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あかいトカゲのゆめ

おくとりょう

ほら穴へ

案内料あんないりょうにあなたの姿すがたをいただこうかしら?」

なにっているのかからなくて、きょとんとしていたヤマトくんにかって、ヒキガエルはおおきなくちをガバッとひらけました。

パクッ!

間一髪かんいっぱつ
びっくりして、うしろにころんだおかげで、ヤマトくんはまれずにみました。

「あらら…
おとなしくしてないと、怪我けがしちゃうわよ。
大丈夫だいじょうぶいのちまではらないから…」

カエルはそううと、今度こんどながしたをびゅぅーっとばしてきました。

べられるっ!!)

ヤマトくんはころがるように、します。

はしって、はしって、はしって…。

いき出来できなくなるくらいまではしって…。

クタクタになるくらいはしったころに、おおきなあなを見つけました。

もうあしがらなくなっていたヤマトくんは、たおれるようにそのなかころがりこみました。

そこはふかくら洞窟どうくつでした。

ジメッとしたくらやみに、ゾクッとして、すこ躊躇ためらいましたが、うしろからいかけてくるカエルのことがもっとこわくて、ヤマトくんはあななかかくれることにしました。

おくはどこまでつづいているのか、くらで、天井てんじょうから、ぽちょんぽちょんと、みずれているおとこえます。
おくまでくのはやっぱりこわくて、入口いりぐち一番いちばんちかいわかくれました。

ドクドクと体中からだじゅう波打なみうおとと、ハァハァという息遣いきづかいが、とてもおおきくこえます。
そのおとが、カエルにこえてしまうのではないかと、ヤマトくんは心配しんぱいになって、ギュウっとちぢこまりました。

「……どうして、こんなことになったんだろ…」



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