能力値リセット 〜ステータスALL1の無能から徐々に成り上がるつもりが、1ヶ月で俺TUEEに変貌しちゃいました!〜

雪月 桜

ノー○ン王女

「お、終わりました……。もう、こっちを見ても良いですよ?」

「お、おう……分かった」

あれから特にトラブルが起きる事もなく、(別に期待なんてしてないぞ?)リリィから、お許しの言葉が出たものの、念のためゆっくりと振り返る俺。

すると、そこにはほほを赤く染めたリリィが、スカートを押さえながら立っていた。

特に深い意味は無いんだろうけど、無意識に羞恥心と防衛本能が働いた結果だろうか?

だとしたら大変、喜ばしいな。

俺の言葉を鵜呑うのみにして、いきなり湖で服を脱ぎ始めた時のような出来事が続いたら、こっちの理性がたないし。

とはいえ、リリィの防御力(意味深)が鉄壁になって、無防備な姿を見られなくなったら、それはそれで勿体もったいない気がしてしまう。

……ま、まぁ俺だって健全な思春期男子な訳だし? 

別に、おかしな事じゃないよな!

というか、パンツが戻ってくるなり慌てていたって事は、それまでは……。

ってことは、二人でフェアリーを探してた時も、リリィだけ帰すだの帰さないだのシリアスに揉めてた時も、緋熊から逃げたり戦ったりしてた時も、ずっと?

「…………」

「ちょっと、ハヤト様! さっきから私のスカートを見つめて何を想像してるんですかっ」

「は、はぁ!? 別に見てないし!」

「いや、見てますよ! ほら、今だって全く視線を逸らさずに凝視してるじゃないですか! ……うぅ、まだ嫁入り前なのに、こんな恥をさらしてしまって。もう、お嫁に行けません……」

そんなに心配しなくても、その時は、フェアリーが嫁にもらってくれるんじゃね? と言い掛けたけど、何故か、ぶん殴られるビジョンが浮かんだので、慌てて口を閉じる。

緋熊ひぐまの危険を感知した時も、そうだけど、この手の直感は外れた事がないからな。

ここは大人しく経験則に従っておくとしよう。

……それはそれとして、どうやってなぐさめたもんかなぁ。

『その時は俺が嫁に貰ってやるさ!』

――なんて、言ったところで、

『えっ、なに、この自意識&自信過剰な勘違い野郎、キモいんですけど』

――と、言われるのがオチだろうし。

いや、まぁ、リリィのことだから、そこまでボロカスには言わないだろうけどさ。

その代わり、困ったような笑みを浮かべて誤魔化すか、お世辞を言って軽く流すか、そんな所だろう。

どちらにしろ、慰めるどころか気をつかわせる結果になりそうだ。

幼馴染のサユリなら、遠慮も容赦もなく俺をサンドバッグにして、無邪気にストレス発散しそうだけどな。

取り敢えず、この場は適当に話を変えて、気分転換でもさせるとするか。

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