能力値リセット 〜ステータスALL1の無能から徐々に成り上がるつもりが、1ヶ月で俺TUEEに変貌しちゃいました!〜
彼女は完全にオコている
「それにしても不思議ですね。過去の記録には、”特異な固有スキルは全て役に立たないものだった”と記されていたのですが。まさか、あれだけのモンスターを、一掃する程の力を秘めていたなんて。集まっていたのは低級モンスターばかりとはいえ、素手で圧倒するなんて中々の快挙ですよ?」
「あー、あれって、やっぱり低級モンスターだったのか。どうりで勉強会で見たことあるな〜と思った訳だ。」
勉強会というのは、ここ一週間ほど行われていた、この世界に関する講義のことだ。
異世界人である俺達が知らない事――――例えば歴史や文化、基礎的な魔法の扱いなど、様々な事を学ばせて貰った。
俺も、その点に関してだけは素直に王族に感謝している。
「ところで、その固有スキルとは具体的に、どんな能力なのでしょうか? 他の方々から聞いた話では、ハヤト様のステータスは平均以下との事でしたが、あの戦闘を見た後では信じられません。……もしや、ステータスに依存しない独立した力なのでしょうかっ!」
前例のない未知のスキルということで、リリィは興味津々な様子だ。
が、少し興奮し過ぎなようで、普通じゃ有り得ない距離まで詰め寄って来ている。
俺が精一杯、体を反らしてなければ、キスでもしてしまいそうなほど近い。
「お、落ち着けって。悪いけど、いくらリリィが相手でも、固有スキルの内容は教えられない。どんな切っ掛けで周囲に漏れるか分からないからな」
たとえ、本人にバラす気が無かったとしても、勘の良い相手なら察してしまう危険がある。
この固有スキルは、俺の唯一無二のアドバンテージなんだから、無闇に広める訳にはいかないな。
「……確かに、それもそうですね。残念です」
肩を落として、シュンとしているリリィを見るのは心苦しいが、こればかりは納得して貰うしかない。
ただ、なんとなく居心地が悪くて、つい無意識にリリィの頭に手を伸ばしていた。
そして、小さい子を慰めるようにポンポンと撫でてしまう。
「……へっ?」
「…………あっ。わ、悪い! なんか落ち込んでるリリィを見てたら、勝手に体が動いてな。ホントごめん!」
普通、好きでもない男に頭とか触られたくないよな。
なんか兄が妹にするみたいに、自然にナデナデしてしまった。
別に妹とか居ないんだけどな。
「い、いえ。突然のことで、ビックリしただけで、嫌だったとか、そういうんじゃありませんから。全然、気にしてません。むしろ…………」
「ん? なにか言った?」
「あっ、えっと、な、何でもないです……」
顔を真っ赤にして俯いてしまうリリィ。
これは…………おそらく完全にキレている!
だけど、リリィは良い子だから、きっと素直に怒りをぶつける事が出来ないんだ。
全然、気にしてないって言ったのも、俺を気遣っての事だろう。
それでも、怒りで表情が歪むのは避けられなかった。
だから、こうして下を向いて、顔を見られないようにしてるんだ。
あの礼儀正しいリリィが人の目を見て話そうとしないなんて、そうとしか考えられない!
な、何とかして挽回しないと。
「あー、あれって、やっぱり低級モンスターだったのか。どうりで勉強会で見たことあるな〜と思った訳だ。」
勉強会というのは、ここ一週間ほど行われていた、この世界に関する講義のことだ。
異世界人である俺達が知らない事――――例えば歴史や文化、基礎的な魔法の扱いなど、様々な事を学ばせて貰った。
俺も、その点に関してだけは素直に王族に感謝している。
「ところで、その固有スキルとは具体的に、どんな能力なのでしょうか? 他の方々から聞いた話では、ハヤト様のステータスは平均以下との事でしたが、あの戦闘を見た後では信じられません。……もしや、ステータスに依存しない独立した力なのでしょうかっ!」
前例のない未知のスキルということで、リリィは興味津々な様子だ。
が、少し興奮し過ぎなようで、普通じゃ有り得ない距離まで詰め寄って来ている。
俺が精一杯、体を反らしてなければ、キスでもしてしまいそうなほど近い。
「お、落ち着けって。悪いけど、いくらリリィが相手でも、固有スキルの内容は教えられない。どんな切っ掛けで周囲に漏れるか分からないからな」
たとえ、本人にバラす気が無かったとしても、勘の良い相手なら察してしまう危険がある。
この固有スキルは、俺の唯一無二のアドバンテージなんだから、無闇に広める訳にはいかないな。
「……確かに、それもそうですね。残念です」
肩を落として、シュンとしているリリィを見るのは心苦しいが、こればかりは納得して貰うしかない。
ただ、なんとなく居心地が悪くて、つい無意識にリリィの頭に手を伸ばしていた。
そして、小さい子を慰めるようにポンポンと撫でてしまう。
「……へっ?」
「…………あっ。わ、悪い! なんか落ち込んでるリリィを見てたら、勝手に体が動いてな。ホントごめん!」
普通、好きでもない男に頭とか触られたくないよな。
なんか兄が妹にするみたいに、自然にナデナデしてしまった。
別に妹とか居ないんだけどな。
「い、いえ。突然のことで、ビックリしただけで、嫌だったとか、そういうんじゃありませんから。全然、気にしてません。むしろ…………」
「ん? なにか言った?」
「あっ、えっと、な、何でもないです……」
顔を真っ赤にして俯いてしまうリリィ。
これは…………おそらく完全にキレている!
だけど、リリィは良い子だから、きっと素直に怒りをぶつける事が出来ないんだ。
全然、気にしてないって言ったのも、俺を気遣っての事だろう。
それでも、怒りで表情が歪むのは避けられなかった。
だから、こうして下を向いて、顔を見られないようにしてるんだ。
あの礼儀正しいリリィが人の目を見て話そうとしないなんて、そうとしか考えられない!
な、何とかして挽回しないと。
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