あかいトカゲのゆめ
カエルは歩く
「うぅん…疲れたぁ…」
そう言うと、ヤマトくんは大の字ならぬ、Hの字になって、ベタっと倒れました。
4本の足で歩くヒキガエルの体になかなか慣れなくて、少し歩くだけで、ぐったりです。
「だらしないわねぇ…」
ガマが呆れて、ヤマトくんを見下ろします。
彼女も2本足に慣れていない筈なのに、ピンピンしていました。
「鍛え方が違うのよ。
さぁ、立って。
今のあなたは大きくて、私も茨男も背負ってあげられないんだから、頑張りなさい」
カンカン照りのお日様の下。
どこまでも続く砂漠に、ヤマトくんはうんざりしました。
「スマンな。
あれでも、ガマなりに責任感じて、応援してるんだべ」
苦笑いを浮かべた茨男が、耳許で囁きました。
ヤマトくんは頷いて、再び歩き始めます。
砂漠を歩く少し前の、井戸の前。
「さぁ、お別れね…」
立派なヒキガエルの姿になってしまったヤマトくんに、ガマは無邪気な少年の姿で微笑みました。
「姿を奪ったままで、そう言うと、まだ我儘を通そうとしてるみてぇだべな」
横で茨男が、くっくっと笑いを噛み殺して言いました。
「もう会えないの?」
「…ここはそんなに何度も来るようなトコじゃねぇよ…」
あまりに寂しそうなヤマトくんに、少し困った様子で、茨男は頭をポリポリ…。
「ここは、やり直すチャンスを得るための場所よ。
後悔する気持ちがあれば、いつでも来れるわ」
ツンっと、言い放つガマに、ヤマトくんはニッコリ。
「…ありがと」
「さっさと、帰りなさい。
今、帰れば、ちゃんと元の姿に戻る筈よ」
「わかった!…またね!」
そう言うと、ヤマトくんは思い切って、水溜りに飛び込みました。
「っ!!!
あいたっ!!…………アレ?」
…が、水溜りにガラスの蓋でもしてあるかのように、見えない何かにぶつかり、ひっくり返ってしまいました。
「それにしても、どうして戻れねぇんだ?」
「知らない!
ヤマトくんが優しすぎるんじゃないの?
甘ちゃんなのよ…」
と、ガマは肩を竦めます。
そして、
「私の帰る心配なんてするからよ…」
と、小さく呟きました。
「じゃあ、別の方法を探すしかねぇな…
おらも一つ知ってはいるが…」
茨男は少し渋い顔をして、言い渋ります。
「足を一本切らねぇいけねぇ…」
「…え?」
「…3本足になってもらうんだべ…」
そう言うと、ヤマトくんは大の字ならぬ、Hの字になって、ベタっと倒れました。
4本の足で歩くヒキガエルの体になかなか慣れなくて、少し歩くだけで、ぐったりです。
「だらしないわねぇ…」
ガマが呆れて、ヤマトくんを見下ろします。
彼女も2本足に慣れていない筈なのに、ピンピンしていました。
「鍛え方が違うのよ。
さぁ、立って。
今のあなたは大きくて、私も茨男も背負ってあげられないんだから、頑張りなさい」
カンカン照りのお日様の下。
どこまでも続く砂漠に、ヤマトくんはうんざりしました。
「スマンな。
あれでも、ガマなりに責任感じて、応援してるんだべ」
苦笑いを浮かべた茨男が、耳許で囁きました。
ヤマトくんは頷いて、再び歩き始めます。
砂漠を歩く少し前の、井戸の前。
「さぁ、お別れね…」
立派なヒキガエルの姿になってしまったヤマトくんに、ガマは無邪気な少年の姿で微笑みました。
「姿を奪ったままで、そう言うと、まだ我儘を通そうとしてるみてぇだべな」
横で茨男が、くっくっと笑いを噛み殺して言いました。
「もう会えないの?」
「…ここはそんなに何度も来るようなトコじゃねぇよ…」
あまりに寂しそうなヤマトくんに、少し困った様子で、茨男は頭をポリポリ…。
「ここは、やり直すチャンスを得るための場所よ。
後悔する気持ちがあれば、いつでも来れるわ」
ツンっと、言い放つガマに、ヤマトくんはニッコリ。
「…ありがと」
「さっさと、帰りなさい。
今、帰れば、ちゃんと元の姿に戻る筈よ」
「わかった!…またね!」
そう言うと、ヤマトくんは思い切って、水溜りに飛び込みました。
「っ!!!
あいたっ!!…………アレ?」
…が、水溜りにガラスの蓋でもしてあるかのように、見えない何かにぶつかり、ひっくり返ってしまいました。
「それにしても、どうして戻れねぇんだ?」
「知らない!
ヤマトくんが優しすぎるんじゃないの?
甘ちゃんなのよ…」
と、ガマは肩を竦めます。
そして、
「私の帰る心配なんてするからよ…」
と、小さく呟きました。
「じゃあ、別の方法を探すしかねぇな…
おらも一つ知ってはいるが…」
茨男は少し渋い顔をして、言い渋ります。
「足を一本切らねぇいけねぇ…」
「…え?」
「…3本足になってもらうんだべ…」
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