ブルー・ウルフ

立三 夕愛


次の日の午後もテラスにいました

「昨日話したあとに考えてみたんだ。お酒を飲んでいるときの自分のことを」

「うん」

「俺もなぜそんなに怒っていたのか、ってちゃんと考えてみたんだ。
確かにそんなに怒ることでもないな、って思ったよ。それに怒っているときの自分が、かっこ悪いなって。
それで飲んでいるときに意識をしてみたんだ。のまれるな、のまれるな、ってね。
途中まではよかったんだけれどね」

「うん」

「だめだな」

「そんなことないよ。途中までは大丈夫だったんでしょう?」

「うん」

「なんでも最初からできるわけじゃないと思う」

「そうかな」

「そうよ。リハビリ施設に何回入ったの?
私だって何度もチッってなったのよ」

「ハハ」

「昨日意識してくれただけで凄く嬉しいわ」

庭では運転手のシシがゴルフのスイングをしていました


「昨日のまれたときは何に怒ったの?」

「別に怒ってはいなかったけれど。途中から、なんだよ好きに飲もうぜってなって。
それでただ飲んでいたかな」

「大声で怒鳴っていない?」

「怒鳴っていないかな。少しは叫んだかもしれないけれど」

「そう。
今日も飲むのよね?」

「そうだね」

「一緒に飲んでもいいかな?」

「一緒に?」

「そう」

「構わないけれど。今から飲む?」

「これから打ち合わせだから、2・3時間ほど待っててくれる?」

「うーん、先に飲んでいてもいい?」

「構わないわ。仕事がおわったらまた来るわ」

「OK」


3時間後に戻ってきました

「遅くなってごめんなさい」

「お疲れさま」

「あれ?飲んでいないの?」

「うん」

「どうしたの?飲んでいてよかったのに」

「なんとなくね」

「そう。スーパーでいろいろ買ってきたからキッチンを使ってもいい?」

「ああ、こっちだよ。作ってくれるの?」

「大したものは作れないけれど。
美味しくなかったらデリバリーを頼んでいいからね」

「ハハ、OK」

キッチンはとても広くて、綺麗に整備がされていました

ビールを冷凍庫に入れてからおつまみを作りはじめました

ロウはテラスに戻って行きました


20分ほどで3種類のおつまみを持って、テラスに行きました

「ここでいい?」

「早かったね。ここでもいいしリビングでもいいよ」

「どっちがいい?」

「じゃあ、ここに置いて」

「飲みものは何にする?」

「ビールがいいな。持ってくるよ」

「ありがとう。冷凍庫にビールを入れているから、それを持ってきて」

「冷凍庫?」

「そう。冷たいビールが飲みたいから冷凍庫に入れておいたの」

「OK」

ビールとコップを持って戻ってきました

「このビールあったっけ」

「買ってきたの」

「そうなの?」

「これが好きなのだよ」

「俺も好き」


ソファに座ると乾杯をしました

「んーー、美味しい」

仕事のあとの冷たいビールが喉をながれます

「このおつまみいいね。食べやすいよ」

ただ洗っただけのミニトマトを美味しそうに食べています

「フフフ。
外で飲むのは最高だわ」

「うん」

「好きな食べものは何?」

「野菜は好きだよ。それに肉はけっこう食べるよ。」

「肉ってステーキ?」

「そう」

「どれくらい食べるの?」

「500gくらいは食べているんじゃない」

「凄いわね」

「肉が大好きなんだ」

「今日はお肉も買ってきたから、あとで焼くわね」

「やったね」

美味しいおつまみにお酒もすすみました

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