に気分が悪い。

「……コマンド『貫く連撃ガトリングピアス』」
「え、ちょっと?」
「ど、どうしたんですか 」

 心配の声を掛けて来るケイネとマロン。しかし悪いが、今の私に対応している余裕はない。
 一度自分の体に打ち込むことで、自分の体から変なものが送られて来る方向に『貫く連撃ガトリングピアス』を放つ。『白魔王の猛威ディザスターオブホワイトキング』が物体でない以上、操れる場所は物理空間内に限らないと思ったのだが……成功のようだ。

『……これは、凄いね』

 ――神格名称『魔神』の神滅を確認。種族を『魔神』へと『あ、それは無しで』
 ――BA『純白の闘神衣』が『魔闘の白神衣』へと昇華――
 ――スキル『魔闘の極み』を獲得――

『まぁ、これならいいかな』

 謎の声の主がそう言ったのと同時に、システム音声と謎の声は聞こえなくなった。
 ……本当に、意味が分からない。




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