万色を支配する白魔王 ~ステータス極振りどころか全捨てし、スキルに全振りした少女のピーキー無双~
21 個性的な少女
「あ、ノイ! 大丈夫だった?」
「……ケイネ?」
「ええ。昨日ぶりね、ノイ」
魔族たちが去り、少し休憩をしようと入った宿屋。そこにいたのは、昨日初めてのパーティーを組んだケイネだった。
奇跡的な確率、ではないだろう。この森には村はこの村しかなく、加えてこの村はそれほど大きくはないのだから、偶然会うこともおかしくはない。
「それで、大丈夫だった? さっき、魔族のNPCが沢山来てたけど」
「それだけど、魔族が来てたのは私のせいなの」
「って言うと?」
「昨日種族を選んだんだけど、それが魔王ってやつだったの」
「……一つ聞きたいんだけど、どうやってそんなに一気にレベルを上げたの? 種族選択って、Lv:20からよね」
「えっと、アサシンウルフってモンスターに勝ったら、Lv:20まで上がったの」
「あー、なるほどね……よく勝てたわね」
どうやらケイネは、アサシンウルフのことも知っているらしい。
ケイネの言葉は、確かにもっともなものだ。アサシンウルフは、尋常じゃなく強かった。
「なんとか、といった感じだったの。体力もギリギリだったし」
「それでも、勝ったってだけで凄いと思うけどね……あ、そうだ。ノイにお客が来ていたわよ」
「……お客?」
少なくとも、私に心当たりはない。つまり、おそらくあっちが一方的に私のことを知っているということだろう。
「ええ。詳しくは聞いていないけど、あなたの戦いに惹かれたそうよ」
やっぱり、そのパターンか。
「で、その人はどこに?」
「それがね……魔族たちが来たのがその子と話してるタイミングで、そこで別々に逃げちゃったから、どこにいるのかは分からないのよ」
「ああ、なるほど」
確かに彼らは、かなり恐ろしい見た目をしていた。加えて大群ともなれば、脇目を振らずに逃げて当然だ。
「と言うか、その客って女の子なの? その子って言ってたけど」
「ええ。まぁ、なんというか……かなり個性的な子というか……」
語尾を濁し、言いよどむケイネ。どうしたのかと尋ねようとしたところで、「バン!」と音を立ててドアが開けられた。
「し、失礼します! 今ここに、白髪の少女が入ったと聞いたのですが……あ 」
乱暴にドアを開けたその少女は、私に気づくとすぐさま走って向かってきた。
髪は栗色の短髪。身長は私より少し高いくらいだろうか。彼女は私の目前までくると、頭を下げて言った。
「は、初めまして! ノイさんですよね? あの……私に修行をつけてくれませんか 」
「……ちょっと、落ち着いてほしいの」
「あ、はい! すみません!」
思わずケイネの方を見ると、彼女は苦笑を浮かべていた。……確かに、個性的な子だった。
さーて、この子は誰かなー? 察しのいいひとなら、お分かりですよね?
フォローといいねをよろしくお願いします。いいねは、面白いと思った話だけでいいので。
        
「……ケイネ?」
「ええ。昨日ぶりね、ノイ」
魔族たちが去り、少し休憩をしようと入った宿屋。そこにいたのは、昨日初めてのパーティーを組んだケイネだった。
奇跡的な確率、ではないだろう。この森には村はこの村しかなく、加えてこの村はそれほど大きくはないのだから、偶然会うこともおかしくはない。
「それで、大丈夫だった? さっき、魔族のNPCが沢山来てたけど」
「それだけど、魔族が来てたのは私のせいなの」
「って言うと?」
「昨日種族を選んだんだけど、それが魔王ってやつだったの」
「……一つ聞きたいんだけど、どうやってそんなに一気にレベルを上げたの? 種族選択って、Lv:20からよね」
「えっと、アサシンウルフってモンスターに勝ったら、Lv:20まで上がったの」
「あー、なるほどね……よく勝てたわね」
どうやらケイネは、アサシンウルフのことも知っているらしい。
ケイネの言葉は、確かにもっともなものだ。アサシンウルフは、尋常じゃなく強かった。
「なんとか、といった感じだったの。体力もギリギリだったし」
「それでも、勝ったってだけで凄いと思うけどね……あ、そうだ。ノイにお客が来ていたわよ」
「……お客?」
少なくとも、私に心当たりはない。つまり、おそらくあっちが一方的に私のことを知っているということだろう。
「ええ。詳しくは聞いていないけど、あなたの戦いに惹かれたそうよ」
やっぱり、そのパターンか。
「で、その人はどこに?」
「それがね……魔族たちが来たのがその子と話してるタイミングで、そこで別々に逃げちゃったから、どこにいるのかは分からないのよ」
「ああ、なるほど」
確かに彼らは、かなり恐ろしい見た目をしていた。加えて大群ともなれば、脇目を振らずに逃げて当然だ。
「と言うか、その客って女の子なの? その子って言ってたけど」
「ええ。まぁ、なんというか……かなり個性的な子というか……」
語尾を濁し、言いよどむケイネ。どうしたのかと尋ねようとしたところで、「バン!」と音を立ててドアが開けられた。
「し、失礼します! 今ここに、白髪の少女が入ったと聞いたのですが……あ 」
乱暴にドアを開けたその少女は、私に気づくとすぐさま走って向かってきた。
髪は栗色の短髪。身長は私より少し高いくらいだろうか。彼女は私の目前までくると、頭を下げて言った。
「は、初めまして! ノイさんですよね? あの……私に修行をつけてくれませんか 」
「……ちょっと、落ち着いてほしいの」
「あ、はい! すみません!」
思わずケイネの方を見ると、彼女は苦笑を浮かべていた。……確かに、個性的な子だった。
さーて、この子は誰かなー? 察しのいいひとなら、お分かりですよね?
フォローといいねをよろしくお願いします。いいねは、面白いと思った話だけでいいので。
        
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