話題のラノベや投稿小説を無料で読むならノベルバ

あかいトカゲのゆめ

おくとりょう

かえるみち

そこはくら洞窟どうくつなか
ポチャン…ポチャン…と、ひく天井てんじょうからしずくちるおと
そして、ハァッ……ハァッ……と息切いぎれのこえひびきます。

「どうして…
どうして こうなったんだろ…?」

おおきないわのひとつに、かくれていたヤマトくんは、天井てんじょうあおいで、つぶやきました。




そのすこまえのことです。

「あれ?
ここ、どこ?」

ウサギたち一緒いっしょにぴょんこぴょこまわっていたヤマトくん。
いつのにか、ひとりぼっちになってしまっていました。

さっきまでは、モコモコのウサギにかこまれていたのに、いまいわばかりのひろ荒野こうやにひとりぼっち…。
くさえていない地面じめんが、余計よけいさびしくて、ヤマトくんのにはじわじわなみだあふれてきました。

ぽちょん…ぽちょん…ぽちゃんっ!

「あらあら。
あめってきたのかとおもったわ」

突然とつぜんすわっていたいわからこえがして、ヤマトくんはびっくり!
よくると、それはいわではなく、さっきすれちがったヒキガエルでした。
かげに“欲張よくばり”と言われていたあのカエルです。

さっきは、かげかたに乗っているので、づきませんでしたが、ヤマトくんのおなじくらいのたかさのあります。
おおきなおおきなヒキガエルでした。

「ひとりなの?」

ヤマトくんがからりると、ゆっくり身体からだこしながらたずねました。

迷子まいごね…
茨男いばらおとことも、はぐれちゃったのね」

「おうちに…かえりたい…」

迷子まいご”という言葉ことばいて、余計よけいさびしくなったヤマトくん。
なみだがぽろぽろ、ぽろぽろ。
鼻水はなみずもダラダラ、ダラダラと止まりません。

「あらあら、可哀想かわいそうに」

ヒキガエルは、べちょべちょになったヤマトくんのかおをベロンっとめると、くちけそうなくらいニッコリわらっていました。

わたしかえみちおしえてさしあげましょうか?」

「童話」の人気作品

コメント

コメントを書く