メガネと元借金取りと6匹のこやぎ

かのちゃん

03 友達を信じて…!

佐伯陽子。地味なOL。29歳。
6人の親友の子供と私の前に……怖いおじさんが現れました……。
借金取りって、こんなに怖い人なのね……。
テレビで観るより怖い……。

「……借金の取り立てに来たで〜。」

……!

「手、震えてるし。」

「ビビってる?」

「あんた、錦薫さんですかい?」

い、いえ!親友の佐伯陽子ですっ!

「親友か……おもろいなぁ。」

ジロジロ見てる……怖い!

「親友ならちょうどええ。薫さんの居場所、知りまへんか?」

し、知りませんっ!

「嘘ついたらあきまへんでぇ!!」

ひぃぃぃぃぃぃぃ!テーブルを叩いたぁ!

「居場所、わかってんでしょ?友達なんでしょ?」

ほ、本当に知りませんってぇ!

「……口割らんかったら仕方ないなぁ。薫さんに伝えてくれへんか?借金をチャラにする代わりに……。」

借金取りのおじさんが、陽菜ちゃんに近づき、腕をいきなり握った。

「このお嬢ちゃんのカラダを売るってな!」

!?

「やめて!離してよ!」

「暴れたらあかんで。」

「た、助けて〜!」

陽菜ちゃんが連れていかれる!

「やい!悪者!」

「陽菜姉を離せ〜〜!」

輝くんと奈留ちゃんが、おじさんをおもちゃの剣で叩いてる。

「な……なんや!このガキィ!」

「陽菜姉に手を出すな!」

今度は由奈ちゃんが、おじさんの体に抱きついてる。

「陽菜を連れて行くな!」

陽太くんが、おじさんの足にしがみついてる!

「な……全員離せや!」

「うえーーん!」

晴くんの泣き声が、どんどん響いてる……。
私は……私は……。

「やめてくださいっ!!」

私が怒鳴ると、子供達がおじさんから離れた。

「……陽菜ちゃんを、連れて行かないでください。1週間後、もし薫が戻ってきて借金を全てしたら、帰ってください。もし、帰ってこなかったら……私を売ってください!」

「ちょっと!本気!?」

そしたら、おじさんは、「ふっ。」と鼻で笑って、陽菜ちゃんを離して、私の前に近づいた。

「あんた、面白いのう。ええで。もし、薫さんが1週間後、帰ってきたら、俺は帰らせてもらいます。しかし、もし薫さんが戻ってこんかったら、あんたを売る。それでええな?」

……はい。

「期限は1週間後までやからなぁ!待っとるで〜。」

おじさんは笑いながら、家を出て行った。

「……大丈夫?そんなこと言って!」

まあ、なんとか大丈夫だよ……。

「おばさん。どうするの?」

お母さんが帰ってくるまで、あなた達のそばにいるよ。
お母さんは、必ず帰ってくる!私は信じる!

「……。」

続く!

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