万色を支配する白魔王 ~ステータス極振りどころか全捨てし、スキルに全振りした少女のピーキー無双~

志水零士

16 BAスキル

「……一はぁ」

 種族と職業の選択ウインドウを閉じる。……夢だったという一縷の可能性に賭けていたのだが、やっぱり現実だったか。

「この選択肢じゃ、結局この二つを選ぶことになるんだろうけど……一応、先にBAスキルと『紙一重』について確認してみるの」

 『紙一重』。昨日のアサシンウルフ戦において獲得し、何度も発動したスキルだが、説明はまだ見ていなかった。新たなシステム解放の驚きで、すっかり忘れていたのだ。
 それに自分で気づいたわけじゃなく、昨日ログアウトした後に紗良に言われて気づいたのだ。……言われなかったら、しばらくは気づかなかったかもしれない。

 『紙一重』の方が上にあったので、先にそっちを開く。



 ≪紙一重≫
 相手の攻撃をギリギリのところで避けた場合、DEXが向上する。
 自動発動状態←or口頭発動状態



「ああ、精密度だったの。……STRとかみたいに分かりやすい効果ではないけど、重要な効果なの」

 ということで、次はBAの方のウインドウを開く。



 ≪純白の神衣≫ Lv:20(開闢)
 耐久値 200(最低値 1)/200
 プレイヤー名『ノイ』のバディアーマメント。文字通りの神の衣である。
 DEFとMINに+30+20(レベルに応じて上昇)。耐久値自動回復。
 BAスキル:未選択



「ふむ……これはLvの上昇で耐久値が上がったのか、開闢ってのの影響なのか、微妙なの。次にレベルが上がった時にでも確認するとして……BAスキルの方を見てみるとするの」



 ≪選択可能BAスキル≫
 白之濁流ホワイトウェーブ
 白無ノンカラー



「なるほど、二つか……一つずつ、確認していくとするの」
 昨日のように、雑な説明ではないことを願いながら、まずは一番上を長押しする。



 ≪白之濁流ホワイトウェーブ
 自分を支点に白色の波を発生させ、周囲にあるものを押し流す。なお、この波はBAの一部という扱いになる
 口頭発動
 クールタイム 100秒



「これは、中々の効果なの。この技にも『色撃』や『パリィ』が乗るということだろうし……これはかなり強いはずなの。もう一つの方は……」



 ≪白無ノンカラー
 肉体の色を五秒間白く変え、その間は無敵となる。
 口頭発動
 クールタイム 100秒



「これは、攻撃手段にはなりえないけど、確実に時間を稼ぐって点では『白之濁流ホワイトウェーブ』より上なの。体力が減って来たら、このスキルを使って時間を作り、その隙に回復アイテムを使ったり出来るかもしれないし」

 現状、結論を出すことは難しい。となれば、先に出来ることをやっておくのが吉だろう。

「職業が魔王になることは確定してるんだし。こっちは先に取っちゃって、その後どっちを選ぶかを考えることにするの」

 決めたら、即座に行動だ。BAのウインドウ閉じ、種族のウインドウを開く。

「魔王で決定、と」

 ――種族:魔族(魔王)を選択。種族ポイントを200獲得――
 ――スキル『スキル合成』を獲得――
 ――スキル『魔王の威圧パワーオブキング』を獲得――

「ついでに、色使いの方も取っちゃうの」

 ――職業:色使いを選択――
 ――スキル『色操』を獲得――

 改めて、自分の状態を確認してみる。



 ノイ Lv:20 職業:色使い 種族:魔族(魔王) 種族ポイント 200
 HP 10/10
 MP 0/0

 ≪ステータス≫
 VIT 1
 STR 1
 DEF 1(+50)
 INT 1
 MIN 1(+50)
 AGI 1
 DEX 1
 LUK 1

 ≪スキル≫
 色撃 Lv:MAX パリィ Lv:7 ジャイアントキリング Lv:3 紙一重 Lv:4 スキル合成 Lv:MAX 魔王の威圧パワーオブキング Lv:1 色操 Lv:1 

 ≪装備≫
 武器 なし
 防具 純白の神衣 (バディアーマメント・開闢・BAスキル未選択)



「……そういえば、この種族ポイントっていうので、ステータスが上げられるって話だったの。上げれるステータスは種族によって違うらしいし、確認してみるの」



≪種族ポイント≫ 200
ステータス1UP (1000種族ポイント)
スキルLv1UP (10種族ポイント)



「……は?」





まぁ、あれです。
結局ステータスは、向上しないんです。

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