あかいトカゲのゆめ
ウサギは何羽?
(お腹減ったぁ…)
ウサギ達に聴こえないように、ヤマトくんは心の中で呟きました。
真っ暗な空の下。
歌ったり、戯れついてくるウサギに囲まれてヤマトくんは進みます。
カエルと違い、ウサギ達は喋ってはくれませんが、言葉は通じるようで、一緒に来てくれました。
♪びよよよ〜ん♪びよよよ〜ん♪
井戸はもうそろそろ近くのハズ…。
星明かり以外の灯りは無いけれど、かなり先まで見透せます。
ここに来てから、どのくらい経ったのでしょう。
トカゲに噛まれて、深い穴に落ちて、影の茨男に会って、カエルに追いかけられて……。
ヤマトくんは凄く凄く時間が経ったように思うのに、まだまだ夜は明けません。
それに、いつもならもうとっくに寝ている時間なのに、ちっとも眠くありません。
それよりも…
お腹が凄くペコペコで、うっかり声に出してしまいました。
ヤマトくんはハッとして、ウサギ達の方を見ますが、どうやら気づいていません。
しかし、
ぐぅ〜〜…
やっぱりお腹は我慢の限界だったようです。
「違う!違う!大丈夫だから!!」
ヤマトくんは大慌てで、ウサギ達に言い訳しました。
というのも、ウサギ達がバーベキューをする準備を始めたからです。
しかも、自分達のウサギのお肉で…。
ウサギ達が捨て身バーベキューを始めるのと、ヤマトくんがそれを止めるのは、もう3回目でした。
どうしてウサギ達が、命を、自分を犠牲に他人へ何かをしようとするのか、さっぱり分かりません。
(しっぽが生えてくるトカゲだって、本当は切るのが嫌な筈なのに…)
ヤマトくんは、ハッとしました。
「そうだよ…。
嫌に決まってるよね…」
急に立ち止まったので、すぐ後ろを跳ねていたウサギは止まれずに、ヤマトくんの背中にぶつかってしまいました。
そして、そのまま勢いよく跳ね返って、ぴょーんと飛んで行ってしまいました。
「あ!ごめんねー!」
慌てて、追いかけましたが、ウサギはコロコロ、コロコロ転がって…
追いついたときには、群れからかなり離れてしまっていました。
少し不安になったヤマトくん。
ウサギを抱き締めて、立ち尽くしていると、また後ろから大きな影が…。
怖くなって、ヤマトくんはもう振り向けません。
じぃ…っと固まっていると…。
「ハァ…。
やっとこさ、見つけたべ。
もう迷子にならんように、手ぇ繋いでくれんか」
ウサギ達に聴こえないように、ヤマトくんは心の中で呟きました。
真っ暗な空の下。
歌ったり、戯れついてくるウサギに囲まれてヤマトくんは進みます。
カエルと違い、ウサギ達は喋ってはくれませんが、言葉は通じるようで、一緒に来てくれました。
♪びよよよ〜ん♪びよよよ〜ん♪
井戸はもうそろそろ近くのハズ…。
星明かり以外の灯りは無いけれど、かなり先まで見透せます。
ここに来てから、どのくらい経ったのでしょう。
トカゲに噛まれて、深い穴に落ちて、影の茨男に会って、カエルに追いかけられて……。
ヤマトくんは凄く凄く時間が経ったように思うのに、まだまだ夜は明けません。
それに、いつもならもうとっくに寝ている時間なのに、ちっとも眠くありません。
それよりも…
お腹が凄くペコペコで、うっかり声に出してしまいました。
ヤマトくんはハッとして、ウサギ達の方を見ますが、どうやら気づいていません。
しかし、
ぐぅ〜〜…
やっぱりお腹は我慢の限界だったようです。
「違う!違う!大丈夫だから!!」
ヤマトくんは大慌てで、ウサギ達に言い訳しました。
というのも、ウサギ達がバーベキューをする準備を始めたからです。
しかも、自分達のウサギのお肉で…。
ウサギ達が捨て身バーベキューを始めるのと、ヤマトくんがそれを止めるのは、もう3回目でした。
どうしてウサギ達が、命を、自分を犠牲に他人へ何かをしようとするのか、さっぱり分かりません。
(しっぽが生えてくるトカゲだって、本当は切るのが嫌な筈なのに…)
ヤマトくんは、ハッとしました。
「そうだよ…。
嫌に決まってるよね…」
急に立ち止まったので、すぐ後ろを跳ねていたウサギは止まれずに、ヤマトくんの背中にぶつかってしまいました。
そして、そのまま勢いよく跳ね返って、ぴょーんと飛んで行ってしまいました。
「あ!ごめんねー!」
慌てて、追いかけましたが、ウサギはコロコロ、コロコロ転がって…
追いついたときには、群れからかなり離れてしまっていました。
少し不安になったヤマトくん。
ウサギを抱き締めて、立ち尽くしていると、また後ろから大きな影が…。
怖くなって、ヤマトくんはもう振り向けません。
じぃ…っと固まっていると…。
「ハァ…。
やっとこさ、見つけたべ。
もう迷子にならんように、手ぇ繋いでくれんか」
コメント
シマちゃん
ドキドキ