万色を支配する白魔王 ~ステータス極振りどころか全捨てし、スキルに全振りした少女のピーキー無双~

志水零士

15 説明

「なーんか……尋常じゃないことを言ってた気がするの。気になるけど……ここにずっといるのはちょっと落ち着かないの」

 どうにもここには、威圧的な空気が満ちている……あのアサシンウルフのために作られた空間なのだから、当たり前なのかもしれないが。
 戦っているときはむしろ心地いいくらいだったが、普通にいるにも適しているとは、とてもじゃないが言えない。

 周囲を見渡すと、最初に私が現れたところが仄かに光っている。向かうと、このステージから出るかを尋ねるウインドウが現れたので、すかさず押す。

「ふむ。こういう時は、転移する前の場所に戻る、と。……まぁ、覚えておくとするの」

 そして、私はケイネに教えてもらった村へと向かった。蘇生地点をその村に変更した後、宿屋の一室を借りて今の自分の状態を確認する。



 ノイ Lv:20 職業:未選択 種族:未選択
 HP 10/10
 MP 0/0

 ≪ステータス≫
 VIT 1
 STR 1(+50)
 DEF 1(+50)
 INT 1(+50)
 MIN 1(+50)
 AGI 1
 DEX 1
 LUK 1

 ≪スキル≫
 色撃 Lv:MAX(発動中) パリィ Lv:7 ジャイアントキリング Lv:3 紙一重 Lv:4

 ≪装備≫
 武器 純白の闘神衣 (バディアーマメント・開闢・BAスキル未選択)
 防具 なし



「やっぱり、聞き間違いじゃあなかったの。これ、一般基準だとどれくらいのスピードなの? ……一度、ログアウトをして確認した方が良さそうなの」

 ……しかし、だ。しかしである。

「折角ログアウトするんだったら、種族とか職業に関しての情報も一緒に集めて来た方がいいだろうし……先に確認だけはしておくことにするの」

 まずは職業から。長押しし、ウインドウを開く。



 ≪選択可能職業≫
 戦士
 拳闘士
 蹴闘士
 色使い



「……明らかに異色なのが混じってるけど、とりあえずそれは後回しなの。上から順に、見ていくとするの」

 ということで、一つずつウインドウを開いていく。




 ≪戦士≫
 オールラウンダーな、物理専門職。得意な武器、戦闘方法などはないが、同時に苦手とするものもない。

 ≪拳闘士≫ 
 一極特化の、物理専門職。拳撃をとても得意とするが、他の戦闘方法は苦手。

 ≪蹴闘士≫ 
 一極特化の、物理専門職。蹴撃をとても得意とするが、他の戦闘方法は苦手。



「なんというか……どれも『色撃』による魔法攻撃のアドバンテージが生かせないの。名前から悟ってはいたけど、三つとも物理専門職って……これは、最後の一つに賭けることしかないの」

 名前から漂う地雷臭がとんでもないが、おそらく『色撃』の影響で選択肢に出て来た職業だろう。そのことから考える限り、私に合う職業である可能性は十分にあるはずだ。
 ……そう信じて、その職名を長押しする。



 ≪色使い≫
 ユニーク職。色を使う。



「よし。それじゃあ種族の方を確認するとするの」

 『色使い』の説明なんて見なかった。そういうことにしよう。
 あれが説明だなんて、私は認めない。あんなのは、ただの復唱だ。
 しかも、ユニーク職と書いてあった。ネットで調べても、おそらく情報は見つからないだろう。
 そういうことで、職業について考えるのは後回しにすることにしたのである。
 職業選択のウインドウを閉じ、種族選択のウインドウを開く。



 ≪選択可能種族≫
 魔族(魔王)



 これを、選択と言っていいのだろうか。職業選択の理由の自由なんてあったものじゃない。
 これ以外の選択肢がない以上、これを選ぶしかないのだが……一応確認しておこう。



 ≪魔族(魔王)≫
 魔族は物理攻撃か魔法攻撃のどちらにも才能を持つ種族であるが、その王である魔王は単なる魔族とは違った才を持つ。その力は絶大。地を震わし、天にも轟くその力。真に強き魔王ともなれば、神ですら戦うことを躊躇う。



 思わず私は、ウインドウを殴った。痛かった。






あれです。ようやく、タイトル回収です(万色を支配する白『魔王』←(ここね、ここ) ~ステータス極振りどころか全捨てし、スキルに全振りした少女のピーキー無双~)。
まぁ、職業とか種族とかが説明になってないのは、BAオンラインを運営してる側の悪ふざけってことで……いいんじゃないですかね? 

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